マルチクリエイター・パントビスコさん「作品はすべて手描き。アナログに価値を感じています」(前編)

Instagramで55万人を超えるフォロワーを抱えるマルチクリエイター・パントビスコさん。女性を中心にファンが多く、telling,の連載「パントビスコの返り討ちカルタ」も好評です。数ある作品の中でも絶大な支持を得ている「LINEシリーズ」が、6月27日(土)に書籍化されました。今回は、新刊「パントビスコ ここだけの話だよ。」についてうかがいました。
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SNSで人気のマルチクリエイターが、あえて“アナログ”にこだわる理由

――まず、発売されたばかりの新刊について教えてください。どのような内容の書籍なんでしょうか?

パントビスコさん(以下、パントビスコ): SNSで公開している「LINEシリーズ」を、300点近く集めた作品集です。他人のLINEをのぞき見しているイメージで、 “ないしょ話”のようなタイトルにしました。日頃から、いろんなシリーズを描かせてもらっているのですが、LINEシリーズのインプレッション(表示回数)が1番高いんですよね。私をフォローしていない新規ユーザーさんが見に来てくれることも多いです。人のLINEって見てはいけないものですし、初めての方でも見てみようかなと思っていただけるのかもしれません。
これまでは書籍を出版するたびにサイン会や個展を開催していたので、今回もそういったリアルイベントをやりたいと思っていました。ところが、この状況ですべて難しい状況になってしまったので、なおさら本の内容に集中してお届けしようと。イベントができない分、中身を充実させています。

――フォロワーが55万人以上いると、書籍を出さなくても見てくれている人はたくさんいますよね。あえて書籍化したのはなぜですか。

パントビスコ: “形に残る”ことにこだわりがあるんです。私は結構アナログが好きな人間で、デジタルで描く作家ではないんですね。というのも、データって怖いなと。例えば、スマホやパソコンを水没させたり紛失したら、これまでのすべての作品がゼロになってしまいます。でも、ノートに残しておけば、火事になったりしない限りは手元に残る。そういうところにもアナログの価値を感じていて、書籍も同じです。やはり現物を触ってもらって、本棚に置いて残してもらいたいと思っているので、本をつくることも大切にしています。

LINEのやりとりはコミュニケーションの教科書としても使える

――読者の方に注目してほしい仕掛けなどはありますか?

パントビスコ: 作品すべてに3つのタグを付けているんですが、これは書籍だけで読める仕掛けです。LINEの後がどうなったのかとか、こういう男だったのかなど、含みを持たせたり、回収したりする意味を持たせてタグを付けました。作品だけでは見えない部分を立体的に提示しています。
あと、本のカバーを外すと仕掛けがあります。表紙と2コマ漫画のようにストーリーになっています。これも購入いただいた方にはお楽しみいただきたいです。表紙はLINEアイコンの小窓を表しています。そこから身を乗り出してこちらを覗いているのがサイコパスオというキャラクターです。裏表紙には、彼の背中側の世界があります。実はこの本の中で1番大変だったのが表紙で、ラフを30枚くらい描きました。最初は、LINEのやり取りがそのまま表紙になっているデザイン案もありました。

――今回はタイトルに、パントビスコさんのお名前が入っていますね。

パントビスコ: 正直に言うと最初は入れたくなかったんです。私を知らない方にもフラットに選んでいただきたくて。最終的に、タイトルには編集さんや販売の方の意見が色濃く反映されています。装丁に関しても、書籍の販売に関して私はプロではありません。内容に関してはどこまでも抵抗しますが、販売に関してはプロの意見を聞くことが大切だと思っています。
私もクリエイターとしてこだわりが強くて、曲げたくない部分もあります。ただ、プロをリスペクトしているという部分もあるんです。その領域に平気で踏み込むということはしないようにしています。ただ、こちらの領域に関しては、どこまでも言わせてもらいます。ボツになったタイトル案は、帯でこっそり生き残っています。

――書籍はどんな方に読んでもらいたいですか?

パントビスコ: すべての方に読んでいただきたいです。普段LINEをあまり使わない方にも読み物として楽しんでいただけるのではと思います。超ショートショートがたくさん詰まっていて、すべてが1枚で完結する物語ばかりです。
私のSNSのフォロワーさんは80%以上が女性なのですが、男性の方にも読んでもらいたいですね。
この本はコミュニケーションのテキストとしても使える要素があると思っています。例えば、こういうことを言ったら嫌われるとか、第三者目線でやりとりを見られるので、反面教師にできるというか。勉強になる部分もあるのかなと思っています。私自身、描いた作品をしばらくしてから見ると、自分でも勉強になるなと思うことがあります(笑)。なので、書店でもマナーや啓発本のコーナーに間違って置かれないかなと、考えたり。最近は料理本が売れていると聞いたので、北京ダックの写真を表紙にしたら間違って買ってくれないかなとか……(笑)。

――書籍を購入すると、特別な“おまけ”があるそうですね。

パントビスコ: パントビスコショップで購入いただくと、非売品のマグネットが付いてきます(数量限定)。Amazonでは、7枚の壁紙を無料でダウンロードすることができます(2020年8月26日までの購入特典)。パントビスコショップでは壁紙を1枚110円で販売しているので、Amazonで購入すると770円お得です。
それと、すべての購入者特典として、書籍にQRコードが付いていて6枚の壁紙をダウンロードできます。Amazonで予約した方は、壁紙13枚、1,430円分の壁紙データが無料で手に入ります。つまり、書籍代分がペイできちゃいます(笑)。

『パントビスコ ここだけの話だよ。』

SNS 総いいね!数 ナント1億回を誇る、マルチクリエイター・パントビスコによる最新刊。数ある作品群のなかから、ファンから絶大な支持を得ている「LINEシリーズ」が待望の書籍化!

著者:パントビスコ
発行:扶桑社
価格:1,430円(税込)

フリーランス。メインの仕事は、ライター&広告ディレクション。ひとり旅とラジオとお笑いが好き。元・観光広告代理店の営業。宮城県出身、東京都在住。
フォトグラファー。北海道中標津出身。自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。
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