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ひな祭りにクレープ?まだまだ寒い今日のおやつ、クレープを作ってみませんか?

暦は3月だけれど、まだまだ寒い日が続く今日この頃。フランス在住のパティシエ、Mariko Dさんが、フランスの日常茶飯事をお届けします。フランスでは、クレープは、焼くときの小麦粉と卵とバターの焦げる匂いが家じゅうに広まって気持ちまで暖かくなる、寒い日のおやつだそうで…。

今朝のパリはマイナス2度でなんか寒いなあと思っていたら、なんと雪!
午後には止んでしまいましたが、結構たくさん降っていました。

こんな寒い日のおやつは、やはりクレープ。 家に帰って早速仕込みました。

日本ではクレープなんて今さらって感じなのかしら、なんだってある国ですからねえ。

さて、日本のクレープとフランスのと決定的に違うのは、やはり食べ方です。
日本では、生クリームやらフルーツやらたくさんのせてクレープは包装紙みたいな役目ですが、フランスでは、ほぼクレープの皮だけ食べるにみたいな感じです。クレープにお砂糖をまぶしただけとか、ジャムを塗っただけとか、いたってシンプル。

子ども達は、手でくるくる巻いて嬉しそうに口に頰張ります。

まだ娘が小さかった頃、日本風のクレープを食べさせてあげようと思い、フルーツや生クリームやアイスをたくさん買ってフランス人の子ども達をうちに呼んだのですが、娘以外はみんな「ホイップクリーム無しで、フルーツ無しでお願い」ということで、結局日本風のクレープを誰も食べてくれませんでした(涙)。

がっかりというか、食文化の違いにビックリした記憶があります。

クレープといえばブルターニュ地方が有名ですが、パリではブルターニュへの電車が行き来するモンパルナス駅周辺に美味しいクレープ屋さんが点在しています。

こちらはモンパルナス地区からそれほど遠くない、おしゃれなサンジェルマンデプレ界隈にできたクレープ屋さん。明るくモダンな造りです。

こういう感じだと、ちょこっと小腹が空いた時とかに一人でも気兼ねなく入れるんですよね。もちろん食事もできます。食事用のクレープは、ガレットと呼ばれるそば粉入りのクレープです。チーズやハムや卵を一緒に焼いて出てきます。

そして、飲み物はリンゴの発泡酒シードル。この日私が頼んだのは、塩バターキャラメルのクレープ。日本ほどバラエティ豊かじゃありませんが、ソテーしたリンゴやナッツやアイスをのせたクレープもあります。

最近はスーパーでも出来合いのものが手に入るし、冷凍のスーパーでも見かけるし、本当に便利な世の中になりました。ガレットも売っています。

これを温めてお好みの具を挟んだりソースをかければいいだけ。おやつコーナーもクレープがいっぱい。

そりゃお手製のクレープがなんといっても美味しいですが、フランスの女性たちはみんな忙しい。人数の多いご家庭なんて、いちいち一枚ずつ焼いてられないと思うし。 頑張って丁寧に焼いても、ペロって食べちゃう!

さて、我が家のキッチンで焼くクレープは、家族全員好みがバラバラでして。うちの夫はアプリコットジャムに砂糖をかけて、娘はチョコレートまたはマロンペースト、そして私はレモン汁にお砂糖かけて、といつも大体のパターンが決まっています。

フランスは2月2日が「シャンドルール」といってクレープを食べる日。この日のために早めに小麦粉とか買っておかないと、スーパーでも売り切れなんてことになりかねません。その後に続くマルディグラとかでもクレープを食べたりするので、やはり冬のおやつの定番といえるのではないでしょうか。

よく考えてみたら、夏にはあんまりクレープ食べないかも。 クレープを焼くときの、小麦粉と卵とバターの焦げる匂いが家じゅうに広まって気持ちまで暖かくなる、寒い日のおやつなのです。

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