実家と叔母の家が危ない⁉土砂災害と河川氾濫で考えた防災のこと
※写真は浸水した久留米市の住宅街。奥は筑後川=2020年7月8日
実家のあるアエリアが危ない!避難するならどこ?
九州や中部地方を中心に、甚大な被害をもたらしている今回の豪雨。私の実家がある岐阜でも一時大雨特別警報が出され、土砂災害や河川の氾濫などが起きました。
豪雨に見舞われる前の8日朝、実家が危険なエリアに入っていることをニュースで知った私は、一人で実家に住む母と、同県内の別の場所で一人暮らしをしている叔母のことが心配になりました。2人に電話して状況を確認し、「いつ避難するか」「どこの避難場所に行くのか」などを話し合いました。
実家は街の中心部にあるため、土砂崩れや河川の氾濫に巻き込まれる可能性はないだろうと私は思い込んでいました。一方で叔母の家の裏には山があり、近くに小さい川もあります。私は叔母の身を案じ、「早めに母の家に避難した方がいい」と伝えました。すると、叔母から「実家はうちよりも低い土地にあるし、近くには大きな川があるから心配だ」と言われました。
私はすっかり忘れていました。実家の近くにはたしかに一級河川の木曽川があったのです。ただ、その木曽川は山間にあるため、氾濫することはないだろうとも思いました。
でも、叔母が言うように、もし木曽川が氾濫したら危険です。私は母に「川の水位が上がったら指定された避難場所ではなく、近くの小高い丘にある公共の建物に逃げた方がいい」と提案しました。
ハザードマップを確認したらわかった意外な事実
私はふと、ハザードマップがどうなっているのか気になり、2人にマップを確認したか聞きました。すると、2人とも見たことがないとのこと。私が自治体のホームページで確認すると、意外なことがわかりました。
ハザードマップによると、木曽川が氾濫しても、その水は実家がある場所まで来ないこと。避難場所として指定されている場所も、浸水や土砂災害に遭う危険がないエリアにあるということ。逆に、私が母に逃げるよう助言した小高い丘は、周辺がすべて土砂災害警戒区域に指定されており、とても危険な場所でした。
さらに、叔母の家周辺は私が心配した土砂災害と河川の氾濫などの危険区域は少なく、かわりにため池による浸水被害が想定される「ため池危険区域」が数多く存在していました。叔母に確認したところ、家のすぐそばにため池があると言うのですが、私の記憶には全くなかったのです。
私の勝手な思い込みにより「大丈夫そうなところ」に避難することになっていたら・・・。ハザードマップを確認してよかったと思いました。話し合った結果、なにかあったときには指定された場所に避難することになりました。
早めの避難の重要性 「自分の命を守る」が人の命も救う
今回の豪雨災害で、もう一つ気になることがありました。
それは、叔母のつぶやいた一言。すでに雨がひととおり降った夕方、私が「早めに避難してね」と伝えたら、叔母は「まだ大丈夫。それに、もう年だからいつ逝っても惜しくはない」と言ったのです。
叔母が「まだ大丈夫だろう」と思っていたとしても、大雨による被害は想像を超える早さで拡大します。
また、災害が起きるのは昼間とは限りません。熊本の球磨村では、深夜3時半に避難指示が出されています。同じように真夜中に避難が必要になった場合、「暗い中移動するのは危ないから自宅にいよう」となりかねず、逃げ遅れる可能性があります。
避難勧告や指示が出る前であっても、避難はできます。まだ雨が降っていない、明るい時間帯に動けば安全です。
また、叔母のように「いつ逝っても惜しくない」と思っていたとしても、実際に被害に遭ったら救助に来る人がいます。その人が救助活動の最中に命を落とすなどといった二次被害が起きないとも限りません。
自分の命を守ることが、他人の命を守ることにもつながるのです。
そして自分の命を守るためには、普段から災害に備えることが大切だと思います。今回被害に遭った地域以外に住んでいる人も、一度自治体のハザードマップを見てほしいですね。自分が住んでいる場所に水害や土砂災害などの危険がないか、どこに逃げれば安全なのか、確認しておくことをおすすめします。
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