中島健人&平野紫耀「未満警察 ミッドナイトランナー」6話。警察学校の問題児が警察組織の闇を暴く

ダブル主演のSexy Zone中島健人、King&Prince平野紫耀がかわいいと話題のドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』。警察官を目指す警察学校の生徒、警察未満の2人が難事件に挑みます。6話からスタートした新章「逆襲篇」は、警察学校の問題児であるカイくん&ジロちゃんが警察組織へ逆襲する?!

Sexy Zone・中島健人、King & Prince・平野紫耀のダブル主演で話題のドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』。第6話から新章「逆襲篇」スタートということで、何に対する「逆襲」なのかと気になっていたが、まさかの警察組織への逆襲!
さすがに、そことは戦わんだろうという相手だが、まだ警察未満のふたりだからこそできることがあるのだろうか?

収監中のはずの連続殺人犯が新たな事件を

警察学校内で、生徒の本間快(中島健人)と一ノ瀬次郎(平野紫耀)、そして助教の及川蘭子(吉瀬美智子)が人質に取られる異例の立てこもり事件が発生した。
犯人の男女ふたり組・天満直子(長谷川京子)と弟・智也(柿澤勇人)の要求は、9年前に起こった“スコップ男”による連続殺人事件を再捜査し、真犯人を捕まえること。当時、犯人として逮捕された天満暁生(佐戸井けん太)はふたりの父親なのだ。

この“スコップ男”事件とは、国会議員の孫で中学生の中富姫花、当時50歳だった女性・天満千尋、そして、この事件を捜査中だった刑事・近藤修平の3人が立て続けに殺害された事件のこと。そのどれもがスコップで殴り殺された後、埋められ、墓標のようにスコップが突き立てられているという手口だった。
かつて柳田晋平(原田泰造)と片野坂譲(伊勢谷友介)のバディが捜査し、優秀なプロファイラーだった片野坂が現場を離れ、警察学校の教官となるきっかけになった“あの事件”だ。

国会議員の孫&刑事が殺されているということで、警察の威信にかけて捜査した結果、2人目の被害者である天満千尋の夫・暁生が逮捕された。既に死刑判決が言い渡されており、現在も収監中。ところが9年経って、再び同じ手口での殺人事件が起こった。

「お前の言う通りだった。真犯人は別にいる」

柳田が語っていたように、片野坂は当時から天満暁生が犯人であるという考えには懐疑的だったようだ。

警察にでっち上げられた犯人?

ポイントとなるのが天満暁生のアリバイ。

3件目の事件当時、天満暁生は現場から離れた場所でスピード違反の切符を切られている。父親の無実を信じる姉弟は当然、警察に問い合わせたものの、「そんな記録は残っていない」の一点張り。どうやら警察は記録を破棄してこの事実を隠蔽しようとしている模様。
しかし、姉弟が執念でスピード違反の控え用紙を見つけ出したところ、その切符を切ったのが、当時交通課にいた及川だったのだ。
毎日やっているスピード違反の取り締まりだけに、及川も覚えているわけはなかったが、面会を求めてきた天満姉弟に協力をしようとは思っていたという。しかし、警視正の国枝(木下ほうか)からストップをかけられていた。

国会議員の孫&刑事が殺害されたという国民の注目が集まる事件。捜査を急いだものの難航し、天満暁生を犯人としてでっち上げた……みたいなことだったのだろう。しかしでっち上げるにしても、天満暁生を犯人にするには決め手がなさ過ぎるように思うが……。
この事件を題材に、模擬捜査の取り組んでいた警察学校生徒の中からも「連続猟奇殺人なら、赤の他人を殺し続けるのが普通だと思います」という声が上がっていた。
妻の殺害単体であったらまだ理解できなくもないが(殺す動機もないくらい仲が良かったようだが)、国会議員の孫や刑事まで連続で殺すというのは脈絡がなさすぎる。

頭脳派&肉体派のバディが立ち上がる!

警察上層部による犯人でっちあげの可能性が濃厚ということで、自身の行動が冤罪を生んだ可能性のある及川はもちろん、ただ単に巻き込まれて人質になっていたカイくん&ジロちゃんも犯人に同情。“スコップ男”事件の真犯人を捕まえるため、協力をすることになる。
といってもその行動は、犯人でっち上げを隠蔽するため、立てこもり事件の早期解決を図る警察上層部にたてつくことになる。

巨大すぎる敵に普通だったら尻込みしそうなものだが、そこはおバカ男子。カイくん&ジロちゃんは普段から警察学校のルールなんて無視して、退学の危機もいとわずに目の前の被害者を救うことだけを考えてきた。
相手が警察組織そのものだったとしても、おバカ男子にとっては関係がないのだろう。

ただ、姉弟の目的を達成するには、単に“スコップ男”事件の真犯人を見つければいいというわけではない。立てこもり事件の犯人となっている姉弟が捕まらないようにしなければ意味がないだろう(なんと上層部からは射殺の許可まで出ているのだ)。オヤジの無罪が証明されたのに、子どもたちは檻の中(もしくは墓の中)というのは悲惨過ぎる。

前回まで、ジロちゃんと比較すれば頭脳派ポジションではあったものの、まあまあおバカだったカイくんだが、ここで急速にプロファイリング能力が覚醒する。
カイくんの作戦は、立てこもり犯人を「銃で武装した5人組。身体中に爆弾を巻き付けている」と証言することで、警察が簡単には突入してこられなくするというもの。
その上で「人質をひとりだけ解放する」として、ジロちゃんを外に出し“スコップ男”事件の捜査させるのだ。

カイくん自身は立てこもり現場に残り、天満姉弟を守りつつジロちゃんに指示を出す。頭脳派&肉体派バディの本領発揮だ。

新章になって見応えアップしたけど……

でっち上げられたにしても、さすがに天満暁生が逮捕された理由が分からなすぎるし、再捜査を要求するにしても、いきなり警察学校に銃(硫酸入り)を持って立てこもらなくても、もっと他にやりようがあったのでは……など、ちょいちょい脚本の粗は感じる。
それでも、警察学校の問題児であるカイくん&ジロちゃんが、教官の片野坂、助教の及川、そして天満一家の思いを背負って捜査に乗り出すというのは熱い展開だ。

立てこもり犯である長谷川京子と柿澤勇人の、追い込まれた善人がとんでもない行動を起こしてしまった感や(長谷川京子はもっとサイコパスな役なのかと思ってたけど)、警視正役の木下ほうかの、まったく巨悪ではない小悪党感もイイ味を出している。

若干ぎこちなさを感じた原作・韓国映画版の要素がなくなり、オリジナル展開となる新章に突入して、明らかに見応えがアップしてきた本作。
ここからの展開が楽しみだが、最終回まであと何話あるのか……(最近のドラマは8話くらいで終わっちゃったりするからなぁ)。

1975年群馬生まれ。各種面白記事でインターネットのみなさんのご機嫌をうかがうライター&イラストレーター。藤子・F・不二雄先生に憧れすぎています。
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