「こち亀」の魅力を考えていたら、意外な結論にたどりついた話
●編集部コラム
こち亀、見たことありますか?
頭空っぽにして、ボーッと見てても面白いんです。疲れた夜とか、無限に眺めていられる。オーバーヒートした頭を癒してくれる。

なぜ、こち亀は面白いのか
そこで、なんでこち亀が面白いかを考えてみた。
心地よく進むストーリーのテンポ、昔から知っているという安心感、ベタ過ぎずほどよくぶっ飛んでるギャグ……。よく見てみると頭を使わず違和感を持たず見られる工夫がたくさんされていることに気づく。
そして何より、それぞれのキャラクターがとっても「ステレオタイプ」だから、安心して見ていられる、というのが大きい。
両さんはゲスいおじさん。美女が好きで、おばさんは嫌いで、ニューハーフも嫌い。中川さんは典型的イケメン御曹司でお金を持ってモテモテ。麗子さんは美人でお嬢様でスタイルが良くてモテモテ。
ステレオタイプなキャラクターは見ていて疲れない
「なんでこの人、こんなこと言うんだろう?」というような思考が発生する事件は起こらない。こち亀に癒されるのは、見てて疲れないからだ。
ただ、35歳の私にとってはステレオタイプなんだけど、もう少し若い世代だったら違和感を持つ人が多いのかもしれない。
例えば、ダウンタウンの松ちゃんに枕営業をネタにイジられた際に「なに言ってるんですか?……やば」と冷静に返したさしこなら、「両さん、普通にセクハラでしょ」とぶった切るのかもしれない。
ドラマやアニメは時代を映す鏡

ドラマやアニメは、時代を映す鏡であり、世論を作る源泉。1996年〜2004年に放送されていた「こち亀」に見やすさ感じる私の感性は古いんだろうなと思う。
現在に視点を移すと、今年4月から放送が決まったドラマ「きのう何食べた?」(テレビ東京系)では、いわゆるステレオタイプではない、男性同士の恋愛やパートナーシップが当然のように描かれている。去年放送された「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)もそうだ。
こち亀も癒しだけど、「きのう何食べた?」の原作マンガにも大いに癒やされている私。古い感性で凝り固まっているわけではないのだなぁと、ちょっと安心する。
こち亀だってダウンタウンだって面白い。というか、面白かった。でも今の時代は、クラシックなステレオタイプにあてはめて、誰かを蔑むような笑いのとり方はかっこ悪いという成熟した社会に、日本もやっとなりつつあるのかも。
多様性に寛容な社会に置いていかれないように、古い感性にだけこだわる人にならないように、私の中のステレオタイプのイメージで誰かを傷つけるようなことがないように、感性をアップデートしていくことはとても大事だなぁと。
こち亀の魅力を考えていたら、そんなことに気づきました。
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