キレイの定義

河北裕介さん「自分をあきらめないで、好きになってほしい」

『読む河北メイク』(講談社)を出版し、メイクのテクニックだけではなく心の内面、本当の美しさについて伝えているヘア&メイクアップアーティストの河北裕介さん。インタビュー後編では、自信をなくしがちな女性に対してメッセージを送ってくれました。

●キレイの定義

あきらめないで、自分で道を切り開いて

――日本の女性は「自分の外見に自信がない」と思っていたり、「私なんか」って過度に謙遜してしまったりする人が多い気がします。

河北裕介さん(以下、河北): 「私なんか」って言う人も、本心では思っていないはずなんです。実は「いつかなんとかしてやろう」と思っている人が多いはず。僕はみんなに、「あきらめないでほしい」と伝えたいんです。

僕自身、コンプレックスの塊でした。でも、そこであきらめたら終わりなんです。自分にはこんなにいいところがある、と自分で肯定して、道を切り開いていくしかない。自分を認めてあげて、自分をちょっとずつでもいいから好きになってほしいと思います。

コンプレックスをネガティブなものだと思っていると、そこばかり気になって自信がなくなって、どんどん暗くなっちゃうじゃないですか。だから、まずは現状認識として「こういうものだ」と思って、そこから努力していけばいいんじゃないかと思います。

――自分をあきらめない、ということですね。

そうです。そして「自分で自分の責任を取る」こと。僕は以前、90キロまで太ってしまったことがあります。痛風やぎっくり腰にもなって、これは仕事ができなくなる、本当にやばい!と思った。自分に責任を取れていないと痛感しました。

そこから体を鍛えるようにしたら、徐々にでも成果って出るんですね。ちゃんと自分をケアしてあげたら、自分のことがだんだん好きになってきたんです。発する言葉もポジティブになって、仕事も増えていきました。

頑張ると自分を褒めたくなりますが、その「頑張り」ってなかなか人は気づいてくれない。「そんなに褒められることはない」と理解した上で、自分なりに努力を続けることが重要なのではないかと思います。

美容も一緒です。化粧が適当だと、人にも雑に見られる感じがしませんか?その逆で、メイクがうまくできた時は自信になるし、自然といい顔になれるんです。

自分に自信がない人も、「変わる」ことにちょっとの勇気を

――自分に「似合う」ものを見つけるには、どうしたらいいんでしょうか。

まずは、自分がどんな色が好きなのか。好きな色をいくつか出して、それでまず服を選んでみてください。洋服からメイクを決めるとうまくいきますよ。

あとはずっと同じ顔にこだわらないこと。新しい自分になるのってちょっと気恥ずかしかったり、ドキドキしたりすると思うんですが、ドキドキするっていうことは多分、「ちょっと好きだな」って自分で思えていると思うんです。一瞬の勇気を出してみてください。

――肌、眉、リップ。ぱっと変われるには、どれを選んだらいいでしょうか?

やっぱり、一番印象が変わるのはリップですよね。赤リップをつけるだけで、顔がぱっと華やぎます。肌はできるだけ軽く。作り込んでいると鉄壁の鎧みたいで、コミュニケーションも遮断してしまいます。肌はその人の性格や生活が見えるものだと思います。

良いものを広めて、スタンダードをつくりたい

――今後、河北さんがやりたいことってありますか。

もう、すごくいっぱいありますよ!僕、実は思考が家庭的なんで「便利グッズ」みたいなものが大好きなんです(笑)。とりあえず、洋服のシワ取りが簡単にできるスプレーがほしいなあと。

あとは、昨年、ハワイでサンゴに有害な成分を含んでいるということで一部の日焼け止めを規制する法律ができたんですが、そういう禁止成分が入っていないSPF50のフェイス&ボディの日焼け止め。それから、固めずにカールがキープできるヘアスタイリング剤なんかも作りたいんですよね。

――どれも魅力的なものばかり!

品質の良いものを使うことによって、自分の自信にもつながると思っているので。24時間、1年中使えるものを作りたいです。正しい、良いものを広めていって、それが世の中の基準、スタンダードになっていってほしいですね。

  • ●河北裕介(かわきた・ゆうすけ)さん プロフィール
    1975年京都府生まれ。1994年よりヘアスタイリストとして活動開始。女優&モデル指名はNo.1、数多くの女性誌や広告を手がける、今圧倒的な支持を集めるヘア&メイクアップアーティスト。常にトレンドを牽引し、女性の色気や個性を生み出す普遍的なメイクを得意とする。ヘアメイクから作り出されるビジュアルや簡単で時短なワザだけでなく、女性の生き方、美しさに関する考え方や哲学に、多くのファンを持つ。

『読む河北メイク』

河北裕介:著

朝日新聞バーティカルメディアの編集者。撮影、分析などにも携わるなんでも屋。横浜DeNAベイスターズファン。旅行が大好物で、日本縦断2回、世界一周2回経験あり。特に好きな場所は横浜、沖縄、ハワイ、軽井沢。
キレイの定義