綾野剛×藤井道人『アバランチ』こんな綾野剛が見たかった!1話を振り返る

綾野剛主演『アバランチ」。雪崩という意味を持つ、謎の集団「アバランチ」とは……?警視庁捜査一課から左遷された西城英輔(福士蒼汰)は、地下室に設けられた新たな配属先「特別犯罪対策企画室」を訪ねます。そこにいるのは、室長・山守美智代(木村佳乃)ただ一人。しかし山守の一声で、警察官ではない謎の男女5人が捜査を始めて……。
綾野剛×藤井道人『アバランチ』2話。千葉雄大の魅力爆発を振り返る

月曜夜10時スタート『アバランチ』。
映像がなんだか映画っぽい、と思ったら綾野剛主演の映画「ヤクザと家族The Family」の映画監督・藤井道人がチーフ監督としてこのドラマに参加しているそうだ。

「ヤクザと家族 The Family」で幅広い年齢を演じ、さまざまな表情を見せた綾野剛。あの映画を見た時「カッコイイ!こんな綾野剛が見たかったんす!」と映画館でふるふる感激したのだが、その感動再び。こんな綾野剛がドラマでも見たかったんす!

アバランチ、始動

警視庁捜査一課から左遷された西城英輔(福士蒼汰)。新しい配属先は地下室にポツンと設けられた「特別犯罪対策企画室」。反射的に『ショムニ』を思い出したが、そこにいたのは江角マキコでも猫を抱いた森本レオでもなく山守美智代(木村佳乃)だった。彼女に連れられ西城はある雑居ビルへと向かう。

雑居ビルにいたのは、羽生誠一(綾野剛)、牧原大志(千葉雄大)、明石リナ(高橋メアリージュン)、打本鉄治(田中要次)。
山守が彼らに失踪事件の捜査を依頼する。
「じゃよろしくね。ここから始まるの」

西城が警察じゃない人間が捜査をするなんて、と疑問を投げかける。
「警察が頼りにならない、信用できない、それどころか証拠を隠蔽しようとする者までいる。そんな時はどうしたらいい? 誰かがやらなきゃいけない。俺たちが相手にしてるのはそういう相手だ」と羽生。

こうして物語は動き出す。権力者のバカ息子として『ヤクザと家族 The Family』で綾野剛と共演した磯村勇人が登場!瓶で殴りかかるアクションのかっこいいこと……
さらにヤクザ事務所に乗り込むシーンでは主に羽生とリナのふたりだけでヤクザたちをバッタバッタと倒していく。日本刀の相手をボールペンで倒しちゃう羽生、さすがに強すぎない?いや、こういう過剰なかっこよさ、大好物だけども。

事件の真相はこうだった。総理大臣のご友人・六車泰次郎(板尾創路)が自分の利益のためにプロジェクトの主要人物をヤクザを使って拉致監禁。六車は内閣官房副長官・大山(渡部篤郎)とも交流があり、これまで自分の息子(磯村優斗)が起こした数々の事件を揉み消してもらったりもしていた。
“演劇は時代を映す鏡”なんて言葉もあるけど、こういうことありそうと思わせてしまうこの時代ってなんだかなぁ。

六車の罪を世界に生配信することで私刑をくだし、自分たちの存在もはっきり世に示したアバランチ。アバランチとは「雪崩」という意味らしい。ここから雪崩のようにさまざまな巨悪が暴かれていく……ということだろう。

登場人物は謎だらけ

現時点で正体がはっきりしているのは西城英輔(福士蒼汰)だけ。

・羽生誠一(綾野剛)
ドラマ冒頭は羽生の過去。刑事をやっていて、捜査中に仲間(駿河太郎)を失った?
ヤクザをボールペン一本で制圧するあたりただの元刑事ではなさそう。
全世界に向けた生配信でマスクありとはいえ顔出しして大丈夫か?と思った。しかし自分たちの存在を世に示すリスクは承知の上だろう。山守が言っていた「羽生は誰でもない。誰でもないし、何者にもなれない男」の意味は戸籍が無いという意味だろうか。

・山守美智代(木村佳乃)
地下の特別犯罪対策企画室にわざわざやってきた大山「もし君が生き方を変えるならいつでも内調に戻ってもらう用意はあるんだがね」。内調(内閣情報調査室)に居たが何らかの事情で飛ばされた様子。
ラストで「まだまだこれからです」と誰かに電話していたが、もしかしてアバランチの大ボス?それとも出資者か(アバランチの収入源も謎)。

・西城英輔(福士蒼汰)
27歳、巡査部長。柔道二段。父親は神奈川県警の刑事部部長。捜査畑のエリートだった。しかし上司を殴ったことから左遷。殴った理由は上司が轢き逃げ事件を揉み消そうとしていたのが許せなかったから。

・明石リナ(高橋メアリージュン)
元コヨーテ、自衛隊の特殊工作部隊でレンジャー。

・打本鉄治(田中要次)
登場シーンは役所らしき場所で子供に囲まれおもちゃを直していた。普通の勤め人?
部下だった男が息子の事件を担当していたり、ヤクザ事務所に来たことがあることから推測するに元刑事(マル暴)か。

・牧原大志(千葉雄大)
天才ハッカー。TVerで観てると千葉雄大出演のCMがやたら流れて脳が混乱したがもちろん学研「勉強くん」とは別人物である。

2話で、誰の何がわかるのだろう!楽しみだ。

綾野剛×藤井道人『アバランチ』2話。千葉雄大の魅力爆発を振り返る

『アバランチ』

カンテレ・フジテレビ系 毎週月曜よる10時~
出演:綾野剛、木村佳乃、福士蒼汰、高橋メアリージュン、田中要次、千葉雄大、渡部篤郎、利重剛、堀田茜、板尾創路、安井順平、磯村勇斗 ほか
監督:藤井道人(映画「ヤクザと家族 The Family」映画「新聞記者」)、三宅喜重(カンテレ)、山口健人
脚本:丸茂周(第一話)
音楽:堤 裕介
主題歌:UVERworld
プロデュース:安藤和久(カンテレ)、岡光寛子(カンテレ)、笠置高弘(トライストーン・ピクチャーズ)演弘大 (トライストーン・ピクチャーズ)
制作:カンテレ、トライストーン・ピクチャーズ
フリーイラストレーター。ドラマ・バラエティなどテレビ番組のイラストレビューの他、和文化に関する記事制作・編集も行う。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身、東京在住。
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