ツレヅレハナコのカラダにいい気がするレシピ 01

花粉症に「いい気がする」、ヨーグルトを使ったレシピ

お酒とお酒に合う食べ物が大好きな人気編集者・ツレヅレハナコさんが綴る「体にいい」(気がする)料理コラム。頭痛、体のだるさ…。体の不調を感じたときに、すぐ作れるオリジナルレシピたち。隔週木曜にお届けします。

自分は「アレルギー」など無縁だと思っていた。
病気知らずで胃腸も丈夫だし、花粉症という言葉も完全に他人事。
でもある日、それは突然やってくる。
目がかゆい! 涙も鼻水も止まらない! なんじゃこりゃ!

おどろいて病院に駆け込むと、さっそくアレルギー検査。
結果を見ながらお医者さまが言ったのは、
「ほとんどの花粉にアレルギー反応が出てるねー。これは、一年中大変だ。

あとは……、あなた、猫飼ってる?」。
まあ一番の衝撃は猫アレルギーの判明だったのだけれど、すでに5年も飼ってしまっているのでここは無視(今さら言われても困る!)。
問題は、花粉だ。しかもオールシーズン対応のフルコース。
ああ、どうしよう。

その晩、一緒に酒を飲んだ友人が花粉症の大ベテランと知り、

薬以外にやっていることを聞いてみた。
すると、「私の場合はヨーグルト! 
はちみつを入れて毎朝食べているけど、確かに少しよくなった気がする。
免疫機能が乱れるとアレルギー反応も強まると聞いたので、腸内環境をよくして免疫力を上げるイメージだね」。
ほほー。さすが健康食品の代名詞、ヨーグルト。花粉症にもいいのか。

さっそく私も毎朝……といきたいところながら、生粋の辛党ゆえ「甘いヨーグルト」には縁がない。
そこで思い出したのが、トルコ滞在時に食べたヨーグルト料理の数々。
トルコ人はバケツサイズでヨーグルトを買い、ありとあらゆるものに使うのだ。

なかでもホームステイ先で食べた、名もなきパスタが印象深かった。
スパゲティをゆでたらサルチャ(トマトペースト)をからめ、
塩とにんにくを入れたヨーグルトソースをかけるだけ。
具は一切なし。わーっと混ぜて、ただひたすらに食べる。
日本でいえば「卵かけごはん」のようなものだろうか。
「トルコ人は家でおなかがすくと、誰でもこれを作って食べるわね。
レストランでは食べられない料理かも」とはお世話になった家のアンネ(母)。

それでもトマトソースとヨーグルトの組み合わせは目からうろこのおいしさで、
日本に戻ってからはシンプルなミートソースを作ってよく食べている。
今回ご紹介するヨーグルトソースは、パスタのほか焼いた肉や魚にかけるのもオススメ。
花粉症でなくても、ぜひお試しあれ。

「トマトとヨーグルトのパスタ」

●材 料(2~3人分)

合いびき肉…200g、玉ねぎ(みじん切り)…1個、トマト水煮缶…1缶、塩…小さじ1/2 、クミンパウダー(あれば)…小さじ1、オリーブオイル・好みのパスタ・パプリカパウダー(あれば)…適量
〔ヨーグルトソース〕ヨーグルト(無糖)…1カップ、おろしにんにく・塩…少々

ヨーグルトソースの材料を器に混ぜておく。フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎ、ひき肉の順に炒め、肉の色が変わったらトマト缶、塩、クミンを加えて10分ほど煮詰める。

好みのパスタを袋の表示通りゆでて器に盛り、ミートソース、ヨーグルトソースをかけ、パプリカパウダー、オリーブオイルをふる。

食と酒と旅を愛する編集者。著書に『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコのじぶん弁当』(小学館)『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの揚げもの天国』(PHP研究所)他。
フォトグラファー。 1974年3月東京生まれ。好きな被写体は人物と料理。暮らし周りを数多く撮影。 著書「人と料理」(アノニマスタジオ)「祝福」(ORGANIC BASE)「まよいながら、ゆれながら」(文・中川ちえ/ミルブックス)「Travel Pictures」(著者名田辺わかな/PIE BOOKS)