リップを塗ってみたら世界が変わった話
顔が派手に見えるかもって思い込み
はじめてリップ、口紅を塗ったのはたぶん7歳の七五三のときだったように思います。赤い口紅を塗られたんですが、鏡を見たら口だけ目立つおばけみたい!その顔が本当に嫌で嫌で、すぐ落とそうとして親や美容師さんになだめられ、たしなめられ、一応その顔でお参りに行き、写真を撮影。口紅もですが、当時は「かわいい」と言われるものがすべて嫌!という時期で、ムッツリ口を一文字に結んだ状態の晴れ着の私の写真が年賀状に使われることになりました(笑)。今から思うと、そんなに嫌だったんか……という感じではありますが。
子どもの頃の嫌な気持ちってなかなか克服できないもので、大人になっていろんなコスメを試したり買ったり使ったりしていましたが、どうにもリップだけは苦手でした。たまにデパートのカウンターでコスメを買い、ついでにリップを塗ってもらうことがあっても、うわ、口が目立つ!と思ってカウンターを離れたらすぐティッシュでふき取るほど。
リップを塗ると顔の印象が劇的に変わって、「自分が自分じゃなくなる」感じがするのが嫌だったのかも?と思います。あとは、リップは「化粧している!」という感じがすごく出て、顔が派手に見えるんじゃないか、と思っていました。完全な思い込みですが……。
あとは、塗ったら塗ったでカップについたり、口をなめるくせがあるからなのかすぐ取れてしまったりするのが面倒くさくて、大人になってからもリップ(口紅)はほぼ使ったことがなく、いつもグロスばかり。なんならリップクリームだけ、ということも多々ありました。
いまいましい?赤リップの流行
とはいえ、リップを塗らなくても長らく「アイメイクしっかり、唇はツヤ」みたいな流行が続いていたので、リップ塗らない派の私としては万々歳でした。
し・か・し!ここ3~4年赤リップが爆発的に流行し、流行のみならず「もはや定番」などと言われる始末……。さすがにリップを塗ったほうがいいのか?と思い始めました。でもなかなか勇気が出ないしなあ。どうせ自分の顔に違和感を覚えちゃうんじゃないかなあ。
そんな私がリップを塗ってみようと思ったきっかけは、同僚のメイクでした。なんだか今日、ぱっと華やいでかわいいな。そんな印象を受けました。よく見ると、彼女のリップがいつもと違う!
今までさんざん他人の顔を見てきたはずですが、このときは本当に「リップで印象が変わるんだ!」と実感しました。そこからスイッチが入った私。まずは、ずーっと敬遠していた赤リップを塗ってみました。
最初はやはり全然慣れなくて、鏡を見るたびに「うわっ」と思うこともしばしば。でも不思議なもので、だんだん慣れてくるもの。そういえば以前、取材したヘアメイクのイガリシノブさんも、「新しいメイクは慣れだ」と言っていました。
リップ買いすぎ問題
試している中で気づいたのは、「リップの色を変えると、顔の印象がいっきにガラッと変わる」ということ。アイシャドウを変えるよりももっと、印象が変化する度合いは大きいように思えました。
オレンジは元気な感じ、ピンクは可愛い感じ、赤はちょっと色っぽい感じ。あんなに嫌がっていたのに、私はあっという間にリップの色の魔法のとりこになってしまいました。あと、ちょっと顔がくすんでいるな……と思う時に明るい色を塗ると、全体的に顔の印象がぱっと明るくなる!ということにも気づきました。リップすごい。
あんなに「派手に見えるかも」と気になっていたのに、いつのまにかそんなことも全然気にならなくなっていました。意識の変化って不思議です。そんなわけで、今まで全然リップをつけてこなかった反動か?いろんなリップを買い漁ってしまい、ポーチの中がリップで渋滞する始末に。口は一つしかないんですけどね……。
やっと春本番になってきて、明るい服を着られるようになってきた今日このごろ。服を変えると、メイクも変えたくなって……また新しいリップがほしいと思ってしまいそうな予感。どうやらすっかり「リップ沼」にはまってしまったようです。