家計簿アプリ使ってる? 一生お金に困らない貯蓄グセを身につける
老後の心配よりもまずは今年1年、今月1カ月をどう過ごすかを考えること
-
今年こそお金とうまく付き合っていきたいです。まず何からはじめたらいいですか?
まず初めに伝えておきたいことがあります。ミレニアル世代の人たちが老後についてすごく心配するけれど、それって40年も先のこと。「2000万円問題」(※)が話題になったこともあり、心配する気持ちはわかるけど、1年後、5年後、10年後を見据えて今をどう過ごすかのほうが大事です。
※…95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の老後資金が必要だ、という金融庁の作業部会の報告書が作成され、話題になった。
20代はこれから先の長い人生の土台を作る「模索期」、30代は経験を積んで、技術と人間性を磨く「研磨期」と言えます。さらに言えば、40代は人を育てながら自分も成長する「成長期」、50代以降は家族や仕事以外の領域に自分の世界を広げ、60代以降はこれまでの行動を結実する刈り取りの時期。将来のことを考えてお金を貯めようとするのはいいけど、まずはこの1年をどう過ごすかが大事。もっといえば、この1カ月をどう過ごすか。たとえば、いま貯金がゼロの人が第一にやるべきは、貯められない原因を見つけて取り組み、貯金を始めることです。
具体的には、手取りの15%を貯めることを目標にしてください。65歳で退職するまでの40年間、収入の15%を貯め続けたら、人生の三大支出と言われている教育資金、老後資金、住宅資金がカバーできますよ。
2つ目は、投資について勉強を始めること。具体的には、貯金する15%の一部を投資に回します。つみたてNISAや、1000円~1万円程度の少額のものから始めましょう。実際に投資を始めることで、お金の知識がついてきます。
-
手取り20万円だとしたら、毎月いくら貯金したらいいですか?
仮に毎月手取り20万円、ボーナス分として年間60万円もらっているとしましょう。手取りの15%として毎月3万円、ボーナス分として年間計9万円、1年間で45万円貯金できます。それを10年続けたら450万円貯まります。すごいでしょ! もうひと頑張りしたら500万円だって夢じゃありません。
たとえば23歳から7年間、手取りの15%を貯めると105%になります。つまり、ほぼ年収分。年収300万円だったら同じくらい貯まっているはずです。
この調子でいけば、40歳までにはなんと年収の2.5倍たまる計算に。1000万円も夢じゃありません。
まずやるべきことは、家計簿アプリを使ってお金の流れを把握する
-
手取りの15%も貯められるか心配です。
お金を貯めようと思ったら、まずは給与天引きか自動積立を使うこと。もらったら使う前に貯める仕組みを作っておくことが大切です。
そのうえで、支出をコントロールすること。毎月自分が何にいくら使っているかを把握することから始めましょう。
便利なのが家計簿アプリ。収入と支出を入力すれば自動で集計してグラフなどで表示してくれるので、毎月何にいくら支払っているのかが一目でわかります。「今月は先月よりも食費が多かったな」「美容代にかけすぎちゃったから少し減らそう」など、具体的な改善点が見えてきます。
-
家計簿アプリはどんなものを使ったらいいですか?
いろんな家計簿アプリがありますが、基本の機能は無料のものが多いので、いくつか試して自分に合うものを見つけましょう。手入力するものではなく、銀行・証券口座、クレジットカードなどと連携するタイプがおすすめ。ATMでの現金引き出し、口座への入金、口座からの引き落とし(光熱費や通信費)や振り込み、クレジットカードでの支払いなどが自動的に家計簿に記帳されます。
「マネーフォワード」「おカネレコ プラス」「Zaim」などのアプリは、銀行や証券口座と連携しておけば、お金の出入りだけでなく、各口座の残高がいくらになっているかもリアルタイムで把握できます。投資をしている人には特に便利。高機能の有料版へのアップグレードもできます。ポイント管理もでき、各種ポイントを貯めている人はポイントの有効期限なども把握できます。
10年後、お金が貯まっているか貯金ゼロのままかはこの1カ月が勝負
-
入力が面倒で続かないかも……。
家計簿アプリには、クレジットカードやデビットカードを連携させておけば、各項目ごとに自動で振り分けてくれるものもあります。現金で払った時は、レシートをスマホで撮影すれば自動入力してくれる機能も。あとはグラフ化された支出を確認したり、月ごとに比べたりすれば、お金の流れをいろいろな角度からみることができます。
こんな具合に、お金が苦手な人ほど家計簿アプリが有効です。最初の設定は少し面倒なので、誰かに手伝ってもらうといいかも。お金を何にいくら使っているかわかったら、無駄遣いを見つけるのは簡単です。
15%分の貯金ができていないなら、どこに問題があるかを見直してみましょう。この方法で確実にお金を貯められるようになります。
1年後、5年後、10年後に十分な貯金ができて、やりたいことのためにお金を使えているか、あいかわらず貯金ゼロの生活を続けているかは、この1カ月にかかっています。
とはいえ、ダイエットと同じで急にがんばりすぎるとリバウンドしてしまいます。無理なく、楽しみながら、挑戦してみてくださいね。
-
第1回家計簿アプリ使ってる? 一生お金に困らない貯蓄グセを身につける
-
第2回ファイナンシャルプランナーがデビットカード推しする本当の理由
-
第3回いつかはしたい結婚や出産。ライフイベントをマネーから考えてみた
-
第4回ふるさと納税に医療費控除 知っておきたい確定申告 「税金オンチ」にならな
-
第5回歓送迎会でお財布がピンチ!「節約項目」と「ぜいたく項目」で乗り切ろう