telling, Diary ―私たちの心の中。

「30歳すぎたら婚活市場ではおばさん」って言われて、黙ってられますか。

『「29歳と30歳、天と地ほど違う」結婚相談所の婚活アドバイザーに聞く29歳問題』という記事が公開された。現在32歳、日々悩みながらも自分の仕事や結婚観に折り合いをつけようともがく私は、このタイトルと記事に書かれた内容に愕然としていた。少々感情的なのはお許しいただきたい。怒りのコラムです。

ざわついた胸、まるで呪文

先日出たこの記事を読みながら、スマホをにぎる力が強くなっていくのを感じていた。

29歳と30歳は「結婚相談所においては、天と地ほど違う」のだそうだ。

もちろんこの記事は、個人の考えではなく「結婚相談所」という“市場”においての話。つまり生鮮市場においてレタスは朝獲れがよいだとか、魚は目と鱗を見て判断しろだとか、そういうことと同じように、淡々と「婚活市場」の実情が綴られているわけなんだけど……。

結婚はおろか、「人生」において若さへの執着を強める呪文のように読めてしまった。

カジュアルに出会えるマッチングアプリにだって年齢制限をするフィルター機能があるという人もいる。私自身も年齢制限を設定しスワイプに励んでいる。それは音楽やドラマ・映画鑑賞が趣味の私にとって近しい年齢の人とそうしたものを共有したという意図があるから。
「オジサンより若い人のほうがいい」と、年齢そのものに固執しているのではない。個々人のバックグラウンドにあるカルチャーや同年代だからこそ共有できる価値観を交際において重視しているからで、もし年齢問わず私が大切にしている価値観を共有できるのであればどんな世代の方も大歓迎だ。アプリを長らく使ってきた経験上、価値観を共有できる人と効率良く出会うために年齢フィルターをかけているにすぎない。

私たちは記号じゃない

「30歳」。この数字がもつ大きさを、知らないとは言わない。「もうすぐ30歳じゃん。大丈夫?」「もう若くないね〜」。現在32歳の私、ええ、散々言われてきましたよ。
でも、私たちは記号じゃない。ただの「30」とか「32」とかが服着て歩いてんじゃない。「ボブヘアーで原色好き 時々飲みすぎちゃって 寂しがり屋でうらやましがり 芝居鑑賞が趣味で 友達が大事で仕事も大事 もがくこともあるけど人生楽しくて……」いやもっと、ここでは、書ききれない、「30歳」じゃなくて「私」なんだ。24歳も、36歳も、49歳も、そう。数字ではなく、心とからだのある、人間だ。

どうせ焦るなら、年齢という数字に対してではなく、恋愛、キャリアアップ、人間関係……自分に正直に生きられてない時に焦りたい。どうせ不安になるなら、「30歳」で結婚していないことにじゃなく、「結婚」を自己肯定感の道具に使ってないかということに不安になりたい。

人間がつくった年齢という概念に、自分たちでとらわれ悩むなんて本末転倒!

「俺の子孫、新鮮な若い女性に生んでほしい」と・・・?

そしてこの記事では、男性が女性を若さで選ぶ理由のひとつが「出産」であるとしている。依然として女性が男性の子孫繁栄のための道具のように扱われていると、私には感じられた。
女性自身が、自分の身体を慮って「出産の年齢は早めに」と言っているのではない。
「俺の子孫は、新鮮な若い女性に産んでもらわないと」
そう言われているような気がして、恐怖を覚えた。

そもそも年齢至上主義って、結婚相談所に登録している男性だけなのかしら。
氷山の一角なのかもしれないと考えると、今も、電車の隣の席に、コンビニですれ違った某が、親友だと思ってたアイツまで……どこに「結婚は年齢至上主義」論者がいるかわからない、とすら思う。

だから私は声をあげる。「ふーん。そんな人もいるんだね。私とは違う価値観だね」で終わらせない。
だって私たちは歳をとることに無駄な焦りを抱いたりする必要はないし、他人が年齢を重ねることを「マイナス」と捉えていいわけがないから。

「そうは言っても、現実は……」「はいはい、おばさんのひがみね」と言われて黙ってられますか。

婚活、いいえ、人間の価値における、若さ至上主義、断固反対!

現在肩書き無し。30歳の夏、港区での彼氏との同棲を解消、同時に8年マネージャーとして勤務した芸能事務所を退社する。ライター業ではお笑いやサブカルチャーに関するコラムをwebサイトに寄稿など。
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