生理の絵文字が誕生!タブーだった生理が世界共通の「emoji」になったワケ
●あの日のお悩み「せいりせいとん」
生理って恥ずかしいの?
2017年にイギリスのNGOが女の子たちに生理についてのアンケートをしたところ、次のような結果が出たそうです。
・イギリスの女の子の40%は生理用品を買う経済的余裕がなく、トイレットペーパーで代用している。
・イギリスの14~21歳の女の子の48%が「生理は恥ずかしいもの」と思っている。
・イギリスの女の子の70%が授業中にトイレに行くことを許可されていない。
アンケートをおこなったのは子どもの権利を守る国際NGO「プラン・インターナショナルUK」。月に1回やってくる生理なのに、なんとなくコソコソしたり、恥ずかしかったりするのは、実は日本だけではないのです。
生理の誤解を解きたい
「生理が恥ずかしいという誤解をなくすには、まずそれを話題にすることが効果的です」
プラン・インターナショナルUKのルーシー・ラッセルさんは、英紙ガーディアンの取材にそう答えています。
そこで、みんなが話題にしやすいよう、生理を表すデザインを決める人気投票をすることになりました。「生理用ナプキン」「月のカレンダー」「ニッコリ笑う血のしずく」「子宮」「血の染みが付いた生理用ショーツ」の5つのデザインの中から選ばれたのは「ショーツ」。残念ながら、絵文字を規制するユニコード・コンソーシアムの結論は「不採用」でした。
そこでプラン・インターナショナルは公的機関の英国血液サービス(NHS Blood and Tranplant)と組み、新しい「血のしずく」の絵文字をユニコード・コンソーシアムに提案。こうして、世界で初めての「生理マーク」が誕生することになったのです。
生理の会話のきっかけになる絵文字
そもそも、最初の「血の染みのついたショーツ」案がなぜユニコード・コンソーシアムで採用されなかったのかの理由は公表されていません。それでも今回、「生理マーク」が世界共通の絵文字として登場することについて、医療関係者や女性問題の活動家からは「革命的」「生理にまつわる負のイメージをなくすための大事なステップ」などと好意的に受け止められているようです。
アメリカ・テキサス州で被災地や貧困地域に生理用品を提供するNPOを運営するラマンダ・バラードさんは、英紙ガーディアンのインタビューに答え、「かつてはお店で生理用品を買うのも恥ずかしかったのが、ネット上で生理についてオープンに語れる日がくるなんて」と歓迎していました。
日本でも、生理の話は女性同士でも相手を選び、職場の同僚やパートナーとも気軽に話題にしにくいものです。世界共通の「生理マーク」ができたことで、そうしたモヤモヤがなくなり、気軽に生理の話ができるようになるかもしれません。LINEやメッセンジャーで絵文字を打ち込むだけで、浮かない気持ちを共有してもらえて、なんとなく心も体も軽くなる。そんなうれしい効用を期待しています。
-
第8回男性は生理を理解できるか。インドの「パッドマン」に学ぶ
-
第9回映画「パッドマン」を見て思った「私、出世しなきゃ!」
-
第10回生理の絵文字が誕生!タブーだった生理が世界共通の「emoji」になったワ
-
第11回快適な生活のために、低用量ピルを飲むという選択
-
第12回PMS(月経前症候群)のつらい症状、我慢するのをやめてみない?