“夫婦コンサル”を受けてみた! 180度違う夫と寄り添うための具体的なアドバイスとは
「無職になった夫を支えるため、妻が得意の料理でインフルエンサーに……」そんな風に私のこれまでをまとめると、さぞかしラブラブな夫婦なんだろうと思いますよね。安心してください、めちゃくちゃケンカの多い夫婦です(笑)。
ただ、最近は180度違うお互いの性格を理解し、少しずつ寄り添い合えるようになってきたかな。今回は、そんな私たちがぶつかり合いながら見つけた、夫婦円満のヒントをおすそ分けできたらなと思います。
結婚直前には重度のマリッジブルーに
夫と出会ったのは26歳のとき。3つ年上の夫の方が結婚を意識していて、交際1年でプロポーズされました。当時、私は仕事に追われ、結婚して働き方を変えるのもありかなと思ってプロポーズを受けたものの、周りの友達で結婚している子はおらず、「激務はイヤだけどキャリアが止まるのもイヤ」と気持ちが揺れに揺れて、重度のマリッジブルーになりました(苦笑)。1カ月くらい「やっぱりこれ婚約破棄した方がいいわ」とごねていたのですが、これが最後の話し合い、というときに「言いたいことはわかった。けど、俺の人生に婚約破棄はない!」と夫が言い切ったのです。それを聞いて、たしかに私も婚約破棄はイヤだわ……と我に返り、結婚しました。
そんな波乱含みのスタートでしたが、一緒に住み始めると、恋人時代には見えなかった夫の繊細な面に気づきました。当時、夫はノルマのある仕事をしていたのですが、決算の時期になると決まって体調を崩し、眠れないと訴え、家でもピリピリしだすのです。私なりにドラッグストアで心が落ち着く漢方薬を探してのませたりしましたが、夫は激務で家にいる時間はわずかだし、私は私で二人の子どものワンオペ育児でいっぱいいっぱい。夫の悩みに耳を傾けるどころか、夫婦の会話すらできていない状態でした。
無職になった夫に言わないと決めたこと
そして連載第1回でお話したように、疲れ果てた夫は会社を辞めることに……。無職になって家にいるようになった夫に対して、私は自分に一つだけルールを作りました。それは「働け」と言わないこと。代わりに毎日一緒に散歩に行き、ご飯を作りました。そのうちに、夫婦でたくさん話すようになりました。
もちろん、穏やかな時間ばかりではありませんでした。「俺の人生はもう終わりだ」なんてことを子どもの前で言うので、「子どもが不安になるから、どうしても言いたくなったら自分の部屋にこもって」「家族をサンドバッグにしないで」と叱ったことも。支える側に立ったとき、「ここまでは助けるけど、ここからは自分でやって」というような、共倒れにならない境界線は必要だと思います。
およね業に口を出す夫にイライラ
その後、夫は自分に合った働き方のできる会社へ転職。私は爆速レシピクリエイター・およねとして活動するようになり、ビジネス戦略に長けた夫がおよね業の窓口担当として手伝ってくれるようになりました。インフルエンサーという特殊な仕事は、周りにモデルとなる人も、気軽に相談できる人もおらず、孤独。そんな中、一緒に考えてくれるパートナーがすぐそばにいるのはラッキーでした。感情優先の私とは違い、冷静沈着な夫のアドバイスは的を射ていて、納得することも多いんです。このようにメリットもたくさんあるのですが、しかし!
本来、家族の時間であるはずの夕食時にも夫は仕事の話をするようになり、それがまたくどくどと細かい! 夫はよかれと思ってするアドバイスも、こっちとしては「実際にやるのは私なんだからね、そんなSNSって簡単じゃないから!」とイライラするように……。何度か話し合いを経て、オンとオフをきっちり分けるとか、週1回、1on1で話す時間を取って仕事の話はそこでする、とかやってみたのですが、けんかは一向に減らず……。限界を迎えたある日、夫の愚痴を友人にLINEしていたところ、「夫婦コンサルティングを受けてみれば?」と。知り合いの先生を紹介してくれ、夫婦で行くことになりました。
夫婦コンサルティングでわかったこと
そのコンサルティングは性格分類学という学問を用いて、性格の成り立ちや構造を学習することから始まります。その上でお互いの性格をより理解を深め合うために、「エニアグラム」という、人の性格を9つのタイプに分ける性格類型をベースにしたものを今回は学びました。アメリカで古くから研究されている心理学の一種で、外資系の企業では人事異動の際に社員のエニアグラムを参考にするところもあるとか。
先生の質問に答えて判明した私の性格は「タイプ2:献身家」というもの。人の役に立つことに喜びを感じ、感性を大切にして、感情がワクワクしたらやるし、しなかったらやる気が起きないというタイプ。一方、夫の性格は「タイプ1:完全主義者」。規律を重んじ、目的志向が強く、常に努力し、周囲にもそれを求めます。ルーティンで動くことで安心できるタイプだそう。
たとえば、レシピ動画を考えるとき、私は頭の中で「こんなの作れたら超楽しい♪」と思っても、そのためにはこれをしなきゃ、あれをしなきゃ、となると途端にできなくなってしまいます。それほど、自分が楽しんでいるかノッているかどうかは大事。でも、彼のアドバイスは、感情を抜きに「こうやりたいなら、その前にまずこうするのが正解だよね」という方法論。彼は規律を重んじるので、相手にも規律を教えるのが愛情だと思っているそうです。でも私はそれを愛情とは受け取らないから、いがみ合うことに……。
これまで小言や、なんなら嫌味とすら思っていた夫の言葉が、じつは夫なりの愛情だったと知って、目からうろこでした。それを踏まえて、先生は夫に「小言を一切やめて褒めるのに徹しなさい」とアドバイス。タイプ2の私は共感を愛情と捉え、褒められて伸びるタイプだそうです。
一方、私へのアドバイスは、「今何をどこまでやっているか、夫にわかるようにすること」。夫のタイプ1は、物事を把握しておきたいタイプ。そうでないと、悪い想像をして「妻はなんにもできてないのでは。言ってあげなれば!」と規律が守れるようにサポートしようとし、私はそれを小言と捉えてしまいます。そこでグーグルカレンダーで今日何をやったかを共有することにしました。
夫婦コンサルティングで先生が教えてくれたのは性格によって愛情と捉える価値観が違うため、まずはその違いをお互いが知ること。その次に、私たち夫婦の性格の共通認識部分を知ることの大切さです。私たち夫婦に共通する価値観は「結果だけでなくプロセスを大切にしている」ことだったので、コミュニケーションをしっかりとることを意識するようになりました。
やはり他者の目が入るって大事。これらのアドバイスも第三者だったからこそ、素直に納得できてお互い取り入れられたのだと思います。それ以降、夫が私をねぎらってくれるようになり、私もそれに応えて頑張れるようになって、ぐっとコミュニケーションが円滑になりました。もちろん、小さないざこざは日々ありますが(笑)。それはお互いの思ったことを言い合えるといういい面でもあるし、これが私たち夫婦のスタイルなのかなと思います。これからも小競り合いしながら(笑)、一緒の未来へ向かって進んでいけたらいいな。
さて、次回は私がレシピに込める思いについてお話しする予定です! お楽しみに。
今回紹介するレシピは、「そばめし」。無職の夫が無職になったとき、この先のお金の見通しが立たない不安からよく作っていた節約レシピです。
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