松岡茉優×三浦春馬「おカネの切れ目が恋のはじまり」2話。好きな人へ貢ぐのは投資か浪費か

松岡茉優と三浦春馬の共演で第1回から話題の「おカネの切れ目が恋のはじまり」。おもちゃ会社の御曹司だが父に見放された男と、清貧をめざすも好きな人にはタガが外れてしまう女。2話で2人の関係はどうなっていくでしょうか?

おこづかい帳をつけはじめたのに、手取り38万を1週間たたずに使い切ってしまう猿渡慶太(三浦春馬)。九鬼玲子(松岡茉優)は、お金の使い方には消費、浪費、投資の3種類があり、慶太の使い道はほぼ浪費だと指摘する。玲子が早乙女(三浦翔平)に一方的にプレゼントを渡しまくる姿を見ていた慶太は、玲子の恋愛の「ノーリターン」ぶりについて触れ、「ひと肌脱ぐ」と言い出す。

慶太の贅沢を全て浪費と斬って捨てつつ、自分は早乙女にプレゼントをしまくる玲子の矛盾はそのまま、お金の難しさを表している。人によって大切なものの価値は違って、他人から浪費と見えても本人にとっては消費や投資でしかないということが、この世の中にはあるのだ。

恋愛における投資と浪費

今回は1時間の間に、いくつもの恋が描かれた。早乙女に15年片思いしている玲子。元カノ・まりあ(星蘭ひとみ)に未練が残りまくりの慶太。まりあは婚約相手の実業家・山鹿(梶裕貴)に尽くしている。二人で貯めていた映画館のポイントを勝手に使う恋人に「本当にこの女に投資していいのか?」と悩む営業部の板垣(北村匠海)は、玲子に心惹かれるように……。

板垣は玲子と話して、「僕が老後2000万円を貯めたいのはこの人だ」という形容で自分の思いに気づく(このシーンでさらりと軽減税率があることによるややこしさを描いているところもいい)。そしてまりあは、3年間の“投資”が“浪費”になるのが惜しくて、自分を見てくれていない山鹿に執着する。遠くから早乙女を見つめ、「この距離でいい」と語る玲子は、まるでアイドルを見守るファンのようだ。

慶太に厳しくしようとする父(草刈正雄)と、いつまでも甘い母(キムラ緑子)の関係性もひとつの形だ。慶太への援助を咎められた途端、自分の父である先代の社長の肖像画に大声で泣きつく母。この夫婦も、おそらくおカネの絡む、互いに相容れない問題を抱えている。

似たところのある慶太と玲子のまなざし

慶太は「見ている人」だ。玲子の早乙女へのまなざし。山鹿には気付かれないまりあの献身。さらに、父が山鹿に乗せられ大きなプロジェクトを進めようとしている姿を見て、違う案を提出することでそれを止めようともしていた。
一方の玲子も、慶太とまりあの様子に気づいたり、まりあが実はテニスが得意なのにも関わらず、山鹿を立てるためにできない振りをしていたことを見抜いたりしている。お金については正反対で、相容れないように見える二人。けれどもたぶん他者へのまなざしが似ているのだろう。今回のラストで慶太は早乙女が玲子を誘う姿を見守る。

一度玲子の怒りを買ってしまい、「仲直りしたい」と慶太が猿を描いた小皿は渡されないまま、ポケットにしまわれた。この小皿が彼女の手に渡ることはあるだろうか。そしてどうやら家庭を持っているらしい早乙女と玲子との関係はどうなるのか。第3話は今夜。

(C)TBS

ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。
イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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