編集部コラム

悪口は言ってもいい

telling,編集部のいぬい(35)です。生きてると理不尽なことたくさんありますよね。そんな時、今までの私は「それぞれ事情があるんだから耐えなければいけない」と思ってました。でも、それってすごく不健全かも……?ということに気づいたお話です。

●編集部コラム

理不尽なことが起きたら、自分を責めていた

生きてると、理不尽なことってたくさんあります。

仕事でも、友人関係でも、恋愛でも、家族でも。
自分は何も悪いことをしていない。むしろ、すごく誠実に一生懸命、いい結果になるように対応したつもり。でも、うまくいかない。なんだか周りの人も怒っている。

そんな状況になっちゃう時ってありませんか。

そうすると「あの人が悪いんだ」「彼が話を聞いてくれないからだ」「どうせ家族は私のことを理解してくれない」という、暗い気持ちがぐんぐん広がって、心の中をどんよりとさせていきます。

私は、そういう時、「ああ、なんて自分は小さな人間なんだ。全てを人のせいにするなんて、逃げているも同然ではないか」と、自分を責めていました。

世の中にはもっと大変な人がいる。
文句ばっかり言ってるけど、私にできること他にもあるんじゃないの?
私の伝え方に問題があるから、理解してもらえないのかも……

結果、いつまで経っても気分が晴れず、また嫌なことが起きてさらに気分が落ちるという、ネガティブループにハマってしまいがちでした。

罵詈雑言が爆発する瞬間

良い子でいたい私は、「悪口言うと、自分も気分が下がるし、何もいいことない」と思って、発散したい思いを悶々と中に溜めるタイプ。

でも、人には限界というものがあるらしく、仕事も友人関係も夫婦関係も家族関係も全てが、人生最悪の状況に陥った瞬間に、私はキレました。

一緒に飲んでいた信頼できる友達に、ありとあらゆる罵詈雑言を吐き出しました。

誰も私のことを理解してくれない。
私のことを利用できると思って使い捨てようとするヤツがいる。
どうして夫はバカでワガママなんだ。
なんで、両親に話が通じないんだ。
私ばっかりなんでこんなつらい思いをしなきゃいけないの!

被害妄想コミコミの、なんの発展性もない会話。
ここは公共の場なので、とてもマイルドな言い回しにしたけど、普段使わないような言い回しの言葉が口をついてどんどん出てきた。

自分の言葉を自分で聞くと、我に帰ることができる

いつもと違う様子の私を見て、友達は少しびっくりしていたようだけど、でも、じっと話を聞いてくれた。
そして、常に私の味方になるような相づちを打ち続けてくれた。(本当に感謝。)

言うのを躊躇するような言葉もいったん口から出ると、2度目3度目はなんの躊躇もなくなる。言葉選びがどんどん凶暴になっていった。

そんな風に、ヒートアップしながら、彼女に状況説明をしていると、ふと気づく。
「あ、私、ここにこだわり過ぎてたな」
「そもそも、これって相手にちゃんと伝えていたっけ?」
「ああ、こういうところを、自分はストレスだと感じていたんだな」

強い言葉を口から出す時は、ちょっとためらいがある。
その瞬間、ばーっと思考が走る。
なんでこの言葉なんだろう?こんなに強い言葉使っていいのかな?自分も他で言われているんじゃないか?
その瞬間に、一気に内省が深まる気がした。

悪口を言うと、内省できる。
これは、私にとって新しい発見だった。

皆さんの中にももしかしたら、良い子で、人の悪口をあんまり言わずに溜め込んでしまうタイプの人っているんじゃないかと思う。でも、自分の健康のために、自分の内省のために、時に、信頼できる人にぶっちゃけてみるのもいいかもしれない。
悪口を言うことが目的ではなく、自分への理解を深めることが目的。
私には、いいデトックスになりました。

1983年生まれ。社会人13年で転職4回。バツイチ。恋愛・結婚・女性性・人間関係・生き辛さなどの話題に興味があります。お笑い・現代アート・バームロールが好きです。