相手が自分を振り向けば嫌いに? 蛙化現象を“婚活の現場”から考えます!
蛙化現象とは? 「好きだと言われると気持ち悪い」の深層心理
最近話題の恋愛用語に、「蛙化現象」という言葉があるそうです。蛙化とは、童話にありがちな「王子様が蛙になる」という様子を指していて、「片思いの相手が振り向いてくれて、両想いになったとたん、相手を気持ち悪く感じてしまう心理」を指すそうです。
主に、恋に恋する若い女性の心理状態として語られることが多いようです。矛盾していると分かっていても、「好きだと相手から言われるとつい気持ち悪くなり、逃げ出したくなる」そう。
婚活の現場では、一般的な片思いの恋のようなことは起きにくい。しかし、恋愛経験が少ない人や異性と正面から向き合うことが苦手な人が少なくありませんから、蛙化現象のような理由で婚活が足踏み状態になってしまう事例は多く見てきました。これを私は「婚活蛙化現象」と名付けました。今回は陥りがちな人や、その解決方法について、実際にあった婚活事例を交えて解説していきます。
女子高育ちで婚活3年! 全身脱毛してくれた彼とゴールイン
27歳の都内有名私立大学卒業の年収600万円の女性は、婚活蛙化現象で婚活を3年もすることになりました。
見た目は清楚で印象の良い方でした。ただ、幼いころからアイドル好きの女子高育ちで、男性に免疫がないタイプ。婚活を始めてみると、お見合いや仮交際までは順調に進むものの、真剣交際になると足踏み状態になり、破談を繰り返していました。彼女によると、「デートをするような浅い関係であればいいけれど、私が好感を持って、一対一で向き合うようになると、距離が縮まる。相手も好意があれば見つめ合ったり、手をつないだりするようになる。自宅に行くような間柄になると、体毛やにおいに男臭さを感じてしまい、拒否感から会いたくなくなってしまう」と言うのです。
私も20代のうちは、出会いのなかで成長できればいいと思いましたが、破談は4回経験。
そのときに出会ったのが、3歳年上のシステムエンジニアで、年収800万円の男性です。
男兄弟の次男で、優しく穏やかな性格。物腰も柔らかく、彼女がいつものように、いたずらに交際期間を引き延ばしても、我慢強く待ってくれていました。
交際2カ月半になったときに私は、「彼女にはもう彼しかいない!」と思い、「彼の気にいらないところを正直に言って、直してもらえるか聞いてみましょう」と提案しました。彼女は「いい人だってわかっているけれど、濃い胸毛や腕の毛が私はムリ」というので、相手の婚活アドバイザー経由で「お人柄は申し分ないのですが、体毛が濃くていらして、どうもこの先に進むには、失礼は承知ですが……」と事情を話しました。
すると彼は、「いい方向に考えていただいているなら、喜んで」と脱毛してくれたのです。彼女は、自分のために努力し行動してくれた彼の優しさと、ツルツルすべすべになったお肌を見て感動。真摯に向き合う覚悟ができ、ご成婚されました。
婚活蛙化現象に陥りがちな女性の特徴とは?
私の経験上、婚活現場で見かける蛙化現象に陥りがちな女性には次のような共通点があります。それではどうすれば、解決するのでしょうか。
1.バーチャルな世界に生きていて、生身の男性を知らない
アイドルやアニメ、ゲームなどバーチャルな世界にハマっていて、現実に居ない理想の男性像を絶対に譲れない人は、婚活蛙化現象に陥りやすい印象です。
主婦が韓流ドラマやアイドルDVDで癒やされる――というのとは違って、価値観を育む仮定でバーチャルの世界にどっぷりはまり、そのうえ女子高育ちで生身の男性に会う機会がないまま成長することになると、現実よりもバーチャルが身近になる。あくまで私見ですが、生身の男性が“不都合な存在”のように見えてしまい、受け入れがたくなってしまうのかもしれません。
その場合は、バーチャルと現実は違うと理解する必要があります。アイドルやアニメといった画面越しの存在に願望を投影してきたわけですから、現実社会でも表面的な理想を持ちがち。男性の顔の造形や体毛の有無なんて、表面的なものの象徴です。実際は、その人の生き方や考え方、バックグラウンドを知ることで、初めて魅力がわかるものですよ。
2.恋愛経験が無いだけではなく、男性との交流自体が少ない
デートや恋愛の経験だけでなく、異性との交流が少ない人も婚活蛙化現象に陥りやすくなるという感じがします。例えば、男兄弟が居たり、学校や塾で仲良しの男子がいたり、大学のサークルで男性と交流したり、同じ職場の同僚に様々な世代の男性がいたりすると、性別も特段意識しませんし、自然な交流ができます。そうすると、異性であっても、“同じ人間”と思えますから、円滑で対等なコミュニケーションを取ることができます。
私がお薦めするのは、恋愛じゃなくてもいいので、交流する場を持ってみること。一緒に趣味の時間を過ごし、食事や雑談を楽しめる場を設けてみることをおすすめします。例えば、大人のサークル活動へ行く、SNSなどから趣味のコミュニティを見つけて、参加してみる、習い事をはじめるなどです。男性・女性と区別せずに、人間同士の交流をすることで、分け隔てのないコミュニケーションが身につくと思います。
3.婚活のスピード感についていけず、マリッジブルー状態になる
結婚前提での交際に気持ちがまだ向き切れていないのに、婚活を始めると、真剣交際になったとたんに、マリッジブルーのような感覚に陥る方もいます。これも一種の婚活蛙化現象と言えます。
婚活の場合、出会って数カ月~半年で成婚するケースもあります。トントン拍子で進んでいく場合もあるので、覚悟ができていないなら、“気持ちがついていかない”と、拒否反応が出てしまうのでしょう。その場合は、「結婚するからといって必ずしも恋愛をしなくてもいい。ラブラブ状態にならなくていい」とお伝えしています。当初は気持ちが追い付かなくても、シェアハウスでともに生活するような感覚で、交際していけば、自ずと思いやりや絆は育っていきます。
一方、“恋愛モードになれない”からといって、恋愛慣れしているガツガツした肉食男子にいきなり近づくのも、あまりお薦めできません。価値観の変化や成長を待ってくれて、ゆっくりと寄り添ってくれるような優しくて、努力してくれる男性と成婚した方がいいと私は思います。
いずれにしても、婚活の現場では女性は、生身の男性との交流を経て、価値観をアップデートして成長していくことになります。短期間で大勢の男性とマッチングできますから、急成長のチャンスです。お見合いや交際では、密度の濃いやりとりが必要になり、距離を保ちながらも深いコミュニケーションを経験。デートもただ遊ぶだけではなく、生き様や将来性など、相手の外見ではなく、中身について見極める訓練が実体験を通じて行える場です。
婚活では問題なし? 「蛙化現象」と「自己肯定感の低さ」の関係は?
ちなみに、一般的な恋愛における「蛙化現象」は、「自分に自信がない。だから、こんな自分を好きな相手はレベルが低い」とのロジックになってしまうそう。自己肯定感の低い人が陥ることがあるそうですが、婚活現場ではそんな事例はあまりお見掛けしません。
結婚相談所での婚活の場合、婚活アドバイザーが関わりますし、男性も条件面から選抜しますから、自己肯定感が低いことは利点になり得ます。なぜなら、そういう人はアドバイスを聞き入れやすく、高望みをしない「謙虚な人」となるからです。だから、むしろ縁談が進みやすい。
例えば、ある29歳シングルマザーの婚活中の女性は、自己肯定感の低さから、以前から男性に言い寄られると「私で良ければ……」と、なびいてしまうタイプでした。そんな彼女は、婚活を始めても、3回デートすると結婚をOKしようとするので、「もっとたくさんの人と向き合って、お子さんのためにも高みを目指しましょう」とアドバイス。そんな彼女は謙虚にアドバイスを聞き入れて婚活を続け、いい人と出会って成婚にいたりました。
以上、婚活蛙化現象について考えてみました。
男性を人間として対等に見て、自分と相手の未来をしっかりと想像し、自分の意向を伝えたり、交渉したりする力を身に付けると、婚活も、結婚生活も前に進んでいきます。自分に悩んでいる方ほど、まずは婚活に飛び込んでみるのもいいのではないでしょうか。
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