女性が最も魅力的になるのは34歳!? 恋愛医学の権威、森田豊先生が語る「女性の魅力」とは?
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女性の魅力が最も高まるのは34歳である。その理由は?
――先生の著書に「女性の魅力が高まるのは34歳」という記述がありました。
森田豊先生(以下森田): 医学的には、これについてホルモンの分泌量から説明ができます。女性ホルモンは、美肌や髪の毛の艶、バストやヒップなどの女性らしい体つきを作る働きがあり、20代に最も活発になります。それが30代になると、女性ホルモンの分泌量は徐々に減少し、男性ホルモンの分泌が相対的に増えていきます。そこに魅力が高まる秘密があります。
――男性ホルモンの分泌が増えるとどんな影響がありますか?
森田: 本の中では、男性ホルモンが増えると性欲が高まるという点を挙げていますが、それだけが魅力の源泉ではありません。男性ホルモンは、決断力や気力、たくましさなどを高めるホルモン。34歳という年齢は、さまざまな人生経験をした上で精神的な魅力が上がっていく時期と言えます。
かつての日本は「大和撫子」「良妻賢母」という母性・女性性が女性の魅力とされていましたが、今は女性の社会進出も進んでいますし、魅力的な女性像は変わってきていると思います。
男性ホルモンの分泌が増え始める34歳という年齢は、女性的な美しさの中に凛々しさが加わり、メリハリのあるキャラクターになっていくという点で、より魅力が高まると言えるでしょう。
仕事で決断力が高まるのはもちろん、普段のデートでも活発な女性は男性から見ても好感度が高いと思いますよ。
――男性から見た女性の魅力とは何でしょう?
森田: 外見ではなく内面の美しさが真の魅力と僕は考えています。
WHO(世界保健機関)が「健康の定義」を発表しているのですが、そこには「健康とは肉体的にも、精神的にも、社会的にも質の高い生活をしていること」と書かれています。このことからも、健康であるということは、肉体的な美しさだけでなく、精神的にも安定していて、社会的にも信念が必要ということです。
――外見だけが美しくても中身が伴っていなければ魅力半減ということになりますね。
森田: もちろん人それぞれですが「見た目やスタイルが良ければなんでもいい」という発言は質が低いなと思いますね。女性の内面を重視している男性は、実際にたくさんいると感じます。
34歳を過ぎても、女性の魅力を高める方法
――では、34歳を過ぎても女性の魅力を高める方法はありますか?
森田: 著書の中でもいくつか紹介しています。例えば、ニュージーランドのウェリントン大学で行われた研究では「男性は30代以降は、胸派からお尻派になる」という結果が示されました。なので、お尻を鍛えるトレーニングで「丸いお尻」を目指すといいかもしれません。
また、イタリアの産婦人科学会が行ったアンケート調査によると「毎日りんごを食べる女性は、性欲と性的満足度が増す」ことが判明しています。
――お尻のトレーニングをして、毎日リンゴを食べると魅力的になれるということですね!
森田: あとは、気持ちを穏やかに過ごすことで、魅力が増すとも考えられます。イライラした時は、つい貧乏ゆすりや爪を噛むことなどで発散しようとしてしまいますが、もっといい方法があります。5つの方法を紹介しますね。
1つ目、まずは「香り」を活用する方法です。
セロリやパセリの香りには、それぞれ「アピイン」「アピオール」という精神を安定させ、気持ちを鎮めるはたらきがあります。
また、タマネギの香りに含まれる「硫化アリル」は神経を落ち着かせ、衝動的な行動を抑えてくれます。硫化アリルは、ニラ・にんにく・らっきょう・わけぎなどにも含まれます。
そして、コーヒーの香りにも気分を落ち着かせる効果があることが、杏林大学医学部らの実験によって判明しています。「グアテマラ」「ブルーマウンテン」の香りにはリラックスしている時の脳波「α波」の高まりが観察されたとのこと。カフェインで眠れなくなるのが心配な方は、香りだけでも活用してみてはいかがでしょうか。
2つ目は、クラシック音楽を聴くこと。
イライラすると副腎から出る「コルチゾール」というストレスホルモンは、ドーパミンやβエンドルフィンによって減らすことができます。藤本幸弘医師によると、クラシック音楽の中でも、特にストレスを解消してくれる可能性が高い楽曲はこの10曲だそう。
・弦楽のためのアダージョ 作品11(バーバー)
・即興曲 変ト長調D899の3~第3番 変ト長調:Andante(シューベルト)
・レクイエム 作品48 第7曲:楽園にて(フォーレ)
・前奏曲嬰ハ短調 作品3の2「鐘」(ラフマニノフ)
・ヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64~第1楽章(メンデルスゾーン)
・バラード第1番ト短調 作品23(ショパン)
・ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 ~第1楽章~(シューマン)
・幻想小曲集 作品12~第2曲:飛翔(シューマン)
・愛の挨拶 作品12(エルガー)
・歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」(プッチーニ)
3つ目は、犬の頭を撫でること。
「アニマルセラピー」という治療法でも知られていますが、動物と触れ合うことでトゲトゲした心が癒やされます。「心臓病患者でペットと暮らしている人は、暮らしていない人より血圧やコレステロール値が低い」というオーストラリア・ベーカー研究所の報告もあります。
4つ目は、ガムやスルメを噛むこと。
ガムやスルメを噛むと、「セロトニン」という幸せホルモンが分泌されます。噛み始めてから5分でセロトニンが増え始め、30分後には急増します。スポーツ選手が試合中もガムを噛み続けているのには、意味があると言えるでしょう。
そして、最後の5つ目は、ろうそくの炎を見つめること。
ろうそくの、一定でないユラユラは「1/f(えふぶんのいち)ゆらぎ」と言われ、脳神経や心を落ち着かせる効果があります。小川のせせらぎや波の音、小鳥のさえずりなども同様ですが、自然界にある独特の一定でないリズムは自律神経を整えてくれ、心地よさを感じられるのです。
――このように、イライラした時に発散する方法をたくさん知っていると、いつも気持ちが穏やかでいられて、魅力的でいられるのかもしれませんね。
<次回予告>
恋愛医学に基づく、恋人の見つけ方・デートの必勝法などをお聞きします。
後編はこちら
●森田豊先生のプロフィール
医師、医療ジャーナリスト。1963年東京都生まれ。秋田大学医学部、東京大学大学院医学系研究科を卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。医療ジャーナリスト、現役医師としてさまざまな病気の解説や、医療に関する種々の問題に取り組む。
『名医が教える 寿命を延ばす恋愛医学』(扶桑社)
著者:森田豊
定価:902円(税込)
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