「半沢直樹」6話。小料理屋の女将(井川遥)は何者?オリジナルキャラが怪しすぎる

「倍返しだ!」で一世を風靡した、超硬派お仕事ドラマ「半沢直樹」が7年ぶりに日曜夜に帰ってきた!半沢が東京中央銀行から子会社の東京セントラル証券へ出向した「セントラル出向編」が終わり、5話からは「帝国航空編」がスタート。そろそろクライマックスを感じるようになってきた6話は、白井大臣(江口のりこ)の嫌がらせに、金融庁の黒崎(片岡愛之助)も襲来。原作にはいない小料理屋の女将・智美(井川遙)も怪しい!

「半沢直樹」第6話は、タスクフォースとの戦いに突入。白井大臣(江口のりこ)も本格的な嫌がらせを仕掛けてくるなど、クライマックスに近づいてきた感。それにしても、小料理屋の女将・智美(井川遥)が怪しい。

今度こそ、絶体絶命のピンチ

半沢(堺雅人)が打ち出した再建案により、帝国航空は1万人の人員整理を迫られていた。しかし、整備士ら専門職の社員たちは、異業種への転職を拒否。財務部長の山久登(石黒賢)は、日に日に疲弊していった。そんな中、半沢が乃原(筒井道隆)に無礼な態度をとったことから、国土交通大臣の白井が自ら東京中央銀行に乗り込んでくる。

「債権放棄じゃ、ダメなんですか?」

過去に「半沢直樹」で“絶体絶命”の煽りは何度も見てきたが、今度こそは絶体絶命。雲上人のようだった中野渡頭取(北大路欣也)すらも、どこかで聞いたようなセリフを吐く白井大臣に押され気味。これまでが所詮“銀行内部の争い”だったことがわかる。敵は、国なのだ。

「君が謝らなかったのはある意味で正しい。そして、謝った紀本常務(段田安則)もある意味正しい」

目の敵にしてきた半沢に、大和田(香川照之)がまともな発言。こんなシーンからも、いかに銀行がピンチなのかが伝わる。「銀行沈ッッ没!!」「頭取も沈ッッ没!」も、インパクトがありすぎてだいぶぼやけてはいるが、大和田の真摯な思いからくるセリフだ。

好かれすぎた半沢

「ファイト、満々よ!」

進政党の幹事長・箕部(柄本明)の差金により、金融庁の黒崎(片岡愛之助)が襲来。やる気のなかった黒崎だったが、好きな子をイジメたいという心理なのだろうか、半沢の姿を見ると一気にいつものテンションに。また、テンションが低い黒崎は、オネエ言葉ではなく、普通の話し方をすることが発覚する。黒崎の普段の感じが気になる。

いつもの調子に戻った黒崎は、過去の帝国航空の再建案の数字にズレがあることを発見。これにより、東京中央銀行は業務改善命令を受けてしまう。皮肉なことに、半沢が好かれすぎたことによる業務改善命令とも言える。

大和田が胡散臭くて可愛い

この業務改善命令劇には、審査部次長・曾根崎(佃典彦)の暗躍があった。行内にいる政府と繋がった裏切り者に操られ、改ざんしたのだ。

黒幕として怪しまれているのが、大和田と紀本常務の2人。と言っても、大和田がこんなところでヘマをするわけもないし、紀本常務は曾根崎と同じ審査部出身、それに「今政府に逆らうのは得策ではない」など所々でタスクフォースを受け入れようとする発言を繰り返している。また、ストーリー的にも大和田はここで脱落させてはもったいないキャラクターなので、犯人は紀本常務で間違いない。この2択は単なる演出で、おそらく制作陣としても裏をかく算段ではないはずだ。

なのに、大和田がどうしても怪しく見えてしまって可愛い。

「担当役員がどうのこうのと言っていたが、私はまっったくそんな覚えはありませんヨォ??」

曽根崎を真剣に追い詰める大和田、だが、キャラクターの性質上どうしても言い回しが白々しい。何かを企みながらもシラを切るシーンで大和田は、あえて丁寧な言葉を使ったりして相手を挑発してきた。それが裏目に出て、真面目に言ってても胡散臭い。一生懸命、原因究明について頭を悩ましているだけで、悪巧みしているように見えてしまう。せっかく良いことをしていても、勘違いでアンパンマンに追い払われてしまうバイキンマンみたいだ。

井川遥は何者?

半沢が行きつけの小料理屋の女将・智美、原作には登場しない彼女は、新シリーズが始まって以来ずっと怪しい素振りを見せている。たびたび智美は半沢たちの話を盗み聞きしており、第2話では大和田と伊佐山(市川猿之助)の名前が出たところで顔色を変えている。また、5話では紀本の名前を聞いて食器を落とすシーンも描かれている。

智美は、東京中央銀行の株主だ。これらのことから、銀行の誰かと繋がっている可能性は高い。今回、名刺が登場して初めて「新山智美」というフルネームが明らかになったが、公式ホームページでは唯一「智美」と名前だけしか記載されていない。ここら辺も何か理由がありそうだ。

名刺と言えば、半沢の妻・花(上戸彩)が半沢の上着から智美の名刺を発見するシーンも気になる。一見、花が半沢の浮気を疑うシーンに見えるが、花と半沢の信頼関係は厚い。このシーンは「花が浮気を疑った」ではなく、「花が智美の名前を覚えた」シーンなのではないだろうか?

推測は飛躍するが、智美が働く「上越やすだ」は、もうすぐ5周年のパーティを開く。そして、花はフラワーアレンジメントの先生。花は「上越やすだ」のパーティのお祝い花に関わるのだ。そこで、智美と東京中央銀行の誰かの名前、もしくは政府の誰かの名前を発見し、繋がりを半沢に伝えるのだ。

では、智美は誰と繋がっているのだろうか? 普通に考えれば紀本なのだが、「セントラル出向編」で黒幕を演じた三笠副頭取(古田新太)も怪しい。三笠は、電脳から受け取った不正な金を「奥さんが経営する飲食店の改装費」に充てていたことがわかっている。名字が違うことから、元妻なのか、それとも仕事の時は旧姓というこだわりがあるのか、これが智美である可能性は十分にあり得る。

原作にはいないオリジナルキャラの智美が、鍵を握っていそうだ。

 

企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。
イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。
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