Ruru Ruriko「ピンク」21

誰かに好かれるためじゃなく、「私が」好きな服を着る。

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、女性が露出度の高い服を着ることへの世間の反応について考えます。

●Ruru Ruriko「ピンク」21

好きな服

自分が好きではない服を着ていると、自分じゃない気がするし、とても居心地が悪い。まるで箱に入れられているような、自分が誰だかわからなくなるような、そんな気分にさせられる。それくらい私にとって服装は大事です。

それでも周りの人や環境に合わせて、「自分らしくない」服を着てしまうことがあります。例えばイギリスの田舎で大学に通っていた時。イギリスの典型的な女の子の格好といえば、トップショップのハイウエストスキニージーンズにぴったりとしたクロックトップ、靴はスニーカーでカバンはZARAやMANGO。カジュアルで、でも少しセクシーな感じが人気です。私が好きなのはピンクやガーリー感満載の格好。ですが大学時代は周りに馴染むようにと(当時は無意識だったけれど)スキニージーンズにバンズのスニーカーなんて今じゃ絶対しないコーディネートをしていました。

他には、昔付き合っていた人の好みの格好がH&M系のシンプルなファッションで、彼に強要されたわけではないけれど気に入ってもらおうと彼好みの服を着て、それまで大好きだった古着は着なくなりました。正直当時は自分の服装が本当につまらなくてつまらなくて嫌になっていた、でも彼に合わせる方を優先させていました。

6年くらい前に髪の毛をピンクにしていた時

田舎の大学生になるより、彼と付き合うより、もっと前に私はイギリスの首都、ロンドンにて1年間ファッション学生でした。あの時は今でも思い出して楽しいし、今までで一番ファッションを楽しんでいた1年だったと思います。ロンドンはとてもおしゃれな街であり、色々な人がいる街。どんなファッションをしていたって変な目で見られることはほとんどないし、それより道ゆく知らない人が「素敵だね!」いってくれるような街です。私もとにかく色々なファッションに挑戦して、ただ好きと思ったものをどんどん着て、髪の毛も金髪、ピンク、紫、緑に染めました笑

しかし、当時数人の人から(男女両方)「そんな格好じゃ彼氏できないよ」「男はそんな格好好きじゃないよ」「普通にしてたらかわいいのに」と言われました。特に男友達から「髪の毛ピンクの女の子なんて普通男は引くよ。遊んでんだろうなって思う」と言われたことを今でも強く覚えています。今だったら言い返すのですが、その時はそうなんだ……と、ただ言い返せなく落ち込みました。

そのあと日本に帰国、イギリスの田舎へ引っ越し上記に書いたように周りに合わせた格好をしてしまっていた私ですが、大学最後の年から周り、特に異性の目を全然気にしなくなり、お花柄のワンピースや、ヒョウ柄のファーコート、50年代風のドレスなど好きなもの着るようになりました。きっかけは色々ありますが、フェミニズムを勉強し男性目線にとらわれていた自分に気づいたことと、とらわれていた割には散々な恋愛ばかりで私は好きなように生きる!と思い始めたからです(笑)。髪の毛をまたピンクにして「髪の毛ピンクの女の子なんて普通男は引くよ」なんて言う男は最初っから追い払ってしまおうなんてことも考えていました。

今の恋人とは同じ大学で出会いました。まだ最初の頃のデートで、「周りの人はブラックスキニージーンズとかなのに、1人毎日花柄の古着のワンピースとか着てて可愛いと思った」と言われました。髪の毛をピンクにしたいなといった時も「似合いそうだね。」といってくれたので、私は正しい人を選んだと思いました。

服にそこまで興味がない人も多いと思いますが、好きな服装をすることは自由に生きることの一つではないでしょうか?毎日洋服を選ぶのも自分の選択で、制服がある仕事を選ぶのも、スーツを着る仕事を選ぶのも選択です。私が1年間日本で働いたときに仕事を選ぶ基準でスーツを着なければ行けない仕事は外していました。それも私の選択でした。みんなが好きな服装を選択する自由を持てるようになればいいなと思います。

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18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。