ツレヅレハナコのカラダにいい気がするレシピ 05

肌のシミに「いい気がする」、パセリを使ったレシピ

お酒とお酒に合う食べ物が大好きな人気編集者・ツレヅレハナコさんが綴る「体にいい」(気がする)料理コラム。頭痛、体のだるさ…。体の不調を感じたときに、すぐ作れるオリジナルレシピたち。隔週木曜にお届けします。

●ツレヅレハナコのカラダにいい気がするレシピ 05

肌のシミ

 毎朝、鏡を見ているはずなのに、そいつは突然現れる。

 化粧水、乳液、クリーム、化粧下地……

 いろいろなものを肌にせっせと塗りすすめるうち、ある日ふと気づくのだ。

 ん? なんだ、この肌に浮かび上がる小さな暗い影は。

 ……ギャー! も、もしや、シミ! 

 ああ、いったいいつからキミはそこにいたのか(絶望)。

 自慢ではないが、健康どころか美容への関心も昔からめっぽう薄い。

 一応、基礎化粧品は一通りそろえているけれども、こだわりと言ったものは皆無。

 なんとなく良さそうなものを、ただ漠然と買い続けているだけだ。

 

 昔は、それでも十分通用していた。

 十代、二十代の肌は代謝がよく水分量もバッチリで、常にツルツルのパンパン。

 ドラッグストアの適当な化粧水でも、肌トラブルは一切なかった。

 一応、「肌が黒いよりは白いほうがいいかな」と日焼け止めを塗ったりもしていたが、

 40代の私が20代の私にアドバイスをするならば、ただ一つ。

 「とにかく、日焼け止めだけは毎日徹底して塗れ」。

 というか、頼む。お願いだから塗ってくれ!

 

 日焼けの根本的な問題は、肌全体が日焼けをして黒くなることではないのだ。

 紫外線を浴び続けることで皮膚細胞の再生能力が低下し、

 メラニンを肌の外に排出する力が弱くなること。

 これこそが、後年の肌にシミが浮かびあがる原因となる。

 シミがひとつでもあると、一気に老けて見えるのが何より悲しい。

 どんなにメイクをがんばっても、シミがあれば見た目年齢は一気に+3歳。

 毎日コンシーラーを叩き込むのも面倒くさいし、

 シミを目にするたび「加齢」という言葉を思い浮かべずにいられない。

 数年前には「医療の力で一気に解決だ!」とレーザー治療も受けてみたけれど、

 術後しばらくは顔にかさぶたをつけながら過ごすという苦行が待っていた。

 そんなシミを少しでも予防する食べ物を調べていたら、なんとパセリが良いらしい。

 新陳代謝を促してメラニンの沈着を抑えるβ-カロテンや、

 メラニンのもととなる「チロシナーゼ」の沈着を防ぐビタミンCの含有量が、

 野菜の中でもトップクラス。なるほど、これはがっつり食べなくては!

 問題は、「料理に添えられていたら捨てられる」ほどキング・オブ・脇役のパセリ。

 ある程度の量をおいしく食べるには、少々工夫が必要だ。

 

 そんなときに思い出したのが、中東を旅していた際によく食べた「タブレ」。

 パセリ(現地ではイタリアンパセリ)を大量に刻み、

 クスクスやキヌアといった穀物と混ぜ合わせたサラダである。

 ほぼ具の主役と言っても過言ではないほど大量のパセリを使うが、

 たっぷりのレモン汁やオリーブオイルと合わせると味がなじんでとてもおいしい。

 キリッと冷えた白ワインなどにもぴったり合うので、

 ぜひ、さわやかなこの季節のおつまみに作ってみてほしい。

「タブレ」

●材料(23人分)

パセリ・・・1束、クスクス・・・1/4カップ、トマト・・・1個、塩、オリーブオイル・・・大さじ1、〔ドレッシング〕レモン汁・・・1個分、オリーブオイル・・・大さじ2~3、塩、こしょう・・・各少々

1 パセリは葉の部分を摘み取り、フードプロセッサーか包丁でみじん切りにする。

 2 クスクスは耐熱容器に入れてオリーブオイル、熱湯1/4カップを加え混ぜ、ラップをかけて3分ほど置く。トマトは5㎜角に切る。

 3 ボウルにパセリ、粗熱をとってポロポロにほぐしたクスクス、トマトを入れ、ドレッシングの材料を混ぜる。

食と酒と旅を愛する編集者。著書に『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコのじぶん弁当』(小学館)『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの揚げもの天国』(PHP研究所)他。
フォトグラファー。 1974年3月東京生まれ。好きな被写体は人物と料理。暮らし周りを数多く撮影。 著書「人と料理」(アノニマスタジオ)「祝福」(ORGANIC BASE)「まよいながら、ゆれながら」(文・中川ちえ/ミルブックス)「Travel Pictures」(著者名田辺わかな/PIE BOOKS)