宇垣美里さん「結婚という形に、こだわりはありません」理想のタイプは“おだやかな人”

昨年3月にTBSを退社し、現在はフリーアナウンサーとして活躍する宇垣美里さんは、モデル、ラジオパーソナリティ、エッセイストなどとしても活躍しています。そんな宇垣さんに、結婚観について尋ねてみたところ、「結婚という形にこだわりはない」との答えが。そのわけは?

“べき論”は呪いと一緒。他人の発言に左右される必要はない

――現在29歳ですが、30代になることへはいかがお感じですか?

宇垣美里さん(以下、宇垣) :1年くらいで何も変わらないと思うんですけど、先輩や仕事でお会いした年上の方はみんな「30歳になったらめちゃくちゃ楽になるよ」とか「40歳になったらもっと楽しい」と仰っていて。30代になったら楽しいんだろうなって思っています。私もそういう背中を後輩に見せられる人でありたいですね。だから30歳になるのが怖いとか、考えたことがありません。

――20代後半の女性はライフステージの変化もあって、年齢を気にする人もいるようです。宇垣さんは年齢にとらわれることはありますか?

宇垣 :全然考えたことがないです。私の周りには「30歳だからこうあるべきだ」とか言う人は本当にいないんですよね。結局周りの人って自分が選んでいるわけじゃないですか。だから、変なこと言われないのって、すごくいいですよね。

――「女性は30歳までに結婚しろ」といった、価値観を押しつけられるようなことを言われたら、どう思いますか?

宇垣 :昔の自分だったら「おかしいでしょ」って言ってましたが、いまは「ふーん、そういう感じなんだ」としか思わないかな。性別とか年齢とか、その人にはどうにもできないもので何かを制限するって、とても浅薄な思想だと思うので。他人の発言に左右される必要はないし、「“べき論”にとらわれて生きていくのって大変そうやな。」って思うだけ。
「こうあるべき」みたいなのは呪いと一緒だし、かかるのが悔しい。そんなの無視無視!(笑)

それぞれ勝手に好きなことができる関係が理想

――以前、「結婚願望はあるけど死ぬまで働きたい」とお話されていました。理想の結婚生活というのがあれば、教えてください。

宇垣 :「死ぬまで働きたい」というのは、自分の家族がずっと仕事をしてきたからだと思うんです。それが当たり前だと思っているし、生きている限り、何かをしていたいし、日々学んでいたい。
結婚願望については、一生一人の人と一緒にいられるのはすごく素敵なことだと思うけれど、「結婚」という形にこだわってないんです。紙の届け出を大事にするのも一つの考えだと思いますが、私個人としては届け出ることで何かが変わるとは思っていなくて。だから将来結婚するかどうかは、わからないですね。
ただ、そういう風にずっと一緒にいたい人がいた場合の理想はあります。私は私、相手は相手でそれぞれ勝手に好きなことをしていて、ふと振り返った時に同じ歩幅で歩いているような関係がいいですね。

――理想はどんな人でしょう?

宇垣 :一人でも楽しく生きられる人ですね。「仕事辞めてほしい」とか「結婚したらこういうメイクはしないで」とか、何かを制限をしてくる人とは一緒にいられないし、ノーサンキューってなっちゃいます。私が何か勝手にやっていても、放っといてくれる人がいい。あとは、大きい声があまり得意じゃないので、淡々と話す人。私が非常に激しい性格なので(笑)、相手は穏やかじゃないとやっていけないと思います。

フリー転身から1年半。仕事の幅が広がった

――昨年春にTBSを退社し、フリーになられました。どのような変化を感じていますか?

宇垣 :今回のように本を出したり、本の中で商品名を出してお勧めしたりするのは、会社員だったらできませんでした。当時は映画や漫画についてのコラムとかもダメでしたね。自分の好きなものを人に話すのが好きなので、できることの幅は広がったと感じています。
あとは、仕事をする場所やご一緒する人たちも毎日違って、状況がころころ変わるのがとても刺激的で楽しいです。
その一方、以前は当たり前にアナウンス部に行って同じ仕事をしている同僚がいましたが、いまはいません。当時の先輩や同期とは今でも仲良くしていますが、同じ仕事をしているわけじゃないから、前とは違いますね。帰る“巣”みたいなものはなくなったかもしれませんね。

――本当に色々なお仕事をされていますが、ご自身のいまの肩書は?

宇垣 :いっぱいありすぎて、よくわかんないなって私も思ってるんです。モデルもしていればタレント的なこともしているし、アナウンサーもやっています。エッセイストでもありコラムニストでもあるし、書評家もしていて・・・何なんでしょうね(笑)。「これが私の肩書だ」ってものは、まだ見つけられていないけれど、いつか言葉にできたらいいな。

「独身だから何?」同世代にはもっと謳歌してほしい

――telling,は30代前後の女性が読んでいるメディアです。同世代の女性に向けて、メッセージを頂けないでしょうか。

宇垣 :世界ってどんどん良くなってると思います。昭和より平成の方がいいし、平成よりも令和の方が絶対にいい。女性には参政権もなかったし、腰掛けの仕事しかないときもあった。でもいまの私たちは働けて、ものが言えて、「独身だから何?」って言える。すごくいい時代だなって思います。それを謳歌したいし、もっといいかたちで次の世代にバトンをつなぎたい。
それに、30代くらいの女性って最高だと思うんです。仕事もある程度わかってきて、やりたいようにバランスがとれて、自分で稼いできたという自負もある。独身ならそれを謳歌たらいいし、同世代の女性には全員、変な呪いは突っぱねて生きていける時代にやっとなったよ、ハッピーだね!と伝えたいですね。

●宇垣美里さんのプロフィール
1991年、兵庫県生まれ。2014年にTBSに入社し、数々の人気番組に出演。2019年3月にTBSを退社し、現在はフリーで活動中。テレビや雑誌、「ミュゼプラチナム」など多数のCM出演、ラジオパーソナリティの他、執筆業も行うなど幅広く活躍中。

●『宇垣美里のコスメ愛 BEAUTY BOOK』

著者:宇垣美里
発行:小学館
価格:1,500円(税抜き)

衣装協力:ロングジレ (レリアン〈ランバン オン ブルー〉)/イヤリング、イヤカフ、リング (ジュエッテ)

1989年、東京生まれ。2013年に入社後、記者・紙面編集者・telling,編集部を経て2022年4月から看護学生。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理、銭湯。
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。 コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。
“29歳問題”