Ruru Ruriko「ピンク」19

日本人は白人に憧れている?~アジアな自分を好きになる

ちょっとモヤモヤした気持ちになったとき、読んでみてください。いい意味で、心がザワザワするフォト&エッセイ。今回は、日本人が抱きがちな「白人」的な見た目への憧れとコンプレックスについて考えます。

●Ruru Ruriko「ピンク」19

黒髪に、一重のまぶたの細い目、鼻は低くて身体は細身。これが欧米で知られている典型的なアジア人のイメージ。白い肌に、ブルーの瞳、金髪の髪の毛に長い足。それはアジア人が想像する白人のイメージ。同じアジア人でも、同じ日本人でも実際にはもっと色んな体型の、目の、顔の人がいるように、同じ白人でも色々な見た目の人がいる。

日本でよく聞く『外国人風メイク』などといった言葉にいつも違和感を覚えます。『外国人』って誰?って。一言、外国人と言っても色々な人がいますよね、韓国人も外国人だし移民国であるアメリカはアメリカ人でも沢山の異なる人種の人がいます。

先日、10歳のフランス人ホストシスターが「アジア人は白人のような見た目に憧れているの?」と突然聞かれてびっくりしました。なぜかと聞くと、学校でそう習ったそうです。「昔はそうだったかもしれないけれど、今はそんなことないないよ」と答えました(もっといい答え方すればよかった!)。

留学で変わった「アジア人」であることへの思い

「白人の見た目に憧れる」というのは日本を含めたアジアの多くの国で事実だと思います。でも私たちは本当に憧れているんでしょうか?白人のような見た目になりたいと思っているのでしょうか?

私は子供の頃からアメリカのTVや映画を見てアメリカ文化に憧れていました。そこで主役となっているのは基本的に白人。たまに他の黒人も出てくるけどアジア人はほぼ登場しないか地味でオタクのような扱い。映画に出てくるような、金髪でブルーアイの女の子たちに憧れたことがないといえば嘘になります。

でも、実際に留学してみたら、外国人といっても色々な見た目、白人といっても色々な見た目の人がいることを知りました(当たり前だけど)。多くの異なる人種の人と出会ってからは自分のアジア人の見た目を変えたいとは思わなくなりました。だってどうしてもそれは変わることはないし、それだったら自分を好きになって楽しんだ方がいいに決まってる。

そして色々な人から見た目を褒められたり、モデルを頼まれたり(日本じゃあり得なかった)して周りは私を認めてくれているのに、私は私自身を認めてあげてないと気づきました。

外国人の彼氏=「白人」という日本人の先入観

海外からの観光客が増えていってはいるものの、日本はまだまだ移民も少なく異人種との関わりが少ない国です。外国人の友達や知り合いがいない、という人も多いのではないでしょうか?

外国のと関わりが少ない多くの日本人が触れる『外国』はTVや映画などのメディアを通したものです。そしてメディアに出てくる『外国人』は俳優や歌手といった芸能人です。アメリカ人、イギリス人みんながみんな私たちがメディアでみる芸能人のような見た目なわけではありません。

白人のボーイフレンドがいた時、『イギリス人なんだ!絶対かっこいいでしょ!』と多くの日本人に言われました。イギリス人と言っても色々な見た目の人がいますし、私の今のボーイフレンドはイギリス人ですが色々な血が混ざっていて、いわゆる『白人』ではありません。

最近は雑誌や広告で日本人モデルを見ることが増えましたが、一時は日本の雑誌なのに白人しかいなかったり、今はハーフモデル(白人とのハーフ)が人気だったりと、メディアで使われる「美」、私たちが憧れるべきとされる「美」が私たちに身近なアジア人でなく、いわゆる白人が取り上げられることが多いのも、ステレオタイプな考えに繋がっていくと思います。

「白人」「アジア人」と境界線を引かず個人を見る

白人よりハーフより、アジア人の方が綺麗だ!といっているわけではありません。ただ私たち自身が持つ美しさにも気づいてほしいと思うのです。白人とアジア人を比べたときに、劣っていると感じるのではなく、それぞれ違うけどそれぞれ美しさがあるよね。と自信を持って思えたらいいなと思います。そして、『外国人』『日本人』と境界線を引くのではなく個人個人を見ていければと思います。

美しさの鍵は自分に自信を持つことです。自分を理解し、きちんと自分の価値をわかり、自信がある人は美しいと思います。メディアの力にとらわれて、『これが綺麗なんだ!こうならなきゃいけないんだ!』と思うのではなく、他人と比べないで自分自身の美を見つけられるような日本になっていってほしいと思います。

続きの記事<「ビッチな服装」をしている女の子は「男を誘っている」わけじゃない!>はこちら

18歳の時にイギリスへ留学、4年半過ごす。大学時代にファッション、ファインアート、写真を学ぶ中でフェミニズムと出会い、日常で気になった、女の子として生きることなどの疑問についてSNSで書くようになる。