「東京ラブストーリー」所有したいカンチと所有されたくないリカのすれちがいに切ない結末を予感5〜6話
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- 前回はこちら:リメイクドラマ配信開始。伝説の「東京ラブストーリー」とはどんな作品だったのか?
1991年に放送され、最高視聴率32.3%を記録した伝説のドラマをリメイクした令和版「東京ラブストーリー」。
第4話で、関口さとみ(石井杏奈)が突然持ち出してきた“傘”のせいで破局の危機を迎えた2組のカップル。何だかんだで仲直りをしたものの、第5~6話ではそれぞれの価値観の違いが浮き彫りになっていく。
いくら好きでも、相手を所有していい理由にはならない
まずは永尾完治(伊藤健太郎)×赤名リカ(石橋静河)カップル。
リカは第4話のラストでカンチとケンカをした後、ソッコーでかつての不倫相手・和賀部長(眞島秀和)を呼び出していた。ケンカの腹いせに昔の男を呼び出すなんてキッツイ女だな……と思いきや、和賀部長は単にタクシー代わりとして呼ばれただけで、それ以上のことはなかったようだ。
にしても、わざわざ昔の男を呼び出さなくても……。
この辺に「私といない時間に他の誰かを好きでも、それは相手の自由だもん。ふたりでいる時に心も身体も100%くれたら私はそれでいい」というリカの恋愛観が表れているのかもしれない。
そんなリカを許容することができず、和賀部長との関係をウジウジと気にしているカンチから、別れた理由を聞かれたリカは、「私を所有しようとしたから」と答える。
「でも、それだけリカのこと好きだったってことなんじゃないの!?」
「いくら好きでも、相手を所有していい理由にはならない。そんな関係なら、最初から要らない!」
田舎から出てきたばっかで恋愛経験もあまりなさそう。なおかつ“リカを所有”したい願望をバリバリ持っていそうなカンチが太刀打ちできる相手ではなさそうだ……。しかしカンチはまんまとリカにのめり込んでしまう。
「これだけは他の誰にも絶対に負けないっていうのが一個だけある。リカへの愛!」
もう、この発言が田舎者&童貞感あふれすぎている。当然、リカは大爆笑。
「愛なんて要らない。私はカンチとふたりで世界一の恋がしたいだけなんだ!」
かつては自分から「カンチが欲しくなった」と言っていたリカだったが、カンチから「オレもリカが欲しくなった」と言われると「あげないよ」とかわす。
カンチが言葉通り「所有したい」という意味で「欲しくなった」と言っているのに対して、リカは肉体的に「欲しくなった」という発言だったのでは……。
このふたり、すごく仲が良さそうには見えるものの、その恋愛観には決定的に噛み合っていない部分がありそうで、切ない結末を予感してしまう。
ひどい目に遭ってるのに同情できない関口さとみ
一方、プレイボーイ・三上健一(清原翔)×優等生・関口さとみのカップル。
さとみは、三上の女癖の悪さを知った上で付き合うことなったため、ある程度の覚悟はしているようだが、実際は独占欲の塊のような女だ。
学校に行く三上がスマホを忘れていった時には“私が嫁よ”オーラ全開で届けに行き、そこで長崎尚子(高田里穂)とメチャクチャ距離近く話している三上を見てしまって、これ見よがしに落ち込む。
「それでイチイチお前が不安になるっていうなら……一緒に暮らそう。“はい”って言えよ」
プレイボーイなりのテクニックなのか、真心なのか、三上から自宅の鍵を渡されると、驚きながらもメチャクチャ嬉しそうに。たびたび鍵を取り出しては、ウットリと眺めていた。
引っ越し当日は、「今日から毎日、ここに帰ってくるんだなぁ~」なんて言いながら三上の背中を抱きしめる。“私の物”宣言だ。独占欲強女からすれば、同棲なんて「大勝利!」ってなものだろう。
しかし、またも“たまたま”三上のポケットの中をのぞいてしまったさとみは、ホテルの領収書を見つけてしまう(三上もツメ甘いよ……)。
この件もソッコーで同僚のトキコ(手島実優)に報告して、
「三上くんと付き合っていくためには、浮気はしょせん浮気だって割り切るしかないんだよ。ちゃんと私のところに戻ってきてくれたらそれでいいの」
なーんて強がっていたが、明らかに女に振られてきたなという雰囲気ビンビンの三上に押し倒されたことで、“私が嫁よ”プライドはズタズタに切り裂かれてしまった。
「その夜は、その時の私は、ただのはけ口だった。特別でも何でもなかった」
三上に抱かれながらも、天井をボーッと見つめるさとみの絶望的な顔……。
明らかに三上がひどいことをしているのだが、イマイチさとみに同情する気になれない。
あまりに露骨に落ち込んだり、嬉しそうにしたり、それをイチイチ同僚に報告したり、かわいそうな私/幸せな私アピールの強さが、視聴者をイライラさせるのだろう。
関口さとみ……恐ろしい子!
さっさと別れれば感が強い三上×さとみカップルに比べれば、リカに翻弄されつつも、現時点では良好な関係を保っているように見えるカンチ×リカ。しかし、またしてもその仲を引き裂いたのは、さとみだった。
カンチの誕生日、一緒に祝うことを約束していたリカだが、直前になってこんな電話を入れる。
「現場でトラブったから、(帰りが)超遅くなるかも」
これは誕生日サプライズを仕掛けるための小さなウソだったのだが、このスキを関口さとみは見逃さない!
「永尾くん、お誕生日おめでとう。素敵な一年にしてね」というお祝いメールをカンチに入れたのだ。自分は三上の家から飛び出してきた直後だというのに。健気さアピールなのか何なのか分からないが、恐ろしいタイミング!
これは明らかに“かまって”アピールだろう。カンチもカンチで、まんまと電話をかけちゃうんだ……。
「関口、今どこにいるの?」
「東京タワー」
「えっ!?」
ここでなぜカンチが必要以上に驚いたのかがよく分からなかったが、まあ確かに男の家を飛び出した女が、ひとりで夜の東京タワーにいたら異様か。
カンチは……東京タワーに行っちゃうんだなぁ。
それでも、リカから「遅くなる」という電話を受けていなければ、一旦連絡入れるくらいのことはしたはずだ。平成版では携帯電話が普及していない時代がゆえのすれちがいが多く描かれていたが、令和版では、「いつでも連絡できるはずなのにしない」仕掛けが功名に仕掛けられている。
それにしても、彼氏の浮気に傷ついていながら、彼女持ちの男に(しかもそいつの誕生日に)ナチュラルに依存するとは、やはり恐ろしい女だ……。
幸せになれそうでなれない、この色々と難儀な2組のカップル。相手を組み替えれば幸せになれそうな気もする。
独占欲強女・さとみは、同じく独占欲の強そうなカンチと付き合えば、共依存状態で幸せになれるだろう。
「誰の物にもなりたくない」リカは、会っている時は愛を注いでくれるけど、裏では何やってるのか分からない三上ともいいバランスで付き合えそうだ。
ただ、噛み合わない同士で付き合うからこそ、「ワクワクする」んだろう。
次回予告では、カンチ&三上のサウナシーンが登場。やたらとドエロい男の乳首が登場してドキッとさせられる本作だが、いよいよ(?)男乳首×2夢の競演が実現。ストーリーとともに、こちらにも期待したい!?
「東京ラブストーリー」
出演/伊藤健太郎・石橋静河・清原翔・石井杏奈、他
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「東京ラブストーリー」(1991)
出演/織田裕二・鈴木保奈美・江口洋介・有森也実、他
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