山下智久「THE HEAD」今までの回想シーンはウソだった? 謎が謎を呼ぶHuluオリジナルドラマ2話

山Pこと、山下智久が海外連続ドラマ初出演することで話題のHuluオリジナルドラマ「THE HEAD」が世界30カ国で同日公開!南極を舞台にした極限心理サバイバル・スリラーで、さまざまな国から実力派キャストが参戦しています。いったい誰が犯人なのか……?ますますみんながアヤシク見える第2話。2人目の生存者と、2人目の犠牲者とは?

第1話からいきなり10人の越冬隊員中、7人が死体となって発見されるという衝撃的なスタートを切ったHuluオリジナルドラマ「THE HEAD」。第2話では2人目の生存者と、2人目の犠牲者が明らかに。さらに山下智久演じるアキのプライベート動画が大公開された!?

 

殺人の容疑者がソッコーで殺される

最初に発見された生存者・医者のマギーの口から、引き続き越冬隊の様子が語られる。
1人目の犠牲者・通信担当のマイルズが、地面に死体をぶっ刺して、その上に切断した首を乗っけるという、横溝正史感あふれる状態で発見されたことで越冬隊メンバーたちはパニックに。日の昇らない冬の南極基地だけに、外部から侵入するのは至難の業。残った9人の越冬隊メンバーの中に犯人がいる可能性が高いということで、険悪な状態になってしまう。

真っ先に疑われたのは、直前にマイルズとケンカをしていた基地技術者のニルス。
犯行に使われたと思われるノコギリを、雪の中に埋めているのを目撃されている時点で相当アヤシイが、本人曰く、血まみれのノコギリがクローゼットに入れられており、「疑われる」とパニックになっての行動だったという。

「俺はハメられたんだ」「俺を陥れた真犯人は立った今、この部屋にいる」

結局、犯人だとも犯人ではないとも判断できなかった冬期基地隊長のエリックは、ニルスをランドリー室に縛り付けて監禁することに。しかし、その間にニルスは首元をかっ切られて殺されてしまったのだ。
露骨にアヤシイ人物がソッコー殺されてしまうという展開。こうなると、他のメンバーのアリバイも動機も分からなくなってくる。

 

哲学書を読み、スマホに軍隊レベルの暗号をかける調理師

それぞれ・ワケあり・感のある越冬隊メンバーたちのバックグラウンドも少しずつ明らかにされた。
今回殺害されたニルスは、10年前に娘を麻薬で亡くしていた。その後、娘に麻薬を渡した売人がズタボロに殴られて死体で見つかったことからニルスが疑われ、妻まで去ってしまったことで、越冬隊に参加して酒浸りになっていたようだ。

冬期基地隊長のエリックは軍隊出身。過去に彼が率いる小隊が銃撃の的となり、部下を3人亡くしている。生物学者でスター研究者のアーサーは、「天性の統率力が彼にはない。命令されるために軍隊に入る者もいる」と、エリックのリーダーとしての資質を疑問視しているのか。

一方、エリックの方も、隊長である自分を差し置いて、何かと口をはさんでくるアーサーを煙たがっている。
基地看護婦のエバは、8年前に夫がギャンブルで破産したため、南極の看護婦は通常の倍稼げるということで越冬隊に参加することに。現在、夫は改心しており、もう南極に来る理由はなさそうなのだが、何らかの事情で今回も参加することになったようだ。

しかし、エリックはエバにアプローチをかけ、何かと一緒に行動しようとしていたが、子持ちの人妻にちょっかいをかけていたのか……。統率力以外にも色々問題のありそうな隊長だ。
死体になっているメンバーの中で、俄然アヤシイのが基地調理師のラモン。
現在パートでは、基地で何が起こったのか事情を調べるため、それぞれの死体が持っていたスマホのロックを指紋認証で解除していたが(誰も顔認証のスマホは持ってなかったのか!?)、ラモンのスマホだけは指紋で解除できなかった。

解析した結果、ラモンのスマホには・軍隊レベルの・256ビット暗号で守られているという。ただの調理師にとしては大げさすぎるセキュリティだ。
彼の本棚にはヘーゲルやソクラテスといった哲学者の著書が並び、中でもクローズアップされていたのがニーチェの「善悪の彼岸」。

「罪を犯してはならない」「ひとりの人だけを愛すべき」など、・道徳・とされているもの欺瞞を暴いた本書は、ヒトラーの政治思想にも大きな影響を与えたとも言われている。一連の事件との関係性は分からないが、ラモンが何らかの強い思想を持っていることは間違いないだろう。

山P演じる微生物学者・アキの過去は明かされていなかったが、死後にロック解除されたスマホから、浴衣を着た女性とのツーショット写真(母親? 恋人?)や、音ゲーをプレイするプライベート動画、越冬隊メンバーたちと撮ったと思われる自主制作ホラー映画などが公開されていた。……事件と関係ないものまで見るのはやめてあげてーッ!

しかし、夏期隊が基地を去って早々に事件が起きているのに、よくこんな映画を撮る時間があったな……。

 

まさかの、今までの回想シーンは全部ウソ!?

現代パートでは、マギーに続く第2の生存者も発見された。まだ死体が発見されていないメンバーということで大体予想がついたアーサーだ。
回想パートでの紳士なスタイルとは打って変わった、みすぼらしい姿になったアーサーから衝撃的な発言が飛び出す。

「生きてるんだな。お行儀良く被害者を演じてるんだろ」
「あいつ(マギー)を信じるな、あの女が全員殺した」

回想パートの語り手ということで、真っ先に犯人候補から外していたマギーが……。ここまで、まさかのウソ回想シーンを見せられているパターンか!? 確かにマギー目線での回想と考えると、ちょいちょい違和感のあるシーンがあった。

最初の犠牲者・マイルズが基地の外に出て行くのをニルスが目撃したシーン。さらに基地の外を歩くマイルズをアキが目撃したシーン(アキはアザラシを埋葬中だった)。殺されたニルスをアキが発見したシーンなど、どれもマギーはその場にいなかったはずだ。

死にそうになっているニルスをアキが必死で助けようとしているとこに、いつの間にかマギーが現れていたのもアヤシイといえばアヤシイ。しかも手を貸さずにボケーッと見ているだけだった。衝撃のあまり動けなかった可能性もあるが、アナタ一応医者でしょ!?

第3話には山Pの乱闘シーンも

とはいえ、アーサーの言うこともストレートには信じづらい。
発信器(?)から流れる遺伝学者・アニカのSOS音声を追いかけて夏期基地隊長・ヨハンたちが保守用の地下トンネルに入ったところ、隠れていたアーサーがいきなり襲いかかってきた。

「彼女(マギー)に見つかったかと」思ったというが、おっさんふたり組をマギーと見間違えるものだろうか? そもそも、外部からの救援を求めて発信器を仕掛けていたのでは……?

第2話の冒頭、気になる回想シーンがあった。
まだ越冬隊にも参加する前のこと、ヨハンの妻・アニカの元にダミアン・ファウルズなる人物が謎の死を遂げたという電話がかかってきた。おそらくアニカとアーサーの共同研究者だった人物だと思われるが、「アーサーに知らせろ」というヨハンの言葉を、なぜかアニカははぐらかしていたのだ。
アニカが今回の越冬隊に参加した理由も「アーサーに手柄を独占させたくない」とのこと。アーサーとの間に何らかの確執があることがうかがえる。

ここで思い出したいのが、第1話でアニカが残していた、

「ヨハン、許されないことをしてごめんなさい」「私の手は血で汚れた」「業火に値する罪よ」

というメモ。
アーサーと共同研究しているのが、二酸化炭素を食べる夢の細菌でありながら、殺人や自殺を引き起こすような、人の頭をおかしくさせる副作用もあるとしたら……。細菌の危険性を知りながら研究を止めようとしないアーサーを止めるため、アニカが越冬隊に参加したものの、結局食い止めることはできず、細菌が越冬隊メンバーに寄生してしまい、殺し合いが起こってしまった。

「私の手は血で汚れた」

は、アニカ自身が人を殺したということではなく、自らが研究していた細菌のせいで殺人が起こってしまったことを指しているのかも知れない。
で、細菌を制御できないことに気付いたアーサーは地下トンネルに逃げ込み、すべての罪をマギーに押しつけようとしてたり……!? ラモンはこの細菌の情報を入手するために送り込まれたスパイだったり……?
謎が謎を呼び、色々な考察がはかどる「THE HEAD」。第3話ではクールな山Pの乱闘シーンがあるみたいだぞ!

 

Huluオリジナルドラマ「THE HEAD」
製作総指揮:Ran Tellem
脚本:Alex Pastor David Pastor
監督:Jorge Dorado
制作:THE MEDIAPRO STUDIO In Association with Hulu Japan and HBO Asia
https://www.hulu.jp/static/thehead/

1975年群馬生まれ。各種面白記事でインターネットのみなさんのご機嫌をうかがうライター&イラストレーター。藤子・F・不二雄先生に憧れすぎています。
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