まだまだ語りたい『アバランチ』綾野剛が天使にみえた!続編&映画化希望です

綾野剛主演『アバランチ』。なぜか敵側に回っていた藤田(駿河太郎)だが、羽生(綾野剛)の命は奪わなかった。内閣官房副長官・大山(渡部篤郎)の策略によって、国民からテロリスト集団と貶められたアバランチの雪辱は果たされるのか? 羽生の決死の行動が、最後に本物のアバランチ(雪崩)を起こした最終回。

人間は善にも悪にもなる

3年前、公安の藤田(駿河太郎)は当時の警察庁警備局長で内閣官房副長官の大山(渡部篤郎)から偽装テロの計画を知らされ「君はただ部下が敵陣に向かうのを見守ればいい」と言われていた。
命を受けて部下と共に敵陣に乗り込んだ藤田だったが、同僚の羽生(綾野剛)を実際に守った。
その藤田はテロの犠牲になったと思われていた。

そして今、生きて大山の配下(極東リサーチ)として現れた藤田に向かって羽生は叫ぶ。

「大山の命令でこんなことやってんすよね。死んでいった仲間のためにも、もう引けねぇなんて思ってんだったらまだ間に合いますよ。
目ぇ覚ませよ、藤田ー!」

そんな羽生に発砲する藤田。
俺たちの羽生ちゃんになんちゅうことするんだ……と絶望しかけたが、藤田はうまく急所を外してくれていた。

人間は善にも悪にもなる。

第3話~4話に登場した黄月蘭子(国生さゆり)も最初は、経営する高級会員制サロン「悠源館」を「この国の未来をみんなが議論する場所」にしようとしていた。第1話で爆弾のスイッチを押したアルベルト・ガルシア(フェルナンデス直行)は第6話で羽生に「ゴメンナサイ」と詫び協力を申し出た。
藤田というのはそんな人間のアンビバレントな部分を最も体現した登場人物だった。元の綺麗な顔と火傷を負った顔。善と悪、ふたつの顔を同時に持つ。

綾野剛の鬼気迫る目ヂカラ

アバランチを指揮する特別犯罪対策企画室長の山守(木村佳乃)は、みんなの命を守るため大山側につく。

そしてリナ(高橋メアリージュン)と牧原(千葉雄大)は警察へ出頭。
羽生はあのマスクをつけて郷原総理(利重剛)のもとへ向かう。

「羽生ちゃん、またね」
「ああ、またな」(ピース)
「だっさ!」(ピース)

別れ際のいつものノリが逆に胸を締め付ける。死も覚悟の羽生、最後の作戦。

別れ際のいつものノリ、切ない

総理に近づく羽生。
大山の命令で総理の警備に当たっていた藤田が再び羽生に銃を向ける。
羽生が手を上げる。大きく広げた手が背景の青空も相まり、美しくて、大天使の絵画のよう。

藤田はゆっくり銃を下ろした。
しかしその瞬間、極東リサーチが狙撃。藤田も想定していなかった様子だ。
藤田は急所を外して撃つだろうと羽生は読んでいたのかもしれない。

血を吐き、這いつくばりながら総理を見上げる羽生。(綾野剛の鬼気迫る目ヂカラ、凄すぎ!)
総理は羽生を気にしつつも、警備に促されるがまま退場。やっぱダメ総理だったかぁ。

大天使のようだった

雪崩(アバランチ)が起きた!

「爆破テロに加えて総理暗殺まで企ててくれるとはね。今や世論はアバランチへの恐怖と敵意一色だ。おかげで対テロ法案の成立もスムーズにいきそうだよ」
大山は満足気だ。しかし
「礼には及びません。ここからが雪崩の始まりですから」
ここまで鉄仮面のようだった山守がニヤァと笑う。

わわ、わ! キタキタキタキタ!!
国民の注目を最大限アバランチに向けたタイミングで雪崩が起きていく。

西城(福士蒼汰)の父である神奈川県警刑事部長(飯田基祐)が会見を開き、極東リサーチに武器を横流ししていたことを告白。
これを受け、一連の事件を追っていた雑誌記者の遠山(田島亮)が「毎朝ジャーナル」で「アバランチ驚愕の真実」というスクープ記事を出す。
商業施設で爆弾を抱え「早く逃げろ」と避難を促すウチさん(田中要次)の映像も世間に広まり、今までアバランチをテロリストだと非難していた世間の声がひっくり返り始める。
「これって本当にテロリスト?」「完全に助けてるじゃん」「ありがとうアバランチ」
新聞も動いた。一面に「爆破テロ事件誤認逮捕か?」の文字。

しかし大山は「こんなものは雑音です」と余裕ぶっていた。これまでと同じように、世論は操れると信じていたのだろう。

しかしここで郷原総理が動いた(ダメ総理なんて思ってすまんかった)!
総理が大山の更迭を発表したのだ。

総理はアバランチのことを直接聞くために羽生の病室を訪ねていた。
「国民の話を聞くのが総理の役目だからね」
誘拐されたこと(第7話)の真相がわかって羽生への信頼につながったのだろう。ウチさんが作ったカメラ付きペンダントの映像も証拠となった。

「テロリストに耳を傾けるおつもりですか」と抗議する大山に総理が返す。
「国民は彼らを信じようとしている。私も同じ気持ち。総理は国民の声なんて聞かないもんだと思ってた?」
思ってた!総理は国民の声なんて聞かないって私もいつの間にか思い込んでいた。なんでだろう~。

アバランチからのメッセージ

数週間後、羽生は病室から抜け出す。大山が失脚した今、危険はないはず。組織に所属せず自由な立場を選んだという事か。
藤田もあれから行方が分からないという。ラストカットは火傷のないほうの顔で穏やかな表情だったことを思うと、藤田もようやく自由になれたのだと思いたい。
続編や映画化も期待できそうなラストだった。期待しちゃうからね!

また、雪崩を起こしたのはアバランチのメンバーだけではないところに込められた思いを感じた。
西城の父、雑誌記者、総理、国民の声(国民の声に関してはメディアの情報に踊らされる危うさも描かれつつ)。
正義を信じたい人たちの思いが雪崩を起こしたのだ。

山守「アバランチとは私たちと同じこの国に住む名もなき人間たちです」
リナ「長いこと私たちは行動することを忘れてたんだと思います。自分が動いても何も変わらないって」
牧原「きっと小さな動きがやがて大きな動きとなるはず」

まともな世の中であってほしい、隠蔽や不正は無くなってほしい。なんか最近麻痺していたけど、これって当たり前に持っていい希望。
当たり前の希望のために、私でもできる小さな行動を、少しづつ。

最後に役名の由来を考えてみました

今夜最終回『アバランチ』死んだはずの藤田が!走れ西城、正義を信じて

『アバランチ』

カンテレ・フジテレビ系 毎週月曜よる10時~
出演:綾野剛、木村佳乃、福士蒼汰、高橋メアリージュン、田中要次、千葉雄大、渡部篤郎、利重剛、堀田茜、板尾創路、安井順平、磯村勇斗 ほか
監督:藤井道人(映画「ヤクザと家族 The Family」映画「新聞記者」)、三宅喜重(カンテレ)、山口健人
脚本:丸茂周(第一話)
音楽:堤 裕介
主題歌:UVERworld
プロデュース:安藤和久(カンテレ)、岡光寛子(カンテレ)、笠置高弘(トライストーン・ピクチャーズ)演弘大 (トライストーン・ピクチャーズ)
制作:カンテレ、トライストーン・ピクチャーズ
フリーイラストレーター。ドラマ・バラエティなどテレビ番組のイラストレビューの他、和文化に関する記事制作・編集も行う。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身、東京在住。
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