乙女とたこ焼き。05

【安藤なつ】料理愛。

人気お笑いコンビ「メイプル超合金」安藤なつさん初の連載コラムです。すがすがしいほどわが道を生きながら、性別も世代も超えて多くの人に愛される安藤さんが、好きなもの、こだわり、普段考えていること。気の向くままに語ります。隔週金曜にお届けします。

●乙女とたこ焼き 05

料理愛。

料理は食べるのは大好きだが、自分で作るのも好きだ。
得意な料理は大根の煮物。下準備でのコツ、それは、米のとぎ汁で大根を煮ること。味が染みやすくなるのだ。知らなかった方はぜひこのワザ、お試しあれ。

レシピ本は、基本見ない。本を見て作ったことがない。
レシピを読み進めていると、途中で混乱して「んんん?」となってしまうし、材料を量るのが苦手。書いてある分量どおりに作るというのが面倒くさい。
計量が苦手なのだから、お菓子作りもてんでダメだ。レシピをちゃんと読めるようになったら、レパートリーが増えるんだろうな、とは思うのだけれど。

本を見てきっちり作ることもなければ、「これを作りたいからスーパーに行く!」という張り切った感じもあまりない。がぜん「これがあるから何を作ろうか」のほうが多くて、冷蔵庫にあるもので何かしら作るタイプ。

食べるほうに関して言えば、好きになったものは飽きずにずっと食べ続ける。切り替わるのは「嫌いになるまで」で、その日がくるまで時間がかかる。
いま唯一食べられないのは茶碗蒸しで、理由は「食べ過ぎた」から。食べて食べて食べ続けて、最終的には気持ち悪くなった。
大好きなたこ焼きも、そのレベルまでにならないと嫌いにはならないだろう。果たしてそんな日は来るのだろうか。

ところで、実家は畑をしているため、旬の時期に合わせて家族が葉物野菜を送ってくれる。昔から、安藤家は玄米や押麦、七分づきのご飯を食べていた(中高生の時はジャンクフードが大好きで、「やっぱカップラーメン最高!」って時期もあったけれど)。
大人になって、子どもの頃に食べていたもの美味しさに気づき始めた。今は、ご飯は十六穀米に玄米を混ぜて七分づき。雑穀米が好きだ。特に、あの麦のプチプチ感がたまらない。

もっとも、最近は健康を少し意識して炭水化物は少しずつ減らしているのだけれど……、たこ焼きは炭水化物と見なしていない。ほとんどは卵と水でできていて、小麦粉は少ししか入っていないから。私の中では、0カロリーということになっている

構成:小野ヒデコ 写真:戸澤裕司

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人気お笑いコンビ「メイプル超合金」として相方のカズレーザーとともに活躍するかたわら、ドラマや映画にも多数出演。
同志社大学文学部英文学科卒業。自動車メーカで生産管理、アパレルメーカーで店舗マネジメントを経験後、2015年にライターに転身。現在、週刊誌やウェブメディアなどで取材・執筆中。
1986年週刊朝日グラビア専属カメラマン。1989年フリーランスに。2000年から7年間、作家五木寛之氏の旅に同行した。2017年「歩きながら撮りながら写真のこと語ろう会」WS主催。