自分を変える、旅をしよう。

自分の悩みのちっぽけさに気付いた、アフリカ一人旅

旅によって人生が変わった人や、旅を通した生き方をリーマントラベラーの東松寛文さんが紹介する「自分を変える、旅をしよう。」5回目は、学生時代の一人旅がきっかけで、旅の魅力を知った女性が登場。アクシデントこそ、旅の醍醐味のようで……。

●自分を変える、旅をしよう。5・前編 ぴきちんさん(28)

リーマントラベラーの東松寛文です!今回はアフリカが大好きな女性にインタビュー。きっかけは、アクシデントで一人旅をすることになったケニアだといいます。彼女がなぜ無類のアフリカ好きになったのか、そのきっかけを聞きました!

リーマントラベラー東松(以下、――): ぴきちんさんは旅にハマる前、どんな生き方、考え方をしていましたか?

ぴきちんさん(以下、ぴきちん): 私は普通の大学生だったので、学校に行ってバイトしてサークルに行って……という、典型的な学生生活を送っていました。2年生の時に大学の留学生用の寮の住み込みスタッフになり、留学生と遊ぶようになりました。

――留学生寮の住み込みスタッフ!それは楽しそうですね。

ぴきちん: 寮には世界中の留学生がいて、母国の話を聞いているうちに、わたしもいろいろな国に行ってみたい!と思うようになりました。チュニジア人の留学生に、白い家が立ち並ぶ町並みの写真を見せてもらったり、隣の部屋には、当時は国名すら聞いたことがなかったカーボベルデ人の留学生がいて、視野もだいぶ広がりましたね。

――すごい体験!その時に何を感じていましたか?

ぴきちん: 今しかできないことをしたいと漠然と考えていました。先輩からのアドバイスもあり、社会人になる前に海外に行っておかないと!と思い、旅費を稼ぐためにバイトをたくさんしました。

――なるほど。そこから旅をすることになったのですね。ぴきちんさんにとって、印象に残っている旅先はどこですか?

ぴきちん: 以前から友達とツアーには参加して海外に何回か行っていましたが、初めて一人旅をしたのは大学4年の11月でした。初一人旅なので治安が良さそうなオーストリア、チェコ、ハンガリーと、友達に会いにスペイン、イタリアに行きました。フライトも宿も全部自分で手配して、怖いもの知らずで意気揚々と旅に出たのですが、現地で両替に苦戦したり、バスのりばがわからず重い荷物を持って走り回ったり、現金がなくてカードが使えるお店を寒空の下で探し回ったり、チェコのチェスキークルムロフでは英語が通じず苦労したり、旅の洗礼を存分に受けました。プチトラブルを自力で乗り越えていくことで、達成感や成長を実感できました。

初一人旅でチェコに行った時の一枚

――ヨーロッパ一人旅、サイコウですね!!

ぴきちん: 一番印象に残っているのが、ウィーン少年合唱団のミサに行った時のこと。日本でチケットの手配をして、現地でチケット代を払う必要があったのですが、前日の夜にオーストリアについたばかりで、当日は日曜の朝。街を歩き回っても銀行は開いていないし、ATMも見つからず、両替することができませんでした。どうしても諦めきれないので教会に戻りチケットの列に並び、隣の紳士に「お金を貸してくれませんか?」と声をかけたら、最初は怪訝な顔をされたのですが、予約済みのチケットを持っているのを確認して、快くチケット代を出してくれたのです。もし私が同じように声をかけられても、お金をあげる自信はないのですが、困っている人がいたら助けなければと思います。

――海外を旅していると、日本では経験できないことにたくさん出会えますよね。そんなぴきちんさんが旅にハマったきっかけはいつ、どこへ行った時でしたか?

ぴきちん: 大学の卒業旅行でケニアに行ったときです。最初はエジプト、モロッコ、チュニジアなど北アフリカに行こうとしていたのですが、当時エジプトでデモが起き、危険だったので諦めて、以前から行きたいと思っていたケニアを選びました。ヨーロッパとは違い、アフリカ一人旅はさすがに怖いので、友達に「一緒に行かない?」と声をかけまくって、なんとか1人見つけたんです。

――ケニア2人旅もなかなかすごいですよね。

ぴきちん: 同じフライトが取れなかったので、私は先にケニア入りして、友人とは翌日合流する予定でしたが、待てど暮らせど来ない。なんとフライトを1日間違えていて、他の便も満席で諦めるとの連絡があって。何の心構えもなく、初アフリカが急遽一人旅になってしまったんです。そんなアクシデントはありましたが、サファリでは4WDの車を独り占め。動物の写真を心ゆくまで撮影し、大自然の壮大さを体感しました。

マサイマラ国立公園でくつろぐ、百獣の王の風格漂うライオンのカップル

――なんと!初アフリカ一人旅だけでも強烈ですが、なかでも印象に残っていることは?

ぴきちん: ひとつは「山並みが萌える」ということ。卒業式の定番「旅立ちの日に」の歌詞「白い光の中に山並みが萌えて」の通り、朝は山並みが本当に萌(燃)えているんですよ!都会での生活では知らなかった自然の表情を見ることができるのは、ケニアならではだなと。
もうひとつは、自分の悩みなんて本当にちっぽけだということ。弱肉強食の世界、サファリでは、目の前で狩りの様子を見られることもあります。ライオンに狙われているシマウマは、今生きるか死ぬかの瀬戸際。どうやったらライオンに襲われずに生き残れるかを考えています。私の悩みなんて、シマウマの悩みに比べたらちっぽけなものだなと思いました。だって、20年以上生きてきて、生きるか死ぬかの瀬戸際なんて経験したことがなかったですから。

ケニア・ナイロビのジラフセンターで、野生のキリンとごあいさつ

――大自然を前にしたら、人間なんて本当にちっぽけな存在だと思ってしまいますよね。

ぴきちん: 日本でヌルい生活をしてきた私に自然の尊さを教えてくれたのがケニアのサファリでした。その後、毎年のようにアフリカに足を運ぶきっかけになったので、あの時にケニアに行って良かったと思っています。

海外一人旅のトラブルを乗り越えることで、達成感や成長を実感したという、ぴきちんさん。社会人になっても旅を続けたことで、変わったこととは?後編に続きます!

後編はこちら:マサイ族男性からの求婚!旅は知らない世界へ連れていってくれる

平日は激務の広告代理店で働く傍ら、週末で世界中を旅する「リーマントラベラー」。2016年、毎週末海外へ行き3か月で5大陸18か国を制覇し「働きながら世界一周」を達成。地球の歩き方から旅のプロに選ばれる。以降、TVや新聞、雑誌等のメディアにも多数出演。著書『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』(河出書房新社)、『休み方改革』(徳間書店)。YouTube公式チャンネルも大好評更新中。
リーマントラベラー