植草美幸流 婚活理論30

特別な日、クリスマスへ向けて~やること“これだけは”!

クリスマスに向けて街は彩られ、人々の気分も高揚してきます。クリスマスのようなイベントは特別だからこそ、それに向けた正しい準備が必要。楽しいクリスマスを過ごすために、11月からすべきことを、新刊『結婚の技術』を上梓した東京・青山の結婚相談所マリーミー代表で恋愛・婚活アドバイザーの植草美幸さんが解説します。
相手が自分を振り向けば嫌いに? 蛙化現象を“婚活の現場”から考えます!

結婚したいならクリスマスをうまく活用して!

「1日でも早く、結婚したい」と考える人にとって、クリスマスは絶好のイベントです。バブル期に比べると男女ともに力が入っていないという指摘もありますが、依然としてメディアはムードを盛り上げますし、特別な日であることは変わりません。しかも今年はイブの12月24日は土曜日!
クリスマスを軽視して何もせずに、“懸案”を来年に持ち越すか、その日を目標にモチベーションを高めるのかは、大きな分かれ道なのです。

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クリスマスを有意義に過ごすために、11月にすべきことは?

私が運営する結婚相談所の場合、婚活の活動期間は1年間、成婚するお相手とは出会いから3カ月のワンクールを目標にしています。だから、9~10月に入会した方には、「クリスマスはプロポーズの日にしましょう」とお伝えします。11月初旬入会の場合ですと、プロポーズまではいかなくても、クリスマスに“真剣交際開始”を目標にしていただいています。

12月に入るとクリスマスに向けて、街中のイルミネーションやBGMなどが、クリスマスムードを盛り上げてくれます。あなたも気分を上げて、積極的に動いてください。クリスマスを終えると、数日で大晦日、そして新年。クリスマスを上手く過ごすことができれば、「里帰りして両親に結婚を報告」「一緒に相手の実家に行き、先方の両親に結婚のあいさつ」というステップに進みやすくなります。

たとえ彼氏がいなくても、クリスマスは大きな節目。そこで今回は、11月からクリスマスまでに段階に応じて、やってもらいたい3つをお伝えします。

■1: 彼氏やデート相手をつくる

まずは、彼氏がいなかったり、デートの相手探しからしないといけなかったりする人に向けて。ハッキリ言いますが、この段階で待っていても何も起こりません。覚悟を決めて、待ちの姿勢をやめましょう。

お休みが土日の方なら、今年の11~12月の週末は婚活Dayと割り切ります。そして、まずは3人! 彼氏候補をリストにしましょう。そのためにもクリスマス前週の12月18日までに、3人以上とそれぞれ1回以上のデートを取り付けて、彼氏候補を決める。10~20人とデートをしたうえで3人に候補を絞れればベストですが、まずはガムシャラに「3人とデートの約束を取り付けて、実行する!」ことを目指してください。

「そもそも誰を誘えばいいの?」という人は、今まで彼氏候補としては見ていなかった人を含めて連絡先を知っているすべての独身男子を、いったん彼氏候補に! 男友達や同僚、SNSでつながっている知人・友人、過去に合コンで連絡先を交換した人……などです。そしてスマホの電話帳やLINEの友だちリストを順番に見て、コピペでもいいので、メッセージを全員へ送りましょう。そして3人以上とのデートを実現させ、「クリスマス期間にデートをしたい」と誘ってください。

■2: 相手が自分をどう見ているのかを知る

11月の時点で彼氏がいたり、デートする相手が3人以上いたりするなら、すみやかに「あなたとクリスマスを一緒に過ごしたい」と宣言してください。できるだけ早く、クリスマスの予定を押さえるため、です。

彼氏は別にして、デートできる相手に「いや~これから予定が入るかも……」とはぐらかされたら、その人にはあなたより優先したい人がいる可能性が高い。3人ともが同様の感じだと、クリスマスの予定が決まりません。この場合は■:1に戻って、3人のデートフレンド、もしくは彼氏候補を探すようにしましょう。

また、クリスマスシーズンでは“相手のどの日時を押さえられるか”によって、自分の立ち位置を確認できます。2022年のクリスマスは繰り返しになりますがイブは土曜日、当日が日曜日。だから土日休みの方のデートのタイミングとしては、イブ(24日)の夜・昼・朝、23日の夜、クリスマス当日(25日)の夜・昼・朝、クリスマス前週の週末の夜・昼・朝がありえます。いちばん強いのはクリスマスイブの夜。
この日にデートができたら、相手はあなたのことを、とても大切な存在と考えていることになります。ただ、たとえ「イブの夜は厳しい」と言われても、23日の夜やクリスマス当日の朝や昼・夜の予定も確認しましょう。
それでもダメなら、順番に予定を確認し、双方の合意できるデートの日を見つけましょう。

付き合っているのかどうかわからない相手に、「私のこと好き?」「結婚する気あるの?」と露骨に聞くのは危険。ですが、「クリスマス空いてる?」と聞くことのハードルは高くありません。

このようにして、クリスマス期間のデートの日時などから、相手が自分をどういう存在として見ているかを早いうちに確認し、関係が不安定だと感じたら、すぐ新たな候補を探すのがカシコイやり方です。

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■3: 彼氏がいるなら、目標はプロポーズ!

すでに1~2年付き合っていて、過去にクリスマスを一緒に過ごしたことがある彼氏はいる。けど、結婚の話は出ていないという人もいるでしょう。もし、あなたが彼氏と結婚したいと本気で思っているなら、クリスマスデートでプロポーズしてもらうことを目標に、11月から動き始めましょう。

まずはクリスマスデートの予定はキープしてください。3年以上の交際で、“なあなあ”になっているカップルは要注意。「クリスマスも3回以上一緒だし、もう特別な日じゃないよね」と彼の気持ちがダラけている可能性がありますから。事前に予定を聞いて、「今年のクリスマスは、ちょっと気合を入れて過ごしたいの。このレストランなんてどう?」と特別感を演出しつつ、話し合いながら一緒に予約を取るとよいでしょう。

11月には結婚へのイメージをすり合わせるため、結婚願望があること、将来を考えていることを言葉にして伝えることも大事です。たとえば、クリスマスを意識させて、「今年も○○くんと過ごせてうれしいな! 来年もその先のクリスマスも、ずっと一緒がいいな~!」というふうに相手に言うのもいいでしょう。相思相愛のカップルならば、彼も喜び「クリスマスデートはプロポーズのチャンスだ!」と思うはずです。

「結婚の意思を自分からは伝えにくい」と、あなたが感じているなら……。彼に結婚願望がないことをすでに感付いているのかもしれません。あるいは結婚についてお互いの価値観のすり合わせができていない。

これらの場合は段階を踏んで、「将来、子どもを2人産みたいから、30歳までに結婚したい。○○くんは?」「(家電量販店で)今はこのサイズでいいけど、3人家族になったら、この冷蔵庫では小さいかな?」などと、彼との将来を自分が考えていることを伝えましょう。

さらに踏み込めそうなら、「今度、うちのパパとママが上京してきたら、一緒に食事しない?」「ウエディングドレスの試着や結婚式場の見学を申し込むから、いっしょに来て!」というふうに段階を上げ、彼の反応を確かめてもいいと思います。もし微妙なら、「彼は私との結婚を考えていないんだ」と受け止めましょう。知られただけでも大きな進歩なのですから。

ちなみに彼に結婚の意思がないと分かっても、すぐに別れて関係性をゼロにする必要はありません。もっと結婚について真面目に考えてくれる彼氏候補に出会うための待機時間と、捉えてもいいと思います。
その期間に新たな出会いもあるでしょう。そして、新たな男性と仲を深めたいと思ったら――。「私は1年以内に結婚したいから、付き合うなら結婚を前提でいい?」と伝えましょう。OKをもらえたら、イマ彼を含めて数人とクリスマスデート! 相手の思いや自分との相性、結婚観など、自分に合う相手を見極めましょう!

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「キラキラワード」を身に付けた控えめ女子が、逆プロポーズに成功

実際に、控えめ女子がクリスマスの魔法で、逆プロポーズして成功した事例があります。
33歳の女性はMARCH卒で年収500万円の会社員。背が高くてスラリとした方なのに、自分に自信が持てずに積極的になれないタイプで、その時点で婚活歴は半年を過ぎていました。11月上旬の時点で、以下の3人の男性と仮交際に入っていた彼女は、Aさんのことが大好きになっていました。
・Aさん:36歳、年収700万円の一般会社員
・Bさん:34歳、年収600万円の公務員
・Cさん:39歳、年収1000万円のプログラマー

そこで私は、「クリスマスをプロポーズの日にしましょう!」と彼女を鼓舞し、「キラキラワード」を伝授しました。キラキラワードというのは、ちょっとロマンチックで相手をキュンとさせる言い回し。「わ~、表参道のライトアップだ! ロマンチックだね、Aさんと見られてうれしい」とか「周りは恋人ばかりだね……私たちも、そう見えてたらうれしいな!」といったワードを私は彼女に教え込みました。実際に彼女がAさんに、これらの言葉を発すると――。普段の彼女からは想像できない姿にAさんは、「こんなふうに思ってくれてたんだ!」とグッと心をつかまれたそうです。

そこでAさんは12月24日にクリスマスデートを用意。プロポーズをするつもりだったのですが、彼女の方から「クリスマスだけじゃなくて、ずっとAさんと一緒にいたいです」と逆プロポーズといえる言葉を伝えられました。Aさんはストレートな愛の言葉を返し、成婚となりました。
彼女はこの時期を振り返って、「今までだったら絶対に無理だったけど、クリスマスの気分に乗って、魔法にかけられたように言ってしまいました」と話していました。


モチベーションが低ければ…

クリスマスを意識しなかったことで婚活がうまくいかなかった例も。34歳の看護師の女性と39歳の男性警察官のカップルは、出会いから3カ月。男性から「今年のクリスマスの予定は?」と誘われたので、女性は「これはプロポーズがあるだろう」と思っていました。

本来なら成婚に向けて私がアドバイスをして、送り出すのですが、「今月は仕事が忙しくて……」と、彼女は11月下旬のカウンセリングを欠席してしまいます。

クリスマス当日に現れた彼女は普段通りの服装に手ブラ。クリスマスをまったく意識していないようでした。真剣だった男性は、クリスマスプレゼントを渡し、きちんとした場所でデートをして、最高のプロポーズを……と手順を考えていました。しかし、普段通りの彼女の様子にガッカリし、プロポーズをしないままデートを終えることとなりました。
後日、彼女に聞いてみると「単に気が回らなかっただけ。のんきに構えていただけで他意はなかった」と言うのです。男性と女性の、価値観の違いから起こった悲劇でした。

前もって準備し、相手と一緒に気分を高めていくからこそ、クリスマスはイベントになり得るのです。そして特別な日だからこそ、クリスマスの過ごし方自体が、意味を帯びるのです。だからこそ軽視すると、相手に真剣度が低い、思いが薄いというマイナスのメッセージを送ることになりかねません。
真剣な婚活には技術が必要ですから、その場だけ取り繕っても、うまくいきません。クリスマスは、ぜひ11月から準備を重ねて、気持ちと技術のピークを当日に! 
応援しています。

相手が自分を振り向けば嫌いに? 蛙化現象を“婚活の現場”から考えます!

『結婚の技術』

著:植草美幸
発行:中央公論新社
価格:1760円(税込)
結婚相談所で1000組以上の成婚の実績を持つ著者が、現場やメディアで反響を呼んだ効果的な言葉を届ける、1冊です。

結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピー設立。2009年、結婚相談所マリーミー設立。自ら婚活している男女にアドバイスし、成婚に導いている。セミナーの開催、テレビやラジオも多数出演。著書に『なぜか9割の女性が知らない婚活のオキテ』『男の婚活は会話が8割「また会いたい」にはワケがある!』『モテ理論』など。
植草美幸流 婚活理論