30歳になるのって怖いことですか?結婚もキャリアも、「節目」を使って自分像を描こう
●#ミレニアルズのモヤモヤ考察06
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「30」という数字が持つ意味
「30」という数字は、他とは違う意味を持っている気がする。「30歳を迎えるまでに、これまでとは違う自分でなければいけない」あるいは、「30歳を迎えると、違う自分に変わってしまうのでは」――という妙な恐怖感を抱いている人も多いのではないだろうか。本当のところは、29歳の自分が誕生日を迎えたに過ぎないのに。
出産を望んでいる場合、女性が年齢のプレッシャーを強く感じることは事実だろう。身体的なリミットがあったり、出産準備や育児のために一時的にキャリアを中断せざるを得なかったりする。それを理由に女性の早期キャリア形成の必要性を説く声もあるほどだ。結婚・出産においても、キャリアにおいても、多くの女性が30歳を一つの節目と考えている。
勝手に内在化された「若さ」
ふと、30歳女性への世の中の認識は、どんなものだろう?と思い、インターネットで「女性 30歳」と検索してみた。いくつかの記事をななめ読みしていると、共通して出てくるキーワードは「30歳になることが怖い」という恐怖感だ。
かいつまむと、「30歳女性となると、周囲から“若い女性”とみなされなくなる。それが怖い」ということらしい。世間一般の目として、経験値を積んだ女性よりも、若い女性の方が価値があると認識されていること、また、無意識の間に若さを内在化して考えていることも垣間見えてくる。ちなみに、「30歳 男性」と検索すると、「人生で一番モテる時期」という記事が多くヒットすることも、書き加えておく。個人の考えはさておき、世の中の認識としてこういった考えがあるようだ。
堂々たる1位は「結婚がしたい」
女性は30歳という「節目」を、どんな姿で迎えたいと思っているのか。調査によると、堂々の1位は「結婚がしたい」38%、2位が「子供が欲しい」33%の結果。つまり約3人に1人が30歳までに結婚をしたい、または子供がほしいと思っているとのこと。やや意外なのが、3位の「具体的な資格の取得をしたい」が20%と、スキルに関する項目が上位に挙がっていることだ。
若さから脱皮し、インディペンデントな自分に
それぞれの理由を見てみよう。
「結婚がしたい」「子供が欲しい」に関しては、「適齢期だから」という理由が多数を占めた。結婚や、年齢が若い方がしやすいといったマインドがあることがうかがえる。周囲からの無言の圧力もあるのかもしれない。
一方で、「具体的な資格の取得をしたい」については、以下のような回答が見られた。
・ 「転職に有利だから」
・ 「30歳を迎えるにあたって、自信につながるものがほしい」
・ 「大人として、女性として独立して生きていきたいから」
自身をアップデートしたことが目に見えて感じられるものとして「資格」というキーワードが上がってきたのだろう。キャリアや転職に関する回答は20代という問答無用の若さを手放すからこそ、「自分自身がこれからどうあるべきか」という生き方と向き合ったり、内省に向かったりしているような回答が多かった。
20代に代表される「若さ」をトレードオフに獲得したいのは、インディペンデントで自信が持てる“わたし像”なのかもしれない。
若さを内在化しない生き方に
若さをあてにした生き方は、自分ではどうにもならない環境要因に身をゆだねている。これが、非常にもったいないと思うのだ。また、結婚・出産も相手ありきのこと。自分一人ではどうにもならない部分が大きい。
若さを手放し、ネクストステージへの「節目」をどう迎えたらいいのか。これは私からの提案だが、「どう生きていきたいか」を考えるきっかけとして30歳を活用していくのはどうだろうか。例えば、どんな30歳を迎えたいかを書き出してみるというのも手だろう。キャリアや、経済状況のイメージ、家族やパートナーとの関係性など、どのような自分でありたいかを整理する。そうすることで、目指す30歳のイメージが具体的になっていくだろう。
「30歳=もう若くない」という世間一般の定規をテコにして、改めて自分だけの武器が何なのかを意識し、主体性を持って生きること。それが、30歳を価値づける行動になり、インディペンデントで自信が持てるわたしへの一歩だろう。世間が勝手に設定してくる「節目」をうまく利用して、なりたい自分像を描く。これが、令和時代のキャリジョの30歳らしさ、なのだ。
※ 博報堂キャリジョ研実施 ミレニアル女性意識調査
2020年5月実施 インターネット調査(全国)、20~30代の女性100名が対象
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