中島健人×平野紫耀「未満警察 ミッドナイトランナー」8話。どんどんバカになっていく犯人&被害者。スコップ男だけは賢いといいな

ダブル主演のSexy Zone中島健人、King & Prince平野紫耀がかわいいと話題のドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』。警察官を目指す警察学校の生徒、警察未満の2人が難事件に挑みます。警察官ふたりが殺害されて拳銃が奪われるという物騒な事件からアポ電強盗、その復讐とどんどん手口が雑になっていく展開。これはスコップ事件男の箸休め的なエピソード?!

中島健人&平野紫耀主演『未満警察 ミッドナイトランナー』第8話。前回までのスコップ男事件はひとまず置いといて、今回はいきなり警察官ふたりが殺害されて拳銃が奪われるという物騒な事件からスタート。
手口は、道に倒れて待機し、心配して声をかけてきた警察官をナイフでぶっ刺して拳銃を奪い、射殺するというもの。……こんな作戦、上手くいくか!? しかも警察官はふたりいるのに!
その後の事件も、すべてがこんな感じで雑な展開続きだった。

殺すこと前提という恐ろしいアポ電強盗

警察学校の生徒・本間快(中島健人)と一ノ瀬次郎(平野紫耀)の交番実務実習がスタート。しかし早々に、その交番によくやってくる老女・野々村玲子(銀粉蝶)の家でアポ電強盗事件が発生する。当然、犯人は警察官を殺害し拳銃を奪った連中なのだが、その手口は信じられないくらい雑!

事前に玲子の家へ電話をかけ、大金を持っていることを確認したのまではよかったものの、せっかく警察官のコスプレをバッチリ決めて玲子宅を訪れたのに、玄関のドアを開けてたらソッコー拳銃を突きつけてバーン! もはやアポ電強盗でもなんでもなく、単なる殺人鬼じゃん(ギリギリ生きてたけど)!

電話で「300万円ある」と言っていた玲子の発言は、騙された振りをして警察に通報するためのブラフだったようで、家中を探し回っても金は見つからない。イライラした犯人は玲子を脅すため、またしてもバーン! 『天才バカボン』のおまわりさん並に気軽に銃をぶっ放しちゃう犯人だ。

日本の警察が使用するリボルバー「SAKURA M360J」は装弾数が5発(通常、予備の弾は持ち歩かない)。2丁奪っているので計10発となるが、警察官2名を射殺した時点で2発、別の強盗事件で被害者を射殺した際に2発、野々村玲子を撃って1発、脅しのためにさらにもう1発撃っている。残り4発しかないんだから、ムダ撃ちするんじゃないよ……。

結局、金は見つからず、玲子を撃っただけですごすごと退散した犯人たちだったが、玲子がまだ生きており(これは分かってたはずだけど……)、しかも家には引きこもりの息子がいて犯行を目撃されていたと報道され、半グレ集団だか暴力団だかのボス(般若)は激怒り。ふたりをキッチリ殺害するように指示する。

アポ電強盗って、被害者を皆殺しにするタイプの犯罪だったっけ!? そんなに顔バレを恐れるならアポ電強盗じゃなくて、受け子を雇って普通のオレオレ詐欺をやればいいのに。……というか、人を殺すの前提だったらもう銀行強盗でよくない?

復讐のために拳銃奪おう! ……って何それ

殺人鬼なのか、単なるバカなのかよく分からない犯人グループもヤバイが、事件を目撃していた息子・晴至はさらにヤバかった。母親が撃たれたことを知って警察に通報し、コッソリと犯人グループの顔写真を撮影したところまでは非常にクレバーだったのに、なぜか通報を受けてやってきた警察には情報を提供しないで、自ら復讐しようとするのだ。
母親を助けられなかったことを悔やんでいるのかも知れないけど、それにしても拳銃で武装した犯人グループのところへ復讐しに行こうとする!?
それだけ母親への愛が深いのか、それとも長年引きこもってゲームをやり過ぎてたせいで、少々アレな感じになっちゃってるのか……。

晴至は犯行時に隠し録りした顔写真を元に、犯人のSNSアカウントを突き止め、何だかんだで居場所を特定。とはいっても腕っ節では勝てそうにないから……警察官を襲って拳銃奪おう! いや、何でそうなる。

別の交番で実務実習中だった黒岩(葉山奨之)を襲って拳銃をゲット。実習生とはいえ、10年振りに家から出た引きこもりに、アッサリ拳銃を奪われてしまう黒岩、弱すぎるだろう。
カイくん&ジロちゃんが、晴至の復讐に気付いたのは、大量に自室に残された犯人情報の紙。今時、地図やSNSの書き込みをいちいちプリントアウトする!? 引きこもってゲームばっかりやっているわりに、意外とデジタル慣れしていないのか?

スコップ男くらいは賢くあって欲しい……

結局、冴え渡るカイくんのプロファイリングのおかげで野々村母子が殺害されるのは防げたものの、黒岩を襲って拳銃を奪った晴至がおとがめナシなんてことにはなるはずもなく、公務執行妨害でお縄に。
前回から引き続き、被害者の家族が逮捕されてしまうモヤモヤする結末となった。
犯行の手口も、晴至の復讐も「なんじゃそりゃ!?」という展開の連続で、逆に何かの伏線なんじゃないかと勘ぐってしまったが、特にそんな様子もナシ。スコップ事件男の箸休め的なエピソードと考えれば許せ……るか!?

ラストは再びスコップ男事件に。

カイくん&ジロちゃんが住む寮の窓に、スプレーで書かれた「スコップ男の事件から手を引け」の文字が。
おそらく窓の外から書かれたと思われるが、左右逆に文字を書くの上手過ぎ。水森亜土かよ! ……と思ったけど、この際それは置いておこう。
逃げていったレインコートの男は、普段からなにかとカイくん&ジロちゃんのことを気にかけてきた刑事・柳田晋平(原田泰造)。

「スコップ男=柳田」とにおわせる流れだけど、さすがにそうなると、これまでの行動と整合性が取れなそうだが……!?

最終回に向け、いよいよスコップ男との直接対決となりそうだが、ここのところ、犯人も被害者もバカな行動ばかり取ってわけの分からない展開となっている。せめてスコップ男だけは賢いキャラであることを願いたい!

1975年群馬生まれ。各種面白記事でインターネットのみなさんのご機嫌をうかがうライター&イラストレーター。藤子・F・不二雄先生に憧れすぎています。
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