“姿勢”にまつわる物語 03

その疲労、あたりまえ?パソコン作業の姿勢改善で、身軽な私に

パソコン作業が多い会社員の凛。慢性的に首が痛いし、肩も重い。おまけに夕方はいつも疲れている。気づけばこれが日常で、どこか慣れてしまった自分がいた。でも、ちょっとした姿勢の改善で、この疲れがぐっと軽くなるとしたら…。凛はヒントを得るべく、“姿勢先生”のもとを訪ねた。

●“姿勢”にまつわる物語 03

凛:仕事中の首や肩の痛みって、どうしたもんでしょうか?

姿勢先生:そうだね、定期的に姿勢を替えたり体操するのがいいのだけど、そもそもどんな姿勢  
でパソコン作業をしているのかも重要なんだ。

凛:はい。

姿勢先生:では、まず正しい姿勢とパソコンの位置から見ていこう。

正しい姿勢でパソコンに向かおう!

正しい姿勢
・頭やあごが前に突き出ていないか
・猫背で背中が丸まっていないか
・腰が反ったり丸まったりしていないか
・いかり肩ではないか

正しいパソコン・机と体の位置関係
・目とディスプレイの間は40㎝以上開ける
・キーボードの位置は、肘を90度以上伸ばしてキーボードに自然に手が届くところ
・椅子と膝の後ろは手の指が入る程度開ける
・肘は、机か椅子の肘で支える
・足の裏全体が床に接する。届かない場合は足台を置く

凛:なるほど。

姿勢先生:次は悪い例だよ。

疲労する姿勢でパソコンに向かっていませんか?

姿勢先生:これは腰が反ってるね。腕を机に乗せて重心をさらに前に移動した姿勢。

凛:よく見る姿勢だなぁ。

姿勢先生:この姿勢のまま長時間過ごすと、首の後ろや腰がの筋肉が固まってしまうよ。

凛:そうなんですね。気持ちもダルっとしちゃってるように見えます。

姿勢先生:あと、首周りが下の写真のような姿勢になっている人も直した方がいいね。

姿勢先生:猫背であごが前に出た姿勢だね。この姿勢でいると、ストレートネックという
状態になることがあるよ。

ストレートネックとは、姿勢の悪さから、本来ゆるやかに前方にカーブしている首がまっすぐになってしまった状態のことをいうんだ。
 猫背で作業をすると、視線は前を見ようとしてあごが突き出る形になってしまうし、 頭のつけ根あたりは詰まる感じになって筋肉が固くなる。場合によっては耳鳴りやめまい、頭痛を引き起こすこともあるし、自律神経失調症の原因になることもあるんだよ。

悪い姿勢
・首のゆるやかなカーブが無い
・頭が体の前に出る
・顎が前に出ている
・頭のつけ根辺りは詰まる感じ
・肩が前に出てしまう
・ねこ背

凛:確かに私、この姿勢しているかも……。

姿勢先生:あと、パソコンはもちろん、あごを突き出してスマホを操作する人や、食事のときにお茶碗やお皿を持ち上げないで口から近づける人も注意した方がいいね。

凛:なるほど。

姿勢先生:さらに、体重が左右均等に乗っておらず、どちらかに傾いて座っている人、背もたれに思い切り寄りかかって作業している人も直した方がいいね。

凛:ポイントがたくさんあって、大変そうです。何か、姿勢を直すのに効果がある体操とかありますか?

姿勢を直そう!お勧めの体操

姿勢先生:うん。この体操をおすすめするよ。

姿勢先生:椅子に座り、平泳ぎのように両肩甲骨を前に突き出すと同時に、左右の肩甲骨の間を離していき5秒止める。このとき、あごは軽く引いておくよ。

姿勢先生:次に、両肘を後ろに引くことで、左右の肩甲骨の間を近づけて5秒止めるよ。このときもあごは軽く引いておくんだ。この一連の動きを、5~10回繰り返してね。

凛:分かりました!早速やってみます!

仕事でパソコンの前に座っている時間が長い人は、どんな姿勢で作業をするかで、日々の疲れの蓄積が大きく違ってきそうです。姿勢を見直して、快適なパソコンタイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。

参考文献:竹井仁『正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書』(ナツメ社) 

東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。
女性のカラダ、生き方、時々ドラマ。