#ミレニアルズのモヤモヤ考察

「職場に憧れの女性はいない」が8割。ミレニアル世代の生きづらさ解く新たな“ロールモデル” は?

働く女性たちを徹底研究している「博報堂キャリジョ研」のメンバーが、同世代のミレニアル女性たちのモヤモヤについて、熱い思いと豊富な分析資料を交えあれこれ考える連載です。第3回は「あなたにロールモデルはいますか?」。ミレニアル女性の8割が「職場に憧れる女性はいない」、6割が「人生のロールモデルはいない」と答えています。砂漠の一等星のような、お手本にしたい生き方をいくつも持っていたいもの。ミレニアル世代のロールモデルについて考えました。

●#ミレニアルズのモヤモヤ考察03

3月は、決算の会社が多い月。1年間の自分の仕事を振り返り、上司との面談などを通して、来年度への目標や決意を新たにする方も多いのではないだろうか。仕事上の目標を決めることもさることながら、同時に「どんな人になりたいのか?」「何を目指していくのか?」ということも問われ、考える時期でもあると思う。でも、いつも私は思う。私は一体誰になりたいんだろう。どこに向かいたいんだろうって。“ロールモデル”という言葉があるけれど、みなさんには、そういう人っていますか?

まるごと真似したい“ロールモデル”がいない時代

「ロールモデル(role model)」を英辞書で引くと、“a person that you admire and try to copy”(The Oxford Advanced American Dictionary)とある。つまり、「憧れであり、お手本としたい人物」という意味。調査結果を見てみると、「あなたには、生活や人生のロールモデルがいますか?」という質問に対して、「いない」と答えたのは57.3%(※1)。つまり、半数以上はロールモデルがいないと答えている。
また、仕事に焦点を絞った「職場の中に、あなたが憧れている女性はいますか?」という質問に対しては、「いない」と答えたのは78.3%(※2)。約8割の女性が職場に憧れの人が存在していないというのが、実態だ。
わたしたちに明確なロールモデルがいないのは、なぜだろうか。

そもそも、女性の働き方はこの40年ほどで大きな変化を遂げた。男女雇用均等法が制定され、就職しても結婚して会社を辞める「寿退社」が当たり前の「腰かけOL」時代の1980年代にはじまり、女性の高学歴化が進み、「キャリアウーマン」という言葉が登場した1990年代。そして、2000年に突入すると、「ワークライフバランス」という言葉も生まれ、漫画「働きマン」に代表されるようなバリバリ働くスタイルから、「エビちゃんOL」に代表される可愛くてゆるりとした働き方が登場。しかし、2010年代になると女性活躍への注目が加速し、さらには会社に縛られない働き方も登場。オフィスで働くだけではなく、副業やパラレルキャリア、ノマドワーカーやリモートワーカーなどが登場してきた。このように「女性の働き方」の変化が激しい中では、10歳上の先輩の働き方や価値観が自分とは異なると感じるのは当たり前だとも言える。ロールモデルがいない!と感じるのは、このせいだろう。

「生き方」のロールモデルがなければ作っちゃえ!

前述した調査における「あなたには、生活や人生のロールモデルがいますか?」という質問(※1)に対して、「ロールモデルがいる/部分的にお手本にしたい人がいる」と回答した方は、具体的には「英語も話せて自分の視野を広げている石原さとみさん」「充実した毎日を送っている石田ゆり子さん」「可愛くきれいで女性らしい白石麻衣さん」「妥協せずに仕事に取り組む広瀬すずさん」と、著名人を挙げる方も多い傍らで、「頭の回転が速く、コミュニケーション能力が高いから」とバイト先の人などの身近な人を回答する方や、自らの「母親」と答える方も多く、「何事にもチャンレンジする」「大変でも笑顔でいる」「明るくて芯がある」と理由を挙げていた。また、櫻井翔さんやローランドさんなど異性を挙げる方も。
ふと疑問に思う。女性のロールモデルは、女性でなくてはいけないと、誰が決めたのだろうか。そして、年齢が上じゃなくてはいけないと、誰が決めたのだろうか。“憧れ”であり、“お手本”にしたい人は、性別が異なっても、年下でも構わない。国籍が違ってもいいと思う。そして、この回答をしている人たちがそうであるように、「キャリア視点」でのロールモデルに拘らず、「生き方」や「スタイル」「価値観」におけるロールモデルやお手本であれば、私たちは持つことができるのではないか、と。

今はSNSでいろいろな人と繋がり、簡単に世界中の人の生活やファッション、考え方に触れることができるようになった。この環境を上手に活用し、わたしたちは身近な人やSNSを通して繋がる様々な人の中から、自分の好きな人の好きなところをピックアップし、それらを“寄せ集める”ことで、自分なりの「オリジナルロールモデル」を作ることができるのではないだろうか。そして、人生は100年時代と長くなり、何が起こるか予測不能になっている中では、この「オリジナルロールモデル」は、どんどん変化することもあると思う。でも、そういった変化にも恐れず、自らが選び、歩んできた道を信じて、進んでいこう。画一的なロールモデルなんて、もういなくていい。私だけの「オリジナルロールモデル」を作り、壊し、また作りながら、私たちは前へ前へと進む。それが、次の世代や他の誰かにとっての、“寄せ集めたい”ロールモデルになるはずだから。

※1ミレニアル女性意識調査
2020年1月実施 インターネット調査(全国)、20~30代の未婚女性150名が対象
※2 シティリビング・リビングくらしHOW研究所・博報堂キャリジョ研共同調査 「働くアラサーシングル女性の「キレイ」に関する調査」
2018年6月実施 インターネット調査(シティリビング配布エリアに勤務)、25歳~34歳までの有職独身女性461名が対象

「#ミレニアルズのモヤモヤ考察」 で、あなたのエピソードや考察をつぶやいてみませんか? みなさんが気になるモヤモヤをお寄せください。調査データを駆使してともに考えていきます。

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「働く女性」(キャリジョ)をテーマに、博報堂&博報堂DYメディアパートナーズの女性プランナーやプロデューサーで立ち上げた社内プロジェクト。女性のトレンドを集めたインサイト分析や有識者ヒアリング、定性・定量調査やクラスター調査などから「働く女性」を徹底的に分析し、日々のマーケティング・プランニング業務に生かしています。
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