Ruru Ruriko「ピンク」22

迷い続けてもうすぐ25歳。「人生計画」なんてあてにならない

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、25歳の誕生日を控えたRurikoさんが、それまでの人生で悩んできたことを振り返ります。

●Ruru Ruriko「ピンク」22

最近、人生に迷っています。

25歳の誕生日を控え、迷うお年頃なのか私?と思ったけれど、確か去年も人生に迷っていました。もっと思い返せば一昨年もその前の年も迷ってたし、高校3年生くらいからずっと迷っている気がします。

大人って何でも知っている人たちだと思っていた

迷いに迷って私がやりたいことはこれだ!っと決めて、その時々選択しているはずなのに、少し経つとまた全然違う物が見えてきてわからなくなります。

昔は大人は何でも知っていて、自分が何をしているのかわかっている人たちかと思っていたけれど、むしろドンドンわからないことが出てくるし、知らないことが多すぎて時間が追いつかないくらい。

中学校や高校では、教師たちは夢を持つこと、自分がしたいことを知っていることが大切かのように話していました。進路相談では将来何をしたいのか、という質問に答えることが求められます。でも、18歳で将来の明確なビジョンがある人なんてそうそういないんじゃないかな?

なんて言ったけど、18歳の私にはキラキラで明確なビジョンがあったのです。中学生の時に雑誌「ELLE girl」を読み始めてから、私の夢はファッション誌の編集者で、映画「プラダを着た悪魔」の主人公アンディのようにNYの街を歩く自分の姿を想像していました。

期待に胸を膨らませ留学したロンドンでの挫折

高校卒業後は、みんなが日本の大学に進学する中、ロンドンのファッションスクールに入学しました。人とは違う選択をした自分に不安を感じながらも、夢への第一歩を踏み出したことで、それ以上の興奮と期待に胸をふくらませていました。
日本から遠く離れたイギリスの首都ロンドン。

そこでの生活は想像以上に楽しく全てが新鮮でした。ロンドンは期待以上のものをくれたけれど、同時に、「私はファッション編集には向いていない」という新たな発見もしてしまいました。そして私は1年間のコースが終わった後、当初の予定だった次の3年間コースに進むのをやめて、日本に帰国したのです。

自分にがっかりしましたし、4年間留学すると言って日本を出たくせに、1年で帰国したことに屈辱と恥を感じました。自分のしたことはfailure(失敗)だったのだと、強く思わされたのです。

もう大学に行きたいのかもわからなかったし、行くとしてもやりたいことはファッションメディアではなかった。でも、そういう私の考えは、当時は親に否定されました。「一度決めたことなんだから最後までやるべきだ、考えが変わったなんてそんなに甘くない」と。

結局、1年後にロンドンで取得したファッションの単位を使って、他の大学の写真コースに入学しました。コースは写真が好きだったから選んだだけで、将来どうにかしたいとは思ってなかったけれど、3年間で色々考えたし、私がフェミニズムに出会ったのも写真コースでのことでした。

人生計画がそのままうまく行くわけではない

こうしたい、こうしよう、なんて人生計画をして、そのままうまく行くことなんてあるのかなと思います。

少なくとも私は今のところ全然計画通りいっていない。でも、自分がその時した選択は時間が経って、それまでの自分には想像できなかったような場所に連れて行ってくれていると感じます。

NYに住むはずだったのに、24歳の今、まだNYどころかアメリカに行ったこともない。でも気がついたら南フランスに住んでいて、こうして文章を書かせてもらったり、性に関するイベントを主催してみたり、全然予想していなかったことだらけだけれど、それもそれでいいのかもしれません。

あんなに悩んだ時間ってなんだったんだろう、なんて思ったりもするけど、結局色々繋がって、今になっているんだろうと思います。

でもまた悩んで、迷って、もうすぐ25歳になります。

続きの記事<結婚に対する過剰にネガティブな偏見を緩めてみる>はこちら

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。

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