意識、どんどん下げてこう。by ナリくん

仕事で希望通りの配属になりませんでした。前向きに捉えて頑張るにはどうしたら良いでしょうか。【ナリくんのお悩み相談43】

心理学や哲学について、笑いを交えながら教えてくれる「ナリ心理学」ナリくんのエッセイ&お悩み相談。春の異動シーズンを迎え、新しい職場での新生活をスタートした人も多いのではないでしょうか。でも、残念なことに希望した部署に配属にならなかった・・・。そんなお悩みに、ナリくんがお答えします。

●意識、どんどん下げてこう。by ナリくん 【お悩み相談編 43】

Q:今回のお悩み ↓

  • 仕事で希望通りの配属になりませんでした。全く新しい部署に行くことになり、ここで頑張らなければならないことは分かっているのですが、落ち込んでいる自分がいます。前向きに捉えて頑張るにはどうしたら良いでしょうか。

難しい。この質問本当に難しい。人生って自分でコントロールできることと、できないことにわかれますよね。そして大事なのは、自分の中で、そのバランスを「自分に合った割合」にしていくことだと思うんです。

会社に所属する。という時点で、会社はたくさんの人が集まって作られているのだから、その時点で「全員の希望は通らない」ことになってしまうわけです。

それは構造上仕方ないことです。

「自分の希望が通らないこともある」がどうしても嫌な人は独立するか、起業したりするしかありませんよね。

1人なら、基本的にはすべて自分で選べますし(起業しても人を雇わない限りは自分の選択に他人という制約は生まれません)自分でコントロールできることの幅も広がります。

決めると言うことには責任が伴う

ただ、自分でコントロールできることの幅が拡がるとその分だけ「責任」が伴います。

会社に勤めていたら責任が伴わないとは思いませんが、責任の種類が変わりますよね。

会社で働いる場合の責任って「言われたこと、やるべきことをやる責任」です。

職種にもよりますが、基本的には「あなたはこれをやってください」と割り振られてそれを期限までにこなすのが仕事です。(何を割り振られるのか?というのはやはりコントロールできないことが多いです)

独立したり、起業したりした場合の責任は「何をやるべきかを決断する責任」です。

飲食店を経営してるなら、「新しい店舗を出店するか決める」。決めたら、従業員とともに準備をするわけですが、当たり前ですが、お店を出したら100%上手くいくわけではありません。失敗することなんてザラでしょう。

この場合の責任の所在はどこにあるのかといえば、細かく小さな理由は置いておいてすべて「決めた人」になります。

例えば、相談者さんを「新しい部署に移転してもらう」って決めた人が必ずいるわけです。もし、今後、相談者さんが新しい部署になったことが原因で仕事を退職することになった場合(ここもまた細かい理由は除きますが)、すべては決めた人の責任になります。

決めるということには責任が伴います。そして、自分のことを自分で決められることを「自由」といいますよね。「自由には責任が伴う」ってよく言われる理由がこれです。

自由は、ちょっと悪い言い方をすると「権力」ともいいます。権力ってのは自分のことだけでなく、他人のことも「決められる力」です。
(会社の社長さんに権力があるのは、社内ことを決める力があるからです。ただ、社員はそれをわかっていて入社していると思うので、そこに問題はありません)

権力は悪いイメージで使われることが多いですが、権力も自由も根本は同じ意味です。「決める力」です。

そして、決めるとそこに責任が伴いますので、言い換えると「自分が負える責任が大きければ大きいほど、人生は自由になる」ということです。

逆に、「責任を負わないようにすればするほど、自由ではなくなる」ということです。

責任と自由は反比例しています。

例えば無人島で一人で暮らしているとしたら、負うべき責任がなにもないのでその人は自由です。

ただ、無人島にはNetflixも東京ディズニーランドも、PARCOが新しく建つ予定もありません。旅行にも行けません。飛行機もありませんし、あっても操縦できないでしょう。

無人島は最高に自由ですが、その自由は現代の社会の発展から見ると「ものすごく小さな自由」です。

「責任を取る」を意識してみる

最初の相談者さんの話に戻りますと、たぶん「自由と責任のバランス」が偏っているのだと思います。

その会社で働くという自分の「自由意思」を行使したのであれば、その後に起きることの責任はとらないといけないと思います。(この場合部署異動を受け入れる)

ただ、そんな正論言われてもムカつくだけですよね(笑)。わかります。僕もこの相談してこんなこと言われたら普通にムカつきます(笑)。

自由と責任のバランスが崩れていたってことを自覚できたのは今回の出来事の素晴らしいポイントだと思います。

これを機に、「負えるべき責任」を増やしていこうって意識してみるといいと思います。

具体的にその方法を話して終わりにしたいのですが、それは「自分から決める・意見を提案する」ってことです。

決めると責任が増えます。意見を提案すると、その意見の発案者としての責任が増えます。そうやって、自ら責任を増やして、それに慣れていくのが最速だと思います。

新しい部署にせっかく移動になったのであれば、その部署の改善点や問題点を提起して、より良い部署に変えていこうとしてみてはいかがだろうか?

そうやって、負うべき責任を自ら増やしていくと、次また新しい部署に移動になるときに、部署移動の選択肢を上司から貰えるか、お給料が上がるかもしれません。

ちなみに、この社会では「収入と責任に比例しているもの」です。(完璧にそうなっているわけではありません。穴もたくさんあります)

負える責任が大きい人ほど収入が高くなる傾向にありますから、ぜひこの機会に「責任を取る」を意識してみてはいかがでしょうか?

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