あの日のお悩み「せいりせいとん」

快適な生活のために、低用量ピルを飲むという選択

最近いろんなところで話題になる、低用量ピル。日本人は先進国の中でもピルの服用率が低いと言われています。もっと広がればいいのに、という思いから、私が10年ほどピルを服用していた体験談をお伝えします。

●あの日のお悩み「せいりせいとん」

起き上がれないほどの生理痛

社会人2年目の頃、とにかく生理痛がひどかったのです。痛いだけでなく、とにかく大量に出血していました。生理2日目はつらすぎて動けず、痛み止めを飲んでようやくベッドから出てこられる、というありさま。当時は車掌として働いていたので、勤務に耐えられず、生理のたびにお休みをもらっていました。

毎回毎回こんな状態。(画像はイメージです)

でも、生理のことってあまり友達同士でも話さないもの。だから、この痛みもまあみんな経験しているんだろう、と思っていました。それが普通じゃないと気づいたのは友達とお茶をしている時。生理2日目、痛み止めを飲んでなんとか出かけたのですが、途中で痛み止めが切れてしまいもはや歩くのも精一杯に。そんな私を見て友達が「そんなに痛いのはおかしいから、病院に行ったほうがいいと思うんだけど」と言ってくれたのです。

ピル生活が始まった

というわけで、生涯初の産婦人科に行ったのは24歳の時。とにかくこの生理痛をなんとかしてくれ。という気持ちが先に立って、産婦人科に行くのは恥ずかしいだとかそういう抵抗感は一切ありませんでした。いろいろ調べてみた結果、軽度の子宮内膜症と診断され、「ピルを飲んで治療しましょう」ということになりました。

お医者さんいわく、子宮内膜症によって、子宮が腫れ、生理のたびに子宮に負担がかかっている。ピルを飲むと生理が軽くなる(出血量が減る)から、次第に腫れがひいてくる、ということでした。なるほど。

曜日のシールは自分で貼ります(画像はイメージ)

とはいえピルにはちょっとした面倒臭さがあります。毎日、しかも決まった時間に服用するというルール。守れるのだろうか?と最初は不安になりました。「最初の2~3カ月は、吐き気や不正出血、頭痛などが表れることもある」とお医者さんから言われましたが、その言葉のとおり、飲み始め3日ぐらいはちょっとふらつきがありました。2か月目も少しめまいがありましたが、3か月目からはほとんど気にならなくなってきました。人によってはもっと副作用が強い場合もありますが、私の場合はこの程度でした。
低用量ピルにもいろいろな種類がありますが、私が飲んでいたのは「トリキュラー28」という薬。赤、白、黄、白の錠剤をシートに従って順番に飲んでいきます。飲みはじめてまず驚いたのが、「このあたりで生理が来るよ」と言われた日に必ず生理が来たこと。まあ、ホルモンバランスを人為的に薬で調節しているので、当然の現象なのですが、なかなかこれは当時の私には革命でした。

飲みはじめて3カ月ぐらいすると、だんだん生理痛が軽くなってきていることに気づきました。生理中でも普通に動ける!めっちゃ楽!この状態を得られるのなら、毎日同じ時間に飲む面倒臭さなんて屁でもありません(でも実はバラバラの時間に飲んだりもしてました。汗)。

生理をコントロールできるという快適さ

結局飲みはじめて1年ほどで子宮の腫れはひいて、いい状態だね、と言われましたが、その後も私はピルを飲み続けました。理由は1つ、とにかく楽だから!

日本にももっと広まってほしです(画像はイメージです)

きちんとスケジュールを守って飲んでいれば、かならず「この日に生理が来る」というのがわかります。旅行などで「来てほしくないな」という日があれば、錠剤を飲む日数を調整して、生理の日をずらすことができます。しかもあんなにひどかった生理痛も、ほとんどなくなりました。おまけに、排卵が止まるので避妊もほぼ完璧で、安心。当時もらったリーフレットに「ピルはQOLを上げる」と書いてありましたが、本当にそのとおり、と実感しました。

結局今の夫と結婚式をあげるまで、足かけ8年ほどピルを飲み続けていました。今は避妊せず自然に任せようと思ってピルを飲んでいませんが、正直いつ生理が来るかわからなくなって、ピルを飲みたいなと思うことも……。

生理に悩まされる世の中の女性たちみんなに、ピルの素晴らしさをもっともっと知ってほしい!そう強く思っています。

朝日新聞バーティカルメディアの編集者。撮影、分析などにも携わるなんでも屋。横浜DeNAベイスターズファン。旅行が大好物で、日本縦断2回、世界一周2回経験あり。特に好きな場所は横浜、沖縄、ハワイ、軽井沢。
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