ドロキュンドラマ「ギルティ」不倫女・中村ゆりかの非道さに反撃を願わずにいられない

コロナ禍で4月期ドラマの撮影が中断され、大半のドラマの放送延期が続いています。なかでも、「ギルティ ~この恋は罪ですか?~」は3話まで放送され、続きが気になりすぎると話題です。「全員が裏切り者」のギルティ。誰が誰を裏切るのか……。5月7日に放送される3話特別編を前に、3話を深掘りします。
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瑠衣「心の浮気と体の浮気、どっちが罪なんですか」

瑠衣「元カレに欲情してた奥さんと、うちで体使ってた旦那さん。何が違うんです? ねえ、爽(さやか)さん教えてくださいよ。心の浮気と体の浮気、どっちが“罪”なんですか?」

コロナウイルスの影響で、放送がまるまる延期されている4月期ドラマが多い。そんな中、3話まで放送されて4話以降が延期となり、続きが気になって仕方ないドラマがある。毎週木曜放送のプラチナイト木曜ドラマF「ギルティ ~この恋は罪ですか?~」(読売テレビ・日本テレビ系)だ。

「登場人物、全員裏切り者。」というキャッチコピーがついた「ギルティ」は、結婚も仕事も順調に生きてきた主人公・荻野爽(新川優愛)が、親友と夫の不倫や元恋人との再会をきっかけに、育った環境の呪縛と対峙していくドラマ。

3話までの間に、すでに爽の親友・瑠衣(中村ゆりか)と、爽の夫・一真(小池徹平)が爽を裏切っている。さらに、もう一人の親友・若菜(筧美和子)が爽に隠しごとをしていた。若菜が隠していたのは、爽と結婚した時点で一真にこどもがいたということだ。

一方、爽の味方になってくれている人もいる。仕事で偶然に再会した元恋人の秋山慶一(町田啓太)は、爽が昔のままの素の自分を見せられる存在。厳しい指摘をすることもあるが、それを謝って本意を伝えるフォローも欠かさない。一真と別れて秋山のところに行けばいいのに! と思うが、秋山には美和子(徳永えり)という妻がいる。

また、職場の後輩・寺嶋睦月(神尾楓珠)も爽を慕っている。爽が担当した小さな記事を覚えていて、爽の仕事を尊敬し励ましてくれる。だが、社内で寺嶋に好意を抱いている中村結(結城もえ)が爽を敵視しており、ここでも何か問題が起きそう。

「全員裏切り者」というからには、秋山や寺嶋もいつ爽をあざむくかわからない。それに、爽自身も誰かを裏切っている可能性もある。誰が誰をいつから裏切っていたのか。

4月16日に第3話が放送され、第4話以降は放送延期となっている。4月23日以降は、出演者コメント・副音声つきの特別編として、1話から振り返り放送をしている。5月7日は、第3話の特別編が放送予定。これから不倫以上の裏切りが明かされていくと思うと、4話の放送が待ち遠しい。

 

反撃を願う気持ちを起こさせる不倫女・中村ゆりか

最初に「『ギルティ』はすごいドラマになるのでは!」と思ったのは、中村ゆりか演じる不倫女・瑠衣のすることがとんでもなかったからだ。

不倫相手の一真が爽の夫だと知っていながら、爽の結婚生活の悩みを聞きアドバイスする。一真が爽のために買ってきたケーキを、「私、『食べかけ』とか気にしないので」と言って爽と一緒に食べる。爽の鞄にGPSの発信機を入れておく。爽がいないうちに家に上がりこみ、一真と爽のベッドでセックスがしたいと言う。一真に断られると、風呂場で服を着たままシャワーを浴びて見せ、結局そこでセックスをする。

夫婦の生活空間に入り込み、そこで飲食したり性行為に及んだりするのは、不倫される側としては気持ちが悪いことこの上ない。まだ爽が、家での性行為について知らないというのもつらい。ここまでされたからには、爽もものすごい反撃に出てほしい。新川優愛の演技の爆発が見たい!

しかし、爽には怒りをあらわにできない理由があった。父親の不倫に苦しんでいた見苦しい母親の姿を見てきて、「あんな女にはなりたくない」という思いあるからだ。その呪縛が爽を我慢ばかりの良い妻にしていた。父親の不倫相手に母親が言った言葉を、爽は思い出したくないのに思い出してしまう。

秋山「誰かを信じて裏切られたときに傷つくのが怖いんだろ。怖がってねえで、自分の信じた通りにやれよ」

自分の思う通りにしろという秋山の言葉に背中を押されたかのように、爽は自分の見たいものを見て、言いたいことを言うようになっていく。母親を反面教師にするあまり「良い子」「良い妻」のイメージに自分を縛り付けていた爽が、呪縛から解き放たれていくのが気持ち良い。

「頭のねじも股も緩い嘘つきに、うちの旦那が本気になるわけないでしょう。あんたなんか一生相手にされないんだよ。愛人どまりのゲス女」

爽が瑠衣に言ったのは、かつて母親が父の愛人に言った言葉。でも、瑠衣のやった内容や爽の苦しみの表現に対してちょっと生ぬるさがある。心のきれいな人が思いつく最大限の悪口という感じだ。

「ねえ、秋山。こんな私は、本当に私らしいのかな。皮肉だね、笑っちゃうよ。絶対に嫌だったのに、あの人みたいにならないって誓ったのに、私いま、どうしようもなくお母さんの気持ちがわかるの」

瑠衣も言われっぱなしではなく、一真にとって自分が「忘れられない女」になるように作戦を変えてくる。瑠衣には協力者がいるらしいことも、3話で匂わされた。爽は心のきれいな女のままでいられるのか、それとも復讐の鬼のようになるのか。瑠衣のすることがエスカレートしていくにつれ、同じだけの爽の反撃で溜飲を下げたい気持ちが強くなってしまう。

 

小池徹平の無害さ、町田啓太の好青年感

「ギルティ」は3話から爽の感情が激しく表され、瑠衣もそれに応戦していくので、女性二人の感情のやり取り、駆け引きが盛り上がりの一つになっている。反面、一真や秋山が何を感じ、何を思って行動しているのかは最小限にしか表現されない。

「何? ショック? 私にバレたこととあの子に裏切られたこと、どっちに傷ついてんの? ねえ、どっちに傷ついてんのよいま!」
一真「もう、終わったことだから」
「は?」
一真「ごめん、俺、正直さーちゃんの顔見てるとしんどい時期があって」

答えになってない! 「まどろっこしいのは嫌いなんだ」と合理的男性アピールをしていた一真が、自分が謝らなければいけなくなるとモニョモニョしだす。そしてようやく出した自分の気持ちは、爽のせいで不倫をしたと受け取れるものだった。

秋山「嫌なことがあったら、そうやって泣いているほうがお前らしいよ。俺にとっては」

秋山は、お互い家庭があることを知っていながら爽を急に呼び出して二人で会ったり、交際時代を思い出させるような励まし方をしていて思わせぶり甚だしい。でも、いま爽のことをどう思っているのか、自分の妻をどう思っているのかはなかなか言わない。

この、感情がわからない男二人という役柄に、小池徹平と町田啓太がとても合っている。二人とも、黙っていたら良い人にしか見えない。年齢と比べてやや幼く見える小池徹平の無害な印象。町田啓太は、教師や秀才、真面目な好青年などの役を多く演じてきている。それぞれの特徴が生きている。

4月30日に放送された2話の特別編では、一真について小池徹平が副音声で「最低」「クズ」と言う場面があった。やっていることは最低でも、瑠衣のように意思が見えるのと一真のように見えないのとでは印象が変わってくる。一真も秋山も4話以降でどんどん感情や考えを吐き出して、思いをぶつけ合うところが見てみたい。

4話の放送日はまだ決まっていないが、5月7日は新川優愛、中村ゆりか、小池徹平の3人が副音声で参加しての3話特別編が放送予定だ。通常ならDVDなどでしか聞けないようなオーディオコメンタリーが無料で見られる。4月期のゾクゾクするドラマの一つ、まだ見ていない人には、ぜひ配信や特別編で楽しんでほしい。

 

プラチナイト木曜ドラマF「ギルティ ~この恋は罪ですか?~」(読売テレビ・日本テレビ系)
https://www.ytv.co.jp/guilty/
配信サイト
hulu
TVer

ライター・編集者。エキレビ!などでドラマ・写真集レビュー、インタビュー記事、エッセイなどを執筆。性とおじさんと手ごねパンに興味があります。宮城県生まれ。
フリーイラストレーター。ドラマ・バラエティなどテレビ番組のイラストレビューの他、和文化に関する記事制作・編集も行う。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身、東京在住。