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タイと日本で2拠点生活をするせとはるさん「『自分』を主語にして生きていく」

インスタグラムで発信するライフスタイルが、同年代女子から多くの支持を得ている「せとはる」こと瀬戸晴加さん(28)。昨年10月にタイ・チェンマイに家を借り、プロモーション会社の社員として働きながら、チェンマイと東京の2拠点を行き来して働いています。常識に縛られないスタイルを実践している彼女に、仕事や生き方への想いを聞きました。

●縛られずに働く

覚悟しての移住ではなく、自然な流れ

――会社に勤めながら海外と日本の2拠点生活をするってすごく難しそうなのですが、どうやって実現したんですか。

瀬戸晴加さん(以下:せとはる): 今の仕事にはいくつか軸があるのですが、そのうち2つが、タイと密接につながってるんです。タイの格闘技であるムエタイをキックボクシングジムとしてプロデュースして日本女性に普及させる仕事と、チェンマイに開設した「The CAMP」という滞在型トレーニングリゾートのプロモーションです。
とくにここ2年半くらいは「The CAMP」オープンの準備で、年5〜6回のペースで行っていました。だから移住といってもものすごく覚悟して、というよりは自然な流れで前に進んでいった、という感覚の方が近いです。

社長に「日本とチェンマイを行き来しながら働きたい」と伝えて、OKしてもらいました。……月に一度は日本にも帰国しているので、完全に「行ったきり」でないところも私には合ってるんだと思います。

社会や周りのせいにしていた自分に投げかけられた一言

――仕事で行き来するだけでなく、「住まいを構えよう」と思ったきっかけはあったんですか?

せとはる: 1年くらい前、好きな仕事をしているはずなのに、一人で生きていくことへの漠然とした不安があって、保険的にやりたくない仕事を受けることも増えていました。私は一人の人間として仕事もバリバリやりたいし、女性としての幸せも手に入れたい。結婚願望もあるしいつかは出産もしたいと思っています。でも、その完璧な理想像にはほど遠いし、周りにそういう女性も見当たらなくて、すごくモヤモヤしていました。

――それを変えることができたきっかけは何かあったんでしょうか。

せとはる: とあるお仕事で、「旅を通じて女性の生き方を考える」というツアー企画に参加したんです。マイアミに行ったのですが、現地の女性と話していて「あなたは社会がこうだから、日本の女性がこうだからとか言うけれど、自分がどうしたいかに向き合えていない。自分を主語にして語って」と言われたんです。

それまで、「周りの目」とか「普通」みたいなことを気にしてうじうじしていたのが、「自分はこうしたい」と自分を主語にして考えるようにしたら、「やっぱり仕事を頑張りたいんだ」「結婚も、自分に合った人が現れたタイミングですればいいんだ」って、ぱっと見えてきたんです。それで、今度は考えをすぐに整理するために仕事を休んで1カ月ヨーロッパに滞在して、帰国したその日に「大好きなチェンマイに移住しよう!」って思って日本のアパートを解約しました。

――その日に!

せとはる: はい(笑)。しかもまだ住んで半年ぐらいの部屋でした。でも「ここに居続けるのは違う」と思ったんです。社会人になって一人暮らしを始めて、マイアミとヨーロッパに行き、さらにチェンマイへ移住。去年は激動の1年でした。多分、移動することでモヤモヤを打ち破ろうと、行動していたんじゃないかと思います。

人間らしく、豊かに暮らすことの意味を知った

――住む場所も変えて、ご自身の考え方も変わっていったんですね。タイに移住して、困ったと思うことってありますか。

せとはる: それがびっくりするぐらい、何もないんですよ!日本の都市にたとえると、バンコクは東京で、チェンマイは軽井沢や鎌倉みたいな雰囲気です。治安も気候もよくて、食事も美味しい。ユニクロ、ダイソー、マツキヨ、日本食レストラン……なんでもあるし、物価は日本の6分の1くらい。生活にあまりお金がかからないので、やりたくない仕事を断る余裕もできました。

何より人々がストレスなく、豊かに人間らしく暮らしている町だと感じています。タイの人たちはすごく優しいんですけど、基本的に他人の人生に興味がないんです。日本だと「28歳独身。一人でタイに移住した」って言うと「仕事は?」「結婚は?」「なんで行ったの?」とか質問をされて、納得する理由を返さないと理解してくれない。でもこっちは「こうあるべき」みたいな概念の押しつけがまったくないんです。自分が自分らしく、幸せであればなんでもいいと思ってくれる。そういう感じがとても心地いいです。

自分の生活スタイルや思いを発信して、誰かが変わるきっかけをつくりたい

――今後の人生に対して、どうなっていきたいという思いなどはありますか。

せとはる: 私は基本的に、5年10年先を決めたくないと思っています。その時にベストな判断を下せるような準備を常にしておきたい。今、この2拠点生活によって、人生の選択肢の幅が広がったなと思います。自分の中の固定観念もぶち壊せるというか。それまで「見えない誰か」の目を気にして悩んでいた私ですが、「自分の人生は自分のもの」ということに気づけて、本当に良かったと思います。

私はたまたま「主語を自分にして生きる」という価値観を教えてくれた人と出会って変わることができたけれど、思考を変えるきっかけがみつからない人は、ずっと悩み続けちゃうと思うんです。人との出会いは本当に大事。だから私も、インスタグラムなどで自分の生活スタイルや思いを発信し続けることで、悩んでいる誰かが変わるきっかけになればいいなあと思っています。

あ、でもこれから、仕事ですごく実現したいことがありました!チェンマイは日本からの直行便がないんですよ。だからプロモーションをどんどん仕掛けて、直行便就航のきっかけ作りをしたいと思っています。これは本気で頑張ります(笑)。

  • ●瀬戸晴加さんプロフィール
  • プロモーション会社勤務の28歳。大学生の頃より女子大生向けフリーペーパー「ティアラガール」の編集長を務める。現在はアパレルブランドなどとコラボしたオリジナルアイテムの開発等のプロモーション、女性向けキックボクシングジムの運営、タイ・チェンマイの滞在型トレーニングリゾート「The CAMP」のプロモーションマーケティング・コンテンツ担当と主に3つの事業を担当。2018年10月よりチェンマイに移住、日本と行き来する2拠点生活を実行中。
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朝日新聞バーティカルメディアの編集者。撮影、分析などにも携わるなんでも屋。横浜DeNAベイスターズファン。旅行が大好物で、日本縦断2回、世界一周2回経験あり。特に好きな場所は横浜、沖縄、ハワイ、軽井沢。
朝日新聞WEBメディアのフォトディレクター。東京都立大学法学部卒業後、朝日新聞社入社。写真部、AERA編集部、出版写真部を経て現職。写真展に「DAYS FUKUSHIMA」 (2012年、銀座・大阪ニコンサロン)、「CELL」(2018年、ソニーイメージングギャラリー銀座)など。長崎市出身。
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