意識、どんどん下げてこう。by ナリくん

【ナリ心理学ナリくん】「やりたくないことをやらない」の幸福感、半端ないよ

心理学や哲学について、笑いを交えながら教えてくれる「ナリ心理学」ナリくんのエッセイ&お悩み相談。今回は、人間のモチベーションの源泉について心理学的視点で考えます。「やりたいことをやろう!」というポジティブな感情と、「やりたくないことをやりたくない!」というネガティブな感情。幸福に生きるためには、どちらを利用すべきなのでしょうか?

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ネガティブな動機から出るパワーの圧倒的強さ

「自由に生きたい」という思いは、言葉通り自由になりたいという思い以上に、実は「不自由が嫌だ」と言っていたりする。

「自分らしく生きたい」という発言も、言葉通り自分らしさを手に入れたいというよりも、「自分の自分らしさを阻害するものから解放されたい」と言っていたりする。

これ、気づいたときにすんごくびっくりしたのだけど、人って「やりたいことをやる」ことよりも、「やりたくないことをやらなくていい」の方が遥かに幸福感を感じるのよね。

telling,を読んじゃうような意識の高いpeopleは、「やりたいことをやろう!」って強く思うのかもしれないけど、実際その思考の下には「やりたくないことは死んでもやりたくない」が隠れてたりするのよね。そして、確実に叶ってるのは「死んでもやりたくない」のほうだろう。

「結婚したい」より「独身なんて無理に決まってる」と思っている人が結婚しているイメージだ。

「幸せになりたい」より「不幸に生きるくらいなら死ぬ」と思えてる人が幸せに生きてる。

「健康になりたい」より「不健康になるくらいなら死ぬ」って感覚の人が健康なのかもね。

人は、やりたいことをやろうと思ったときに出る(ポジティブな)パワーより、絶対にやりたくないことをやりたくない!と思ったときに出る(ネガティブな)パワーの方がはるかに強いんですよね。

何かを手に入れるパワーより、何かを拒絶するパワーのほうがはるかに強い。単位が違うくらい強い。

周りにいる、経済的に裕福な人たちを観察してると「お金持ちになりたかった」という理由も当然あるんだけど、話してみるとそれより「お金に困るのは死んでも嫌だ」って強く思っているみたいだ。

自由になりたいパワーより、不自由なんかじゃ生きてやらないぜ!やっほー!のパワーのほうがめちゃくちゃ強い。

理想や夢を語るってのもすごく大事だと思うけれども、不満やムカつくことにフォーカスすることも大事だなーと思います。

僕が独立して幸福になった本当の理由

最後に僕自身のマジな話で終わりにしたいんですけど。僕23歳のころに独立して自分で仕事する様になったんですね。

独立する前は「好きな時に好きな場所に行ける人生にしたい」ってずっと思ってたんです。それが僕の望みだと思ってました。で、実際に独立してからが凄かったんですけど、一切どこにも出かけなくなったんですよ(笑)。

家と、駅前のカフェの往復ばっかです。しかも、今30歳で独立して8年目なんですが、ずっとこのライフスタイルなんですよ。ほんとに、笑っちゃうくらい変わらない。

結婚して、奥さんが旅行好きなこともあって、今年は京都に1カ月滞在して、去年は沖縄に1カ月滞在しました。来年は、四国に1カ月滞在しようかと話してます。でもそれは奥さんがいたからです。

僕は好きな時に好きなところにいく人生にしたかったんじゃなくて、単純に「満員電車に乗りたくない」「朝起きたくない」だけだったと独立後に思いました。

実際、やりたくないことをやらないことの幸福感は半端ないなと日々感じております(スターバックスより)。

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月間400万PVのブログを運営する株式会社ナリ心理学を主宰。Amebaオフィシャルブロガー。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。