地元の「腐れ縁」彼氏か、危険な「ダブル浮気」相手か。28歳女子の恋の結論

10年間つきあっている地元の彼と遠距離恋愛中のAさん(28歳)。彼との結婚というゴールに迷いを感じ、彼女持ち男性との「W浮気」関係に陥ってしまいます。「腐れ縁」の地元の彼をとるか、新たな危険な恋をとるか。ジレンマに陥った彼女が出した結論とは――?

ショートカットに、くりっとした大きな瞳のAさん。上京する前はロングヘアだったそうですが、東京で仕事をするようになると、ばっさり髪を切ったそうです。

「雑貨ショップの企画や運営を、オーナーと一緒にしています。店頭に立って接客することもありますよ。今の仕事が楽しくて仕方がないですね」

もともと雑貨が大好き。高校生の頃から雑貨サイトにコメントを書きこんでいるうちに、いつのまにか業界の人たちと繋がっていったそうです。

「地元の短大を卒業して、雑貨ショップで働いていました。もっと幅広く働いてみたいという欲がわいてきたときに、サイトに書き込んだコメントがきっかけで知り合ったオーナーさんから『東京で一緒にやりませんか』とお誘いがあったんです。絶好のチャンスと感じました」

ところがAさんの上京話に、地元でサラリーマンをしている2歳年上の彼が大反対してきました。18歳の頃から付き合っている彼は、遠距離恋愛を嫌がったのです。

そもそもこの彼、Aさんが高校3年の時に大失恋を経験した際、傷を癒やしてくれた相手でした。

「当時は大失恋が原因で、毎日泣いていました。授業中でも、街を歩いている時も、自然に涙が出てくるんです。心配した女友達が紹介してくれたのが、彼でした。正直タイプではなかったんですが、優しかったので交際することに。『腐れ縁』というか、私自身は積極的に結婚を意識していたわけではないんですが、彼が『Aなしでは生きていけない』と口にするたび、『この人と結婚するのかなあ』とぼんやりと思っていました」

惚れた弱みなのか、結局、彼は渋々Aさんの上京を承諾しました。

東京に出てきたAさんは、この時20代前半。地元の彼とは「別れる理由がない」と交際を続けましたが、その一方、様々な男性との恋愛を楽しみました。時には、彼以外の2人以上の男性と同時に付き合ったこともあったといいます。

地元の彼と結婚するまで思い切り遊ぼうという気持ちの表れだったのでしょうか。それとも、彼に不満があったから、他の男性との恋愛に走ったのでしょうか。真意を聞くと、Aさんは次のように打ち明けました。

「地元の彼は、ネガティブなんですよ。口癖が『どうせ、俺なんか』って。それに私の仕事を理解してくれないんです。『どうしてそんなに忙しいの』って、いつも不満を言ってくるんです。好きな仕事を理解してもらえないのは、つらいですよ」

奔放な日々を過ごすうちに、28歳になったAさん。近所のバーで知り合った先輩女性からは、
「28歳は男からモテる。旬の時期よ」と、婚活を勧められました。「10年間つきあっている地元の彼が結婚相手なのかな?」と相談したAさんに、先輩女性は「別の男を探しなよ」と断言。

彼と別れて婚活を始めるべきなのか……真剣に迷い始めたAさんでしたが、図らずもその直後、転機が訪れます。同業の同い年の男性と、男女の関係になってしまったのです。

「彼と初めて会ったのは、昨年の夏。近所の立ち飲み屋でした。女性をナンパしているのを目撃したので第一印象は最悪でしたが、その後、別のバーで再会して話しているうちに、同じ感覚を持っていることに気づいて。でも彼には彼女がいたんです」

恋人がいる相手ということで距離感をもって接していたつもりのAさんでしたが、バーで何度も会ううちに、とうとう自宅アパートで彼と一夜を共にしてしまいました。お互いに彼氏、彼女がいるという「ダブル浮気」状態に陥ってしまったのです。

「地元の彼のことはナイショにしていましたが、男の気配を感じていたのかもしれません。同業者の彼が『恋人と別れてAを本命にしたい』と言ってくるたびに、『別れないで!今のままでいいから』とストップをかけていたんですが、12月になって、『恋人とは別れた』と報告されました」

過去の奔放な恋愛遍歴についても「過去のことは問わないよ。だって君のことを一番愛しているのが僕だってわかっているから」と意に介さない同業者の彼。その前向きさに心を打たれたAさんは、とうとう地元の彼も遊びの恋も全部捨てて、この男性の本命になると決めたそうです。

「地元の彼には、帰省した時に別れてもらうように、説得します。10年つき合っても結婚が現実味を帯びてこなかったのですから、縁がなかったような気がします」

「別れる理由がないから」という消極的な理由で付き合ってきた「腐れ縁」の相手よりも、本命の相手と前向きに歩いていく方が必ずうまくいくはず。そう決意したAさんの表情はとても生き生きとしていました。

コラムニスト、小説家、ライター。2万人以上のワーキングウーマンの恋愛や婚活、結婚をテーマに取材執筆。週刊朝日「同窓会恋愛」「離婚しない女たち」等。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪」 07年10万人に一人の難病を克服。
婚活をナナメから