夢を語るのはタブー?モヤモヤしていた私が旅で見つけたもの
●自分を変える、旅をしよう。#3 中山陽南子さん(26)前編
リーマントラベラーの東松寛文です!実は僕は、半年ほど前から旅好きが集まるオンラインサロンを運営しています。今回はサロンに入ってくれて、人生が変わった!という女性のお話です。
夢を追いかけることがタブーに感じられて
リーマントラベラー東松(以下、――) 中山さんはオンラインサロンでも積極的に活動してくれて、勝手知ったる間柄ですね(笑)。改めていろいろお聞きしたいと思います。もともと、旅は好きだったんでしょうか?
中山陽南子さん(以下:中山): もともと好きでした。旅が好きになったのは、大学生の時に1年間のフランス留学を経験し、留学中に大学の休暇を使ってヨーロッパを旅したのがきっかけです。向こうだとバスや電車で簡単に国境を越えられるので、絶好の機会だと思ってヨーロッパをあちこち旅しました。
当時は学生だったのでお金がなくて、旅先でもレストランに入ることすらできず、市場で買ったフルーツとパンで生き延びるような旅でした。でもそうして現地の生活に近い距離で旅をしてきたことで、たくさんの人に出会い、助けられ、言葉が通じなくても、お金がなくても、海外旅行を楽しめる!ということが分かり、どんどん旅にはまっていきました。
――なかなかワイルドな旅の仕方!最初から上級者ですね。そんな中山さんにも、モヤモヤすることがあったと聞きましたが。
中山: 学生の時は躊躇なく夢を語ることができたのに、社会人になったとたんに夢を追いかけること、この場合は会社をやめて自分でなにか始めたりすること……がタブーのように扱われることに、違和感がありました。大学を卒業する時には、就職をするか、海外の大学院に行くか、青年海外協力隊に応募するかで悩んだのですが、行きたい会社の内定を頂いたので就職しました。
仕事は楽しくて、忙しい毎日でもそれなりに充実していました。ただ、長く勤める方が多い職場なので、「世界一周したい」とか「世界のどこかでゲストハウス開きたい」とか「将来は国際協力の分野で活躍したい」といった、会社を辞めることが前提になってしまうような発言はしづらくて。夢を叶えるために仕事をしているはずなのに、周りの目を気にして夢を語れない、といったモヤモヤがありました。
旅先のキューバでの思いがけない出会い
――なるほど。たしかに、長く勤める人が多い会社だと、会社以外の仕事の話はしにくい雰囲気になっちゃいますよね。
中山: そうなんです。そんなモヤモヤを抱えながら、夏休みを使って一人旅でキューバに出かけました。当時は仕事ですごく悩んでいて、とにかく現実から離れたくて、距離的にも文化的にも日本から離れた国ということでキューバを選びました。
便利さや快適さでいったら日本の方がはるかに過ごしやすいのに、キューバでは大人も子供もみんな笑っていて、日本では感じたことのない幸福感を目の当たりにして衝撃を受けたのを覚えています。そしてその旅先で「ゲストハウスをやりたい」という共通の夢をもった方と出会い、日本に帰国してからお付き合いすることになりました。「幸せ」について考えさせられたと同時に、閉じ込めていた夢ときちんと向き合おうと決意をした忘れられない旅です。
――旅先で、素敵な彼氏が見つかったんですね。一緒に旅行に行ったりなども?
2人とも旅好きということもあり、週末や休暇を使ってよく海外に出かけていました。彼とは偶然にも地元が同じで、似たような価値観で話も合うし、優しくて、いつも笑わせてくれるとても素敵な方でした。
でも長く一緒にいて将来のことを具体的に考えていくうちに、お互いの見ている方向がずれてきているなと感じ始めました。彼も同じことを考えていたようで、去年の夏、旅先のオーストラリアで、2人で話し合った結果、別々の道を進むことになったんです。
なんと、旅行先で彼との別れを選択した中山さん。後編では、そんな彼女が本当に夢を実現できるようになるまでをお届けします。
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