Ruru Ruriko「ピンク」20

「ビッチな服装」をしている女の子は「男を誘っている」わけじゃない!

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、女性が露出度の高い服を着ることへの世間の反応について考えます。

●Ruru Ruriko「ピンク」20

今年の夏、友達と夜の渋谷に遊びに行きました。その夜初めて下ろしたASOS(イギリスのオンラインサイト)で買った新しい白いドレス、ルンルンな気分で電車に乗った時点で、もう周りからの視線をとても感じました。

それでも気にせず渋谷駅に着くと、わ〜〜、とびっくりするくらい見られるし、大学生くらいの男性グループから指までさされてしまった。その後ハチ公周辺で友達を待っていると、10分くらいでしたが本当に5分ごとくらいで声をかけられたり、変なおじさんがニヤニヤしながら近づいて来たりして、せっかくおしゃれして楽しかった気持ちが一気に下がってしまったのです。

その後は友達、そして知人男性2人と合流して飲んでいたのですが、良い人だと思っていた知人男性のうちの1人からしつこくされ、またしてもテンションだだ下がりな夜になってしまいました。

「スラットウォーク」と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?「スラットウォーク(Slut Walk)」とは2011年にカナダ、トロントから始まり、欧米を中心にアメリカやイギリスでも広がりを見せた女性差別反対運動の一つです。

スラットとは英語で尻軽、淫乱の女性を指す意味。カナダの大学の講演会で、警察官が「レイプされないにはスラット(尻軽)のような服装をしないこと」と、レイプされるのは女性の側に非がある、と言っているような発言をしたことに批判が集まり「スラットウォーク」運動が始まりました。

日本で「スラットウォーク」は広まりませんでしたが、この「レイプや痴漢をされないためには女性がまず気をつけるべき」という考え方はあると思います。実際に私も中高生時代に母から「そんな短いスカート履いてたら痴漢してくだいと言っているようなもの」と言われましたし、学校でもそう言われたことを覚えています。

日本は安全な国と言われていますし、基本的に女性1人で歩いていても危険を感じることはあまりないです。しかしながら痴漢問題が絶えず、レイプを警察に訴えてもきちんと扱ってもらえない、女性に非があるとされる、警察官によるセカンドレイプになるような対応など、女性が問題を話しにくい環境があります。最近、自らも性暴力被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織さん宛てに来たというこちらの手紙の記事を見て本当に心が苦しくなりました。

最近は痴漢問題が以前より公の場で話されるようになり、女性が対策するよりまず「痴漢は犯罪」という意識を皆が持つべきという考え方も広まってきているように感じます。ですが、夜の街に出るとまだまだそんなことは関係ないようなコメントや視線を沢山感じます。
夜になると、お酒がある場だとOKみたいな雰囲気って世界的にあると思うのですが何なんでしょう……?

数年前に友人と女2人でバーに飲みに行った時に、2人ともH&Mに売ってそうなセクシーではないけれどシンプルでデコルテが出ているワンピースを着ていました。そしたら1人の男性が私たちが会話している間にドンっと入ってきて、一緒に飲もうと誘ってきました。

いきなり割り込んできて話し方も馴れ馴れしくて、失礼だと感じたので丁寧にお断りしましたが、しつこく言われ、最終的には「お姉さんたち露出度高いね〜。女2人で飲みに来てるって、男探しに来てるんでしょ(笑)」と言われました。本当にめんどくさかったのでその後2人でバーを出てしまったのですが、「男探してないし、探してたとしてもお前じゃないわ、ぼけえ!」と心から思いました。

日本の女性は欧米諸国と比べると全体的に肌の露出度は少なめですが、この「露出度が高い女は軽そう」、「セクシーな服装をしている女は男を誘っている」という考えはありませんか? 女性だってセクシーな気分の時はあるけど、相手がいてもいなくてもただおしゃれしたい時もある。

おしゃれして出かけるような時に、「この服可愛いから着たいけどジロジロ見られそうでやだな」、「彼に勘違いされたくないな」、「痴漢にあったらどうしよう」などと心配せずにファッションを楽しめるようになってほしいです。

続きの記事<誰かに好かれるためじゃなく、「私が」好きな服を着る>はこちら

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。