編集部コラム

鈴木亮平さんが好き

日替わりでお送りしている「telling,編集部コラム」。金曜日担当の中釜です。今回は、今年1月から欠かさず見てきた大河ドラマ「西郷どん」主演の鈴木亮平さんへの思いを書きました。

●編集部コラム編

また、惚れてしまった。
気がつくと、彼の笑顔とセクシーな声で、頭の中がいっぱいになっている。
鈴木亮平さんに夢中なのだ。

ここ数年、テレビを見る機会がめっきり減っていた。が、「西郷どん」は別格だった。

ドラマ中に隣で2人の息子が騒ごうものなら「シッ!!黙って!!静かに見る!!」と、宿題を忘れたときより遅刻したときよりも鬼気迫る剣幕で黙らせ、毎週見入っている。ほぼ毎回涙ぐみ、食い入るようにドラマを見る母を、息子たちは腫れ物に触るように遠巻きに見ていたが、一切気にならない。
日曜20時に鈴木さんに大河ドラマで会うのが、今年の私の至福の時間だった。

もともとは、

「鹿児島出身だし、鈴木さん結構見た目タイプだし、『西郷どん』も見てみようかな」という軽い気持ちだったが、初回から鈴木さんに夢中になってしまった。

どれだけ努力したら、こんなふうになれるんだろう

全部好きだけれど、特にここが好き。
①努力が半端ない
(→これまで見たどの俳優さんよりも鹿児島弁が完璧。相当努力しないとこんなに完璧にはならない)

②役柄上の妻たちへの愛情表現がストレートでかっこよすぎる
(→3人の妻すべてをとても愛していた。撮影中も、妻役の二階堂ふみさんと黒木華さんへの注目度や声をかける頻度に差が出ないように、接するタイミングをはかったり、写真やポスターをこっそり貼り替えたりしていたそうだ)

③役作りで話題になった体重の増加については語りたがらない
(→おそらく30キロはゆうに増えていそうだとマスコミが騒いでも、この話題は敢えて避ける職人気質)

①の鹿児島弁の完璧さは、鹿児島県の大河ドラマ視聴率が、全回30%を越えたことにもものすごく影響していると思う。鹿児島人は、鹿児島弁に厳しい。演技力を批評できる立場にないが、鈴木さんの鹿児島弁は、間違いなく非の打ちどころがない。

初回から、イントネーションも使うタイミングもすべてが完璧だった。英語が堪能なのは有名だが、耳にする機会が少ないはずの鹿児島弁を、短期間でここまで使いこなして、さらに迫力の演技。

「よかよか」

ちなみに、鈴木さんは、テレビでこう語っていた。
「『よかよか』という言葉が大好きで、演出陣と相談してこの言葉を多用していました。『よかよかおじさん』として、『よかよか』という言葉を普及させたくて」。(よかよかおじさん…笑)

「よかよか」には「いいよ」「気にするな」「いいね」などいろいろな意味がある。どれも、相手を肯定する意味だ。
鈴木さんの人柄を象徴する「よかよか」ということば。相手をまるごと受け止め、いざとなったら自分で責任を取ろうとする姿勢。


西郷さんは、江戸幕府を倒して新しい国を作るために奔走する。おかしいことを「おかしい」と言い、捨て身で人のために生き、最後は、自分を慕う武士たちのために、負けを覚悟で立ち上がって命も落とす。
こんな人、今の日本にいるだろうか。
今の時代に、そこまで”捨て身”の人は見ない。何でも相談できて、何でも「よかよか」と受け止めてくれ、笑顔を絶やさない人は、そうそういない。

周りの評価とは別次元で、やりきる

おそらく、34歳の若さで大河ドラマの主役に抜擢された鈴木さんも、ものすごく”捨て身”で、大河ドラマの西郷さんを演じたのだと思う。
史実の描き方がどう、視聴率がどう、などと世間は言う。でも、鈴木さんは、そんな周りの評価とは別次元で、自分の役をやりきろうとしている。「よかよか」と微笑みながら。その鈴木さんの気迫と器量の大きさに、私は惚れたのだ。

あと2日後、大河ドラマの最終回で、西郷さんは命を落とす。
書いているだけで涙が出そうだ。
でも、私はティッシュを握りしめて見届ける。
心の中で、「おやっとさあでした(おつかれさまでした)」と、たぶん言いながら。

鈴木さんが改めて教えてくれた「よかよか」という言葉。みなさんも、隣の人に、自分に、言ってみませんか。きっと少しだけ、優しい気持ちになれるから。

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