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「男を選べるのは28歳まで」年齢に縛られ空回りした婚活。29歳からの戦い方とは?

迫る30歳を前に「若いうちに結婚しなきゃ」と焦りを感じること、ありませんか? telling,で婚活について綴ってきた神山園子さんは、29歳の誕生日までに彼氏ができなかったため、ある決断をしました。焦りで空回りした婚活と、年相応の戦い方とは?
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私事ではありますが先日29歳の誕生日を迎えました。

以前から婚活をしていたのですが、年始には「29歳までに結婚前提の彼氏ができなければマンションを買う」という宣言をしており、結果として彼氏ができなかったので引っ越しの手続きを開始しました(マンション購入は断念)。

実際になってみると、29歳というのはその響きだけがひとり歩きし、年齢を単なる数字として扱ってもらえない感じがあります。
「いくつになったの?」と聞かれ「29歳です」と答えれば、
「あと一年だね~」(何が?)
「もっと若く見えるよ!」(気にしてません)
「女がモテるのは29歳までだよ」(誰が決めた)
といった具合で、なにかと「意見」される年齢であることは間違いないようです。

私自身、29歳になるまでに彼氏をつくる!と息巻いていたのは「若さで年上の男性を狙えるのは28歳までだ」という焦りがあったような気もします。新卒で社会人になりたてのころ、上司が28歳の先輩に対して「男を選べるのも今年まで」と言っていたのを聞き、ゾッとした記憶があるからです。

迫りくる29歳に怯えるあまり空回りしていた婚活

約1年前私は4年間付き合った彼氏と別れ、同棲していた家を出た後に放心状態で家具家電付きのボロアパートを借りました。上京してからずっと彼と付き合っていたのもあり、急に“東京砂漠”に放り出された気分になった私はひとりで生きていく覚悟ができませんでした。すぐに次の男性を見つけて同棲しようと、いつでも出て行けるような家に住むことにしたのです。
仕事に対しての意欲もなく、なにか提案したり、新しい仕事を引き受けたりしないようにしていました。引継ぎ用の書類も作っておき、急に辞めても困らない存在でいようとしていました。

同時に婚活もしていましたが、この一年、「これだ!」という男性とは巡り合えませんでした。数十人と会いましたが「次に付き合うなら結婚」という気持ちが出すぎるあまり、ついつい年収や職業に目がいくし、条件ばかり気にして「好き」という感情から始まる自然な恋愛できませんでした。スペックだけで付き合って、なんか違うと思ったらすぐに別れて・・・気づけば半年で4人と付き合っていました。
ものすごく愛されたこともなかったような気がします。理由は明確で、私自身が相手の人間性を見て本気で好きになろうとしなかったから。彼氏の年収や職業にしか興味のない女が、愛されるはずないですよね。

いつでも引っ越せる状態、いつでも仕事辞められる状態……「結婚準備」の名のもとで手を抜いて生きていたように感じます。恋愛においても「いつでも乗り換えられる状態」に終始して、傷が浅く済むようリスクヘッジをしていました。

そんな日々に疲れ「家族との時間を大切にしたい」ともっともらしい言い訳をし、地元に帰ろうとしたことも。このころになると婚活をやめる言い訳を探していました。自分で決めた期限に勝手に苦しめられた結果、私は婚活を休むことにしました。

自分に自信がついたら年齢への焦りがなくなった

あまり自分を追い詰めすぎないよう「29歳までに結婚前提の彼氏ができなきゃ猫飼おう~♪」と、ご褒美を用意して2カ月後に婚活を再開したころで、コロナ禍に突入してしまいました。
思うように人と会えないなか、「そもそも本当に結婚がしたいのか?」と何度も自問自答することに。
実はそうした心境になるもう一つの理由として、仕事がうまくいくようになったというのがあります。いよいよ結婚できない未来が見えてきたので、一人で生きるために仕事を頑張るようになったのです。
それまでは、いつ辞めても大丈夫なように働いていましたが、辞められたら困る人材にならなければ、と新しいことに挑戦していきました。コロナ禍で婚活ができないぶん、仕事にまい進できたのもあります。この半年であらゆる成功体験を積み、次第にやりたいことがやれるようになり、給料も少し上がり……。トントン拍子で「一人で生きていけるわ」という境地にまで至りました。
仕事における自分の市場価値に自信がついたことで、「我ながらいい女なんじゃないか」という気になり、結婚への焦りが取り除いかれていったのです。

同時に男性の年収や職業などといったスペックに興味がなくなりました。高収入でもモラハラだったら嫌だし、高学歴より話が面白い方がいいし……と、本来自分はどんな人が好きなのかを思い出してきたところです。
かりそめ暮らしでは人間的な魅力は生まれないと思い、ボロアパートに住むのもやめることにしました。むしろ「私んち住めば?」と言えるくらい自立している方が、29歳はモテるんじゃない?と思って、きちんとした暮らしができる部屋に引っ越すことにしたのです。

29歳なりの素敵な女性を体現していきたい

会社で重用されるようになり、未来の経済的な不安が取り除かれたからか27歳くらいから漠然と持っていた「若さがなくなる」という不安がなくなりました。今は29歳らしく、年相応の経験値を持った人間でいれば大丈夫だと思えています。そういう私を好いてくれる人が現れたら最高だな~と。

もし私と同じように29歳で漠然とした不安を抱えている方がいたら、まず仕事を頑張ることをお勧めします。仕事はやるほど自分に還元されるし、「逃げ」の姿勢の結婚は相手の収入や職業が譲れない条件になり、選択肢を狭める気がするからです。

私は29歳を過ぎてスピード婚を狙うのはやめ、「ここからは長期戦だな」と考えを改めました。自分が高く売れるうちに!と焦るのではなく、若い子にはない自分の価値オンできるような生き方をしていきたいと思っています。

1991年生まれ。芸能・出版などマスコミ業界で働く会社員。リアルなミレニアル世代として、女性特有のモヤモヤや働き方などを主なテーマに記事を執筆中。
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