編集部コラム

「20代のうちに結婚を!」は「結婚で幸せになれる」と思う人の考え方かも

telling,編集部コラム、今回は特別編として「ぜひ言いたい!」と、「29歳問題」についてライターNさんがコラムを寄せてくれました。

「29歳結婚問題を考える」ということで、考えてみた。

結婚したのは、何年か前。入籍したのは29歳だったと思っていたけど、よくよく考えたら28歳だったかもしれない。

私にとって結婚は、そんなあいまいなものだった。

結婚に、夢もロマンもなかった

身内に結婚していない人が何人かいたため、20代のときに結婚についてのあせりは感じたことはなかった。姉がいたけれど、姉も結婚していなかったし、特別子どもが欲しいという気持ちもなかった。そもそも両親がそれほど仲がよかったわけではない、というか、私が物心ついたころには冷え切った関係だったため、結婚に夢もロマンもなかった。

ときどき、父親が機嫌が悪い時に「誰のおかげでメシが食えると思っているんだ!」といっていたこともあり、早くから家を出て生活したいという気持ちもあった。

といっても、結婚に対してマイナスイメージしかなかったわけでもない。好きな人がいたら「将来、その人と結婚出来たらいいな」ということは、何回も考えたことがある。

結婚してもいいし、しなくてもいい

つまり、結婚してもいいし、しなくてもいい。そんなあいまいな感じだった。

入籍したのは、たぶん28歳の夏。当時、担当していた女性誌の特集で何回も結婚特集を組んだし、「選ばれる女になるためには」というようなことも、企画として出していたと思う。でも、そんな企画をやればやるほど、気持ちは冷める。

「選ばれるってなに?」「なんで男に選ばれなきゃいけないの!」。そんな気持ちだったと思う。気持ちと企画は常に裏腹。私は結婚したいと思っていなくても、読者の女性たちは結婚したいと思っている人が多いと感じたから。

そんな結婚に対して夢も希望も持っていなかった私が、なぜ仕事絶頂期でもあった28歳で結婚したのかといえば、子どもができたことがキッカケ。予想外に。上司にめちゃくちゃ怒られると思ったけど、意外にも祝福された。そのかわり、厳格でとにかく人目を気にする母親には「できちゃった婚」することでものすごく嫌がられたけど。

結婚して数年。今思うことは、あのとき結婚したのは間違いではなかったけど、しなかったとしてもそれはそれでよかったんじゃないかと思う。結婚したら幸せかといえば、そうでもない。妊娠、子育て中は仕事が思うようにできないし、それによって生活を旦那に頼らざるを得ない。そんなに細かく言わない旦那だけど、やっぱり自分で稼いでないと、なにかあったときに心配で仕方がない。

たとえば、ケンカして「出ていけ!」といわれたって、生活費が稼げない状態では出ていくこともできない。つまり、選択の自由がない。今は、徐々に仕事に復帰できて、イヤだったら子どもを連れて別の家に住むという選択もできる。

結婚で、自分の時間は奪われる

結婚によって「家族」ができたことはよかった。でも、同時にその家族のケアのため「自分の時間は奪われる」。

今、結婚について思うことは、やりたいことをやりきってからじゃないとその後の結婚生活はフラストレーションがたまりまくるんじゃないかということ。

みんな、なんで結婚したがるんだろう。子どもが欲しいから? 一人じゃ今後の生活が心配だから? 

結婚してみたものの、思い描くような理想の生活じゃなかったら? 

私は、子どもの頃父親が「誰のおかげでメシを食えていると思っているんだ」といった一言が頭から離れず、人に頼る気にはなれない。理想の旦那さんがいて稼いでくれたとしても、いつ出ていけと言われるかわからないし、離婚するかもしれない。それに事故や病気で死ぬかもしれないし…。

「20代のうちに結婚を!」というのは、「結婚したい」「結婚したら幸せになれる」と思っている人たちかもしれない。「絶対に結婚する!」と決めているなら早いうちがいいかもしれない。若ければ若いほど、男性から選ばれやすくなるし、離婚した友達も少ないから結婚に対しての幻想が壊れることもない。

続きの記事<暗黒の20代を過ごした私の「29歳問題」>はこちら

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