Prostock-Studio/iStock/Getty Images Plus
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【編集長コラム】バトルの前に……「夫婦カウンセリング」

夫婦は“一番近い他人”。近いからこそ、目線合わせが重要なのかもしれません……。 「telling,」には「あなただけに言うね」という意味があります。結婚、出産、育児との両立、夫婦のあり方など、様々な課題に直面する女性の多様な生き方と価値観を伝え、自分らしい一歩を共に考えるメディアです。柏木友紀編集長のコラムをお届けします。
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最近、周囲の女性たちの間でしばしば話題にのぼる「夫婦カウンセリング」。壮絶な離婚バトル(?)の際に受けるものではなく、もっと手前の段階から2人で門をたたくケースを立て続けに耳にしました。

Instagramで大人気の爆速レシピクリエイター・およねさんはtelling,のコラムで「“夫婦コンサル”を受けてみた!」とつづります。結婚10年、もともと性格が正反対の2人は当初から意見の食い違いが多く、2年前に夫が一時無職になったのをきっかけに、彼女がインフルエンサーとして活躍し始めると、方針を巡って日々ケンカが絶えなくなりました。友人の紹介で受けたカウンセリングでは、妻は感情優先、夫は規律を重んじるタイプと分かり、それぞれに応じた接し方を学んだそう。「他者の目が入るって大事。ぐっとコミュニケーションが円滑になりました」とおよねさん。(『“夫婦コンサル”を受けてみた! 180度違う夫と寄り添うための具体的なアドバイスとは』)

お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦さんの妻でタレントの福田萌さんも、夫婦カウンセリングを受けたことをインタビューで語ってくれました。家庭のあり方を共に考えたいと夫を伴ったところ、当初中田さんは「俺はダメな夫だってこと?」とショックを受けたとか。その後は互いに気持ちをぶつけ合い、それまでとは違う視点を持てるようになったそうです。(『福田萌さん、操縦不能な夫(オリラジ中田敦彦さん)炎上も「一生、添い遂げたい」』)

筆者の周囲でも、子どもが情緒不安定になったのをきっかけに夫婦カウンセリングを受けた友人や、結婚前にお互いの価値観をすりあわせるため通ったという知人も。いずれも、それまで互いの本音を相手に伝える努力が不足していたことに他者が入ることで気付き、その後は少なくとも離婚には至っていません。もっとも、時に“小恥ずかしい”アドバイスでも共に耳を傾けようという2人なら、やはり根底には深い愛情が流れているということなのかも。

【2023年11月28日朝日新聞夕刊掲載】

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telling,編集長。朝日新聞、AERAなどで記者として教育や文化、メディア、ファッションなどを幅広く取材/執筆。教育媒体「朝日新聞EduA」の創刊編集長などを経て現職。TBS「news23」のゲストコメンテーターも務める。
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