恋愛医学の権威、森田豊先生直伝! 医学的根拠に基づいた「恋人を作るテクニック」

『名医が教える寿命を延ばす恋愛医学』(扶桑社新書)の著者で、ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系列)の医療監修も務める、森田豊先生にお話を聞いた後編。今回は、恋愛医学を駆使した、恋人を作るためのテクニックをうかがいました。今すぐ実践できるものばかり。一度試してみてもいいかもしれません。

恋愛医学的・パートナー選びのコツ

ーー恋愛医学に基づいて、効率的に恋人を作るためにはどうしたらいいでしょうか?

森田豊先生(以下、森田):  前提として、国立社会保障・人口問題研究所が行った、2016年第15回出生動向基本調査によると、「異性の交際相手を持たない未婚者(=恋人がいない人)」は男性約70%、女性約60%でした。一方で、「いずれは結婚しようと考えいてる未婚者」」は男性で85%、女性で90%となっています。
このことから、恋人がいない人でも、いつかは結婚したいと思っていることが大半だとわかります。

ーーそうなんですね!でも、どうやったらその恋人を欲しがっている人と出会えるのでしょうか。

森田:  まずは、積極的にいろんな会合やパーティなどに行くことです。マッチングアプリなどでもいいかもしれません。
好きな仲間同士が集まって女子会も楽しいのですが、意識的に知らない人が来る場所に足を運んでみると、恋愛に発展する出会いのチャンスが増えます。

ーー「あと5キロ痩せてから婚活しよう」と先延ばしにしてしまいがちなのですが……。

森田:  自分の容姿ばかりに注意を向けるより、積極的に外に出ていった方がいいと思います。見知らぬ人と会うと思えば、容姿や話題の幅など、いろんなことに努力しようと前向きになれるのではないでしょうか。だいたい、自分で思う以上に男性は容姿で恋人を選んでいませんよ。

ーーでは、出会いの場ではどんなパートナーを選べばいいでしょうか?

森田:  相手がどんなパートナーシップを望んでいるかに注目してみるといいかもしれません。例えば、「亭主関白」や「かかあ天下」という関係性がそれぞれありますが、どちらの場合も極端に片方が強いという関係は、うまくいきません。
尻に敷かれる方にストレスが溜まるのはもちろん、強く出る方も攻撃性がどんどん高くなりストレスが溜まります。

理想は対等な関係がいいのでしょうが、男性のタイプによっては、微妙に、自分が仕切りたい人と、女性側にリーダーシップをとってほしい人、それぞれいます。

ーー出会った男性がどちらのタイプか見抜く方法はありますか?

森田:  お相手の薬指と人差し指の長さを比べるといいですよ。薬指が長い人は、母親の胎内にいる時に男性ホルモンを多く浴びていたと言われています。人差し指が長い人は、逆に女性ホルモンを多く浴びているんですね。

なので、男性にリーダーシップをとってほしい人は薬指が長い男性を、ご自身で主導権を握りたい人は人差し指が長い男性を選ぶといいでしょう。

ーー好きになった相手の指を見て、接し方を戦略的に変えることもできそうですね!参考になります。

第一印象を5歳若くするテクニック

ーーでは、実際にお相手と付き合うに至るまでに役立つ恋愛医学のテクニックがあれば教えてください。

森田:  初デートでの第一印象を良くするために効果的なのは「香り」です。アメリカのアラン・ハーシュ博士らの研究によると、「グレープフルーツの香り」は女性を実年齢より5歳若く感じさせるそうです。ただ、この効果があるのは最初の15分。それ以降は鼻が香りに慣れてしまいます。ですので、第一印象の時にしっかり香るように準備しておくのをおすすめします。

服装では「赤い色」を身につけるといいですね。男性は赤い洋服を来た女性を見ると、魅力や興奮を感じるという「ロマンチックレッド効果」がアメリカのロチェスター大学の研究で明らかにされています。

ーーデートの場所については何かありますか?

森田:  「吊り橋効果(怖さや不安定感でドキドキする場に一緒に行くと恋愛関係になる可能性が高まる)」を意識して、ジェットコースター・観覧車のある遊園地や、ホラー映画鑑賞などに出かけるといいかもしれませんね。
あとは、紅茶を飲むと脳の前頭葉が活性化して会話が弾みやすくなるという杏林大学で行われた研究結果があります。デートで紅茶の美味しい喫茶店を選ぶのも良いでしょう。
また、イリノイ大学の研究で明らかになっていますが、会話の中に「私たち」という言葉を意識的に入れると、相手に「この人とは絆があるんだな」と印象付けることができるそう。お相手と親密になるためには効果的でしょう。

ーー赤い服を来て、グレープフルーツの香水をまとい、ホラー映画を見たあと、紅茶を飲みながら「私たちって~」と会話をすれば完璧ですね……!初対面の男性とデートすることがあったら、実践してみます!

お付き合いの前には「ストレステスト」を!

森田:  実際にお付き合いに至る前には「ストレステスト」をすることをおすすめします。雰囲気のいいレストランで、美味しいものを食べていれば、大抵の男女はうまくいくでしょう。パートナー選びで大切なのは、環境が悪い時にどういう対応をする相手なのかを見極めることです。
2回目以降のデートでは、行列に並ばないといけない場所に行ったり、山登りをしたり、あとは手間のかかる食べ物…例えば蟹を食べたり、そういうちょっと負荷がかかる環境で相手がどう出るかを観察するのがいいと思いますよ。

ーーでは、実際に付き合ってから長く関係を続けていくためにはどうしたらいいでしょう?

森田:  男女の関係に限らないことですが、相手を褒めることですね。1日1回は相手を褒めると良好な人間関係が築けます。また、褒めるばかりでなく、相手の嫌な部分を指摘することも大事です。

付き合いはじめのカップルが喧嘩することは悪いことではありません。アメリカ・イリノイ大学の調査でも、付き合って半年以内に喧嘩をしたカップルほど、2年半後、円満に関係を築いていたという結果が出ています。
ちょっとした意見のぶつかり合いや口論は、むしろ関係を強固にする傾向があるようです。長く一緒にいるパートナーですから、気になったことはちゃんと相手に伝えるというのが大事ですね。

ーーでも、不満を伝えて嫌われたらどうしよう……と尻込みしてしまいます。

森田:  それで嫌いになる相手なら、一生一緒にいることなんてできませんよ。無理に相手と合わせても、長い時間が経てば化けの皮は剥がれるもの。カップルは大いに喧嘩して、相手への理解を深めていきましょう。

●森田豊先生のプロフィール
医師、医療ジャーナリスト。1963年東京都生まれ。秋田大学医学部、東京大学大学院医学系研究科を卒業。96年東京大学医学部附属病院助手を務め、97年ハーバード大学専任講師。2000年埼玉県立がんセンター医長。04年板橋中央総合病院部長。医療ジャーナリスト、現役医師としてさまざまな病気の解説や、医療に関する種々の問題に取り組む。

『名医が教える 寿命を延ばす恋愛医学』(扶桑社)

著者:森田豊

定価:902円(税込)

1983年生まれ。社会人13年で転職4回。バツイチ。恋愛・結婚・女性性・人間関係・生き辛さなどの話題に興味があります。お笑い・現代アート・バームロールが好きです。
朝日新聞WEBメディアのフォトディレクター。東京都立大学法学部卒業後、朝日新聞社入社。写真部、AERA編集部、出版写真部を経て現職。写真展に「DAYS FUKUSHIMA」 (2012年、銀座・大阪ニコンサロン)、「CELL」(2018年、ソニーイメージングギャラリー銀座)など。長崎市出身。
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