「29歳問題」という問題

「29歳」で日本へ。台湾の人気エッセイスト・ジェイジェイさん「考えるより行動を!」

台湾で暮らしていたジェイジェイさんが日本に移住したのは2004年、29歳のときのこと。日本人男性と結婚し、日本での生活を記録したブログがコミックエッセイ『接接在日本』として出版されて現地台湾で好評を博し、日本でも『台湾から嫁に来まして。』が2013年に中経出版から発売されました。日本では何かと悩んだりモヤモヤを抱える“29歳”、しかも「日本語できない」「仕事もない」中で日本に来た理由は?ジェイジェイさんから見た日本や、日本の女性って?詳しくお話を伺いました。

●「29歳問題」という問題

仕事をやめて日本に飛び出した29歳

――ジェイジェイさんは29歳で日本に移住したとのこと。29歳というと、仕事が楽しくなってくる頃かと思います。不安はなかったですか。そもそも日本にいらしたきっかけは。

ジェイジェイさん(以下、ジェイジェイ): 当時付き合っていた彼と日本で一緒に住もうということになって、日本に来ることになりました。台湾ではゲームキャラクターのデザイナーをしていて楽しかったので悩みましたが、せっかくだから自分の世界を広げるために日本に行ってみたいと思いました。

――日本語はできたんですか?

ジェイジェイ: 全然! 友達もいないし、日本語もわからない。仕事もない。だから、最初は引きこもりのような生活をしていましたよ。その後、日本語の学校に通い、仕事も見つかり、徐々に日本での生活に慣れてきました。

――日本に来るということは、台湾でのキャリアをいったん捨てることになりますよね。

ジェイジェイ: 国が違ってもゲームキャラクターデザインの仕事はできるから、なんとかなるかなと思いました。それよりも、せっかく海外に出る機会ができたのに飛び出さなかったら、このまま台湾だけで仕事をすることになるかもしれない。「考え込んでしり込みするより、行動すべし!」ということで、日本に来ちゃいました。はじめの1歩を踏み出さないと、2歩目の選択はないなって思ったんです。

――日本の女性は29歳になるのを気にしますが、台湾ではどうなんでしょう。

ジェイジェイ: 台湾でも28~29歳にかけて結婚する女性が多いです。友達もたくさん結婚しました。私はそのときは仕事をがんばっていたので、それほど意識はしていなかったです。日本に来たのも、彼と住むためというのがきっかけでしたが、結婚までは考えていなかったですし。でも、やっぱり台湾の女性にとっても30歳というのは1つの節目。その前後で結婚したり、私のようにこの先の仕事について考える人もたくさんいると思います。

「お母さんを敬う」台湾人男性

――男性については? 日本の男性と比べて違いはありますか。

ジェイジェイ: 台湾人の男性はとにかく優しい。どこかに出かけたら必ず迎えに来てくれるし、いろんなことに気を遣ってくれます。そして、お母さんのことを敬う人が多いです。お母さんのいうことを全部聞くから、奥さんからしたら「旦那さんはお母さんの言うことばかりきいて!」と思う人もいます。でも、そういうふうに育ってきたから、女性に対して優しくできるわけです。

――台湾でも嫁姑問題はある?

ジェイジェイ: ありますよ、嫁姑問題に国境ナシ!(笑)。もう1つ言えることは、台湾人の男性はモーターバイクやフィギュアが大好き。そういった自分の趣味にお金をかけちゃうんですよ。だから、男性に比べて女性がしっかりしていると思います。台湾の女性はお金を貯めるのが好きだと思います。

「ま、いいか!」と楽天的でO型気質(?)の台湾女性

ジェイジェイ: とはいえ、台湾の女性はうっかり、ちゃっかりな感じもあるんですよ。血液型でいったらO型。

――どういう意味ですか?

ジェイジェイ: KYで、空気が読めない(笑)。細かいことを気にしない。約束の時間に遅れてくるし、何か失敗しても全然気にしない。「ま、いいか!」って感じなんです。よくいえば大らか。だから、先ほどの29歳問題みたいなことについても、突き詰めれば日本ほど深刻にはとらえてないと思います。

日本人の女性は、みんなハンカチをもっているなど女子力が高いですよね。台湾女性はハンカチを持たない人が多いです。トイレのあとはどうするかというと、街なかで配っているティッシュを使って濡れた手を拭き、そのまま捨てる。ハンカチは洗うのが面倒だし、すぐにどこかにいっちゃう!

――日本でも最近は、エアタオルがあるからハンカチを持つ人は減っているかも。

ジェイジェイ: 日本のトイレはすごいですよね。メイクルームがあって。以前、台湾にいたときに「日本人の女性は、夕方になってもメイクが崩れてないよね。どんな化粧品を使っているの?」と聞いたら、トイレでメイク直ししてるんですよね。びっくりしました。

女子力は高いし、仕事もできる。だけど、なぜだか日本人の女性って自分に自信がない人が多いですよね。私が台湾から日本に来て、気になったのはそのことです。

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【取材後記】 お話を伺っているこちらのほうこそ「気になる」ジェイジェイさんの発言。「日本の女性は自分に自信がない人が多い」、その詳細は……?インタビュー後編に続きます。後編は6月3日公開予定です。

●ジェイジェイ(接接)さん
台湾新北市生まれ。台湾でゲームデザイナーを務めた後、2004年に日本に移住。その後、日本人男性と結婚2007年に日本での生活をイラストと文章で記録したブログを開設し、2010年からブログをまとめたコミックエッセイ『接接在日本』を出版し、現地台湾で大好評。日本でも『台湾から嫁に来まして。』が2013年に中経出版から発売され、人気を集めている。中国語情報サイト「潮日本」(朝日新聞社)などでコラムも連載中。

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『台湾から嫁に来まして』

著:ジェジェ

発行:中経出版

明治大学サービス創新研究所客員研究員。ミリオネアとの偶然の出会いをキッカケに、お金と時間、行動について真剣に考え直すことに。オンライン学習講座Schooにて『文章アレルギーのあなたに贈るライティングテクニック』講座を開講中。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。
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