旅で劇的に変わったことはない。でも大切なものにたくさん気づけた
●自分を変える、旅をしよう。#2 奈央さん(31)後編
思いがけず手元に航空券が
リーマントラベラー東松(以下、――): 奈央さんは上京してきて、たまたま僕のイベントを見つけてくれたんですよね。でも直前まで来るかどうか迷っていたとか。
奈央さん(以下、奈央): はい。でもその日、仕事ですごく嫌なことがあって……だから参加したのは、そのまま家に帰りたくないな、という消極的な理由だったんです(笑)。入り口で東松さんへの質問を書くコーナーがあったので、「今の仕事で悩んでいて、そんな時にいくべき旅先が知りたい」と書きました。
――覚えてます。それで僕は、気軽に非日常を味わえる香港をおすすめしたんですよね。
奈央: 香港、しかも一人旅で行ってみたらいいよ、と言われてへええ、と思いました。しかもその日のイベントで、香港行きの航空券の抽選会があって……。私は抽選に外れてしまったんですが、当選された方が質疑応答のことを覚えていて、私に「ぜひお譲りしたい」と言ってくれたんです。
はじめての海外一人旅、でも不安はなかった
――すごいですよね!当選した方の心の広さにも僕は驚きました。奈央さんは旅行は好きだけど、海外一人旅はその時が初めてだったんですよね。
奈央: 海外一人旅はずっとしてみたいと思っていましたが、機会がなくて。とてもいいチャンスをいただきました。香港自体は卒業旅行で友人と行ったことがあって2回目になるので、何も心配していませんでした。でも「一人旅にいくよ」と言ったら友達がすごく心配してくれて、旅行に行く前や滞在中など、何度も連絡をくれました。改めて友達の優しさ、ありがたさに気付かされました。
香港では、ホテルから市内へ向かうバスの中で偶然居合わせた韓国人の2人組と仲良くなって、そのまま一緒に夜景を見ることになりました。そのうちの1人は過去にも夜景を見たことがあるそうで、夜景の説明をしてくれました。思いがけない出会いでとても楽しい時間を過ごせて、「一人旅だからこその出会いの楽しさ」に気づきました。まあ、一緒に行動した人や連絡をくれる友達のおかげで、「一人で行った」という実感はあまりなかったんですけどね(笑)。
仕事でモヤモヤと悩んでいましたけど、この旅に行ったことで大切な友達の存在を改めて感じて、いかに今自分は幸せなのか、ということに思い当たったんです。
劇的には変わらなかった。でも大切なものがたくさんあるって気づいた
――素晴らしいですね!
奈央: 本当に、あのタイミングで旅に行けて良かったなと思いました。それまで婚活、婚活と思っていて、それも上手くいかなくて自信を失ったり、不安ばかりが大きくなることが多かったんです。でも29歳のタイミングでたくさん行動にうつして、いろんな経験をできて、それを自分の自信に変えることができました。
それから、日々生活する中で、気づかないうちにだんだん視野が狭くなっていて……旅に出ることで、上京前の新鮮な気持ちを思い出せました。いろんなタイミングと偶然が重なって行けた香港への旅でしたが、自分にとってリセットの意味合いがあったなあと思います。
旅に出たからといって、何かが劇的に変わった!ということはないんです。ただ、自分のこと、友達のこと、今の気持ち、いろんなことに気づけました。
――劇的に変わらなかったけど、たくさんのことに気づいた……これぞリアルな感じですね。でもその気づきが日々を楽しくしてくれますよね。
奈央: そのとおりだと思います。今は、過去の自分みたいにちょっと視野が狭くなっちゃってる人を巻き込んで、旅の魅力に気づいてもらいたいな~なんて思ったりもします。
――これから奈央さんがやりたいことを教えてください。
奈央: ヨーロッパにいったことがないので、ヨーロッパ周遊をしたいなあと思ってます。いろんな国に行って、いろんな感性に触れたいなあと。あとは、結婚ももちろんしたいですよ。理想は旅先での出会いです!そうして出会った人と、夫婦で海外ノマド生活なんてできたら最高ですよね。
――素敵な夢ですね!今日はありがとうございました!
【リーマントラベラーより】
僕のイベントにたまたま来てくれた奈央さん。そこで思いがけず航空券を手にして、「ここにある幸せ」に気づけた……この気付きで、きっと人生が素敵に変わると思います!会って話を聞く彼女の表情は、キラキラしていました。旅の魅力、たくさんの人に伝えていってほしいです!
-
第22回初めての海外一人旅 自分の生き方、お金の使い方…すべてが変わった
-
第23回29歳、婚活に悩んで短期留学。それでも変わらなかった私を変えた旅
-
第24回旅で劇的に変わったことはない。でも大切なものにたくさん気づけた
-
第25回夢を語るのはタブー?モヤモヤしていた私が旅で見つけたもの
-
第26回オーストラリアで彼と別れてから始まった、私の新しいチャレンジ