中島健人×平野紫耀「未満警察 ミッドナイトランナー」7話。いろいろとバカな警察上層部におバカふたり組が挑む

ダブル主演のSexy Zone中島健人、King & Prince平野紫耀がかわいいと話題のドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』。警察官を目指す警察学校の生徒、警察未満の2人が難事件に挑みます。今回は前回から引き続き、警察学校の立てこもり事件。犯人も警察も行動が雑すぎて、カイくん&ジロちゃんがまともに見える?!

新章「逆襲篇」スタートで急展開する『未満警察 ミッドナイトランナー』第7話。前回から引き続き、警察学校の教室で起こった立てこもり事件。

犯人の天満直子(長谷川京子)と弟・智也(柿澤勇人)の要求は、9年前に起こった“スコップ男”による連続殺人事件の犯人として死刑判決を言い渡されている父・天満暁生(佐戸井けん太)の無実を証明すること。人質となっていた本間快(中島健人)と一ノ瀬次郎(平野紫耀)はこの姉弟の証言を信じ、スコップ男事件の真犯人を捕まえるために動き出す。

ジロちゃんは教室から解放され、天満暁生のアリバイを証明する証拠品を持っている“ムラタミキ”なる人物に会いに行くことに。カイくんは人質交換で教室にやってきた警察学校の教官・片野坂譲(伊勢谷友介)とともに、スコップ男事件を再検証する。
今回はカイくん&ジロちゃんのバディではなく、カイくん&片野坂教官の頭脳派バディによるプロファイリングが炸裂した。

真犯人は警察内部に!?

国会議員の孫、死刑囚となっている天満暁生の妻・千尋、そしてこの事件を捜査中だった刑事。3人が殺されたスコップ男事件。
殺人事件の半数以上は家族による犯行ということで、捜査本部は天満暁生を犯人だと決めつけたようだが、快楽殺人鬼が家族をターゲットにするケースは極めて稀。片野坂はこの点を主張したようだが、結果、捜査本部から外されてしまった。

しかし家族を疑うにしても、天満千尋だけでなく、国会議員の孫にも、刑事にも家族はいるだろうに……テキトーすぎる!
逮捕の決め手は、三件目の殺人事件現場から天満暁生がオーダーメイドしたジッポーライターが発見されたこと。だが暁生はタバコをとっくにやめており、なおかつ事件当時、現場から遠く離れた場所でスピード違反の取り締まりを受けている。警察が証拠をねつ造した可能性が濃厚だ。
……というか、パン職人なのにタバコ吸ってちゃマズイでしょ。『美味しんぼ』の海原雄山だったら激怒り案件だよ。

「犯人は誰でもよかったんだ。犯人を逮捕し、事件をスピード解決することが最優先された。なぜ警察はそこまで焦っていたのか?」

カイくん&片野坂のプロファイリングは、警察内部に真犯人がおり、それを隠蔽するために犯人だと疑われてもおかしくない(とも思わないが)天満暁生を犯人にでっち上げたと結論づけた。

「オレはここで正しい人間を育てる。本間、お前のような警察官だ。一ノ瀬もそうだ」

当時、警察上層部の暴走を止められなかった片野坂にとって、教官として正しい警察官を育てることで警察全体を変えていくことが「逆襲」なのだろう。

決定的な証拠がパーに

一方、教室の外では“肉体派”たちが捜査を進める。
柳田晋平(原田泰造)は、新たに起こったスコップ男事件の証拠を発見して犯人を追い詰めるが、単なる模倣犯だったようだ。
ジロちゃんが会いに行ったムラタミキは、天満暁生の妻・千尋が殺害された当時、暁生と会っていた証拠となる写真を保存したガラケーを持っていた。

なんで9年も経ってから!? とは思うが、要は暁生と不倫をしており、その密会中の写真ということで今まで言い出せなかったようだ。……それにしても9年も!? せめて裁判中に名乗り出てくれれば!
決定的な証拠を手に入れたジロちゃんだったが、県警捜査一課の面々に襲われ、肝心のガラケーを壊されてしまった。

さっさと画像をメールで転送しておけば……! とはいえ、Wi-Fiに接続できるスマホと違って、既に回線契約が切れているガラケーからメールを送信するのは至難の業(2011年という時代的に、micro SDカードとかにデータが別途保存されていてもおかしくなさそうだけど)。おかげでアリバイを証明する写真がパーに。

その上、天満直子の元に父・暁生が危篤だという連絡が入る。いろいろと手詰まり……。母親は殺されるし、父親は冤罪で死刑囚にされるし、子どもたちは殺人鬼の子ということで悲惨な人生を送ってきたようだし。なんちゅう不幸な一家なのだ。

みんな、もうちょっと頭を使って欲しい

事件の真相を追うカイくん&ジロちゃんたちと、それを阻止しようと暗躍する警察という対立構造が明確になった今回だが、各登場人物の考えなしっぷりが気になってしまった。第1話からバカだバカだと思ってきたカイくん&ジロちゃんがまともに見えてくるくらいだ。
天満姉弟に関しては、ムラタミキに会う予定があったのに、どうして先に警察学校に立てこもってしまったのか……。ひとまずムラタミキから証拠の写真をゲットしてから警察学校に乗り込んでいれば、話はだいぶ変わったのに。

そして、犯人でっち上げを隠蔽しようとする警察上層部……というか警視正の国枝(木下ほうか)の雑さもひどい。
立てこもり事件が大事になって、犯人でっち上げの真相が発覚するのを恐れているのだとは思うが、人質だろうが犯人だろうが射殺してオッケーという指示を出すって、メチャクチャにもほどがある。

「ここは警察学校だ、すべてなかったことにできる」

……って、さすがに教室で生徒が射殺されたとしたら、もみ消すの無理じゃない!?

ジロちゃんを襲って証拠のガラケーを奪おうとした県警捜査一課の刑事たちも、よくこんなアホの指示に従ったなと。

カイくん&ジロちゃんが交番デビュー

若干、バカ VS バカの頭脳戦のような様相を呈してきた今回の事件だが、バカなりに真摯に天満姉弟に向き合い、

「オレとカイくんがお父さんの無実を晴らしますから!」

と、真犯人逮捕を誓うカイくん&ジロちゃんの姿にはグッときた。
この「逆襲篇」は、父親の冤罪を晴らすための天満姉弟にとっての逆襲でもあり、腐敗した警察組織に対するカイくん&ジロちゃんの逆襲ともなるのだろう。

第7話終盤には、ある意味、真犯人を守る立場であるはずの国枝がスコップで殴られ、連れ去られていた。真犯人は本当に警察内部の人間なのか? だとしたら、既に登場している人物なのだろうか。
また、カイくん&ジロちゃんたちの同級生である橘冬美が、意味ありげに隠し持っていたガラケーを取り出していたのも気になる。ムラタミキのガラケーとのリンクを勘ぐってしまうが……。

次回、カイくん&ジロちゃんが制服を着て交番実習デビュー! ……犯人でっち上げの真相を知ってしまっているであろうふたりを、よく退学にしないでいるな。この辺も警察上層部のアホなところだ。

1975年群馬生まれ。各種面白記事でインターネットのみなさんのご機嫌をうかがうライター&イラストレーター。藤子・F・不二雄先生に憧れすぎています。
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