山﨑ケイさん「人として成熟した38歳というタイミングで結婚したのがよかった」

38歳で結婚した、お笑いコンビ「相席スタート」の山﨑ケイさんが先月、『ちょうどいい結婚のカタチ』(ヨシモトブックス)を出版しました。夫とのなれそめを振り返りつつ、気持ちの変化や婚活に必要なことなどを綴っています。結婚した今感じていることや、20代の頃の焦りなどについて、山﨑さんに聞きました。
相席スタート・山崎ケイ「私が“ちょうどいいブス”を使っている理由」 山﨑ケイさん「誰一人傷つかない発信って難しい」 容姿いじりネタに思うこと

今だから、平穏で幸せな関係が築けてる

――元吉本芸人で落語家の立川談洲さんと2020年秋にご結婚されました。立川さんに対しては「苦手なタイプ」という印象を抱いていたそうですが、結婚生活はいかがでしょうか。

山﨑ケイさん: もともと結婚をネガティブに捉えていたのですが、実際してみたら、思っていたよりも自分が結婚に向いていたことに気づきました。

結婚する前の私は精神的にも経済的にも安定していて、楽しく生きていたので「現状維持でも構わない」という気持ちがあったんです。悲観的に捉えていたわけではありませんが、結婚したら生活は“今まで通り”ってわけにはいかないわけじゃないですか。でも、実際に結婚生活を送る中で「あれ?意外と向いているんだな」と気づきましたね。

――なぜそう感じたのですか?

山﨑: これまでの恋愛だったら私、言いたいことを相手にそのまま伝えてしまっていたんですよ。でも、夫との関係性では、ちゃんと気を遣えています。

例えば物が出しっぱなしになっていたら、共同生活においては、片付けない人の方が悪いわけじゃないですか。昔だったら自分が常に正しいと思っていたので「なんで何回言っても直さないの?」と責めていました。でも、夫に対しては「どうしたら根本的に直せるんだろう」とか「嫌な気持ちにならないようにどう伝えよう」って考えて伝えられている。

夫が私に対してそういう姿勢なので、私も夫に対して同じように接するようになったのかな。お互いに思いやれている感じがあって、心地いいんですよね。

夫との関係性の中で自分が変化した部分もあるし、人として成熟した38歳というタイミングで結婚したのがよかった、とも思います。

――本のタイトルにもあるように、相手との関係や、タイミングがちょうどよかったのでしょうか。

山﨑: 妊活をしている今、周りからは「子どもを産むなら早いほうがいいよ」と言われるんです。たしかに、子どもができなかったら「もっと早く結婚していればよかった」と後悔する未来がくるかもしれない。でも実際にもっと早く結婚ができたかと言うと、多分できませんでした。私には、このタイミングしかなかった。今だから、平穏で幸せな関係が築けているんですよね。

お互いに不満がまったくないわけでもないけど、折り合いをつけながらやっていける。肩肘張らずに付き合えるし、何をしても受け入れてくれる安心感がある――。それは私にとって、まさに「ちょうどいい」関係でしたね。

29歳、周りがどんどん結婚していった

――「早く結婚しないといけない」と焦る女性も多くいますが、年を重ねてから結婚することのよさを感じているのですね。

山﨑: 昔は、「一生一緒にいるなら、お互い言いたいこと言って魂でぶつかり合おうぜ」って考えていたんですよ。だから何でもガミガミ言ってたし、結婚してもその関係のままだったと思います。

でも一生一緒にいる人って、言いたいことを全部伝えればいいってものではなくて。それが分かるまでに、私は人より時間がかかりました。そういうことが既にできる人であれば、結婚はもっと早くていいんじゃないかな。

――「30歳までに」と焦る人もいます。

山﨑: 私も29歳の時、周りがどんどん結婚していきましたね。元カレとよりを戻した子もいて、「そんなことある?」みたいな。元カレ相手だから結婚までのスピードも速いんですよ。「こんなにみんな駆け込むんだ」と、めちゃくちゃ焦りましたね。

でも、周りの子たちは普通に働いて稼げてるのに、私はまだお金もなかったし、芸人として売れてもなかった。結婚して仕事を頑張ってる人や、出産に向けて仕事を続けるか悩んでる人がいる中で、自分には本当に何もなかったんです。

すべてが不安定だったから、もはや何が不安なのか分からなくなっていました。

――その時の恋愛は、どんな感じだったのですか。

山﨑: 当時は精神的にも金銭的にも相手に頼りたかったですね。今までの恋愛って、本当に相手に依存しがちだったんですよ。
自分の仕事が不安定でお金がなかったから、収入が安定している人がいいと考えていたし、精神的にも支えてもらいたい気持ちがすごく強かった。

でも、自力で稼げるようになったし、社会的に評価されるようになったら自信もついてきて。自分の内面が変化した結果、まったく安定していない人と結婚しちゃいましたね(笑)。5歳下なので、言葉通り“支えてもらう”という感じはないけど、存在が支えになっています。

結婚適齢期の独身の人は減っていったけど、自分の心の弱さは自分で支えられるようになったので、許容範囲は昔より広がったような気がしますね。

本当に必要な条件は、行動すれば見えてくる

――条件重視で結婚相手を探す人も多くいますが、どう思いますか?

山﨑: 言葉はよくないですが、婚活における自分の価値を踏まえて、自分が相手に求めている条件が本当に必要なのか見直していくべきなんじゃないかな。それって行動しないと見えてこないと思うんです。

婚活をして結婚したなっちゃん(横澤夏子さん)は当初、身長180cm以上の男性を希望して高身長だけの婚活パーティーに行っていたらしいんですね。でもその中には面白い人が1人もいなかったそうで。自分が求めているのは“身長180cm以上”という条件じゃなくて、“一緒にいて楽しい人”だと気づいたと言っていました。

「身長180cmなくてもいいじゃん」と他人から言われても多分、すぐに受け入れられるものではありません。そういうこだわりって、本人にしかわからない複雑な事情もあります。

でも、なっちゃんのように、条件に合う人に実際に会ってみたら気付くことってたくさんあるはず。人のアドバイスを聞くよりも、まずは会ってみて、本当に必要な条件を洗い出してみるといいと思います。

厳しい現実というのは嫌でも見えてくるんですよ。結婚相談所って登録する時は「こっちが選ぶ」くらいの気持ちかもしれないけど、実際に始めてみるとお互いに選んだり、選ばれたりするわけで。不要な条件は捨てていかなければならなくなります。

――山﨑さん自身も、「できれば安定した職業の相手」と考えていたそうですが、実際に結婚した相手は芸人でした。

山﨑: 全然安定してないですよね。今は決まった同じ額を共同の財布に入れて生活のやりくりをしていて、お互いの収入については知らないんです。ただ金銭感覚は近いように思います。私も夫も一人っ子で、私の親は既に退職していますが、普通に働いていたし、夫のお父さんもまだ働いていらっしゃるから、生まれ育った環境が似ていて。親からの援助を受けているわけではありませんが、そのバックボーンに正直、安心感はあります。

今のところは、お金の面での不満や不安はありません。子どもができたら色々と変わるかもしれないけど、夫とはそういうことも話し合える関係性を築けていると感じています。なっちゃんにとっての“身長”と一緒で、“安定”というのは私の中で第一条件ではなかった。夫と付き合って気づきましたね。

「なんか幸せだな」が日常に普通にある

――山﨑さんの中で、条件以上に大事だと感じたことは何だったんでしょう。

山﨑: ちゃんと好意を持ってくれていると感じられることかな。
結婚してからも、「なんか幸せだな」って思うことが日常に、普通にあるんですよ。“自分を受け入れてくれることへの安心感”と言ったらいいのかな。

私ってもともと「私のこと好きな人のことが好き」と言っていて、その理由は「わがままが言えるから」というのが大きかったんです。過去の私は、相手が私を本当に好きか試したくて無理難題を突きつけたり、好き放題してみたりしていて。

でも、そんなことをしなくても、夫が私を好きでいてくれることが分かる。面倒くさいことをしなくてもよくなって、楽にいられるようになりましたね。 

相席スタート・山崎ケイ「私が“ちょうどいいブス”を使っている理由」 山﨑ケイさん「誰一人傷つかない発信って難しい」 容姿いじりネタに思うこと

●山﨑ケイさんのプロフィール

1982年、千葉県生まれ。NSC東京校13期生。2013年に相方の山添寛とコンビ「相席スタート」を結成。2016年M-1グランプリファイナリスト。ルミネtheよしもとなどで活動しているほか、「ザ・ラジオショー」(ニッポン放送)のラジオパートナーも務める。著書に『ちょうどいいブスのススメ』(2018年、主婦の友社)など。

●『ちょうどいい結婚のカタチ』

著者:山﨑ケイ
発行:ヨシモトブックス
価格:1,400円(税抜き)

1989年、東京生まれ。2013年に入社後、記者・紙面編集者・telling,編集部を経て2022年4月から看護学生。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理、銭湯。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
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